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天涯行き の商品レビュー

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21件のお客様レビュー

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2024/07/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった。 あー,凪良さんのBLだなーって思った。 ひたすら誰かを(怖がりながら?)待ってる遠召結生(とおめゆい)の所に、謎の男高知英利(たかちひでとし)がやってきた。あちこちいたんだ古い平屋の一軒家。二人はお互いのことを何も知らずに暮らしていく。そして、体を重ねるようになる。 お互い,暗い過去があるんだけど、 じつは高知は殺人未遂犯人として逃げてきている。 高知には姉がいて、亡くなった両親の跡を継いでジュエリーをつくる工房をやっていた。高知は家具職人になった。 だが,姉が自殺した。結婚相手は浮気してした。 姉が亡くなった今,作ったジュエリーを浮気相手に渡し,残りは売り飛ばし、両親との思い出の工房も売り飛ばすという。姉を侮辱されて,思わず刺してしまったのだ。 いまは逃亡犯だった。 結生も小学校の頃事故で両親を亡くし、叔父の家に引き取られた。叔父はひたすら結生に甘かった。当然,妻も義兄も面白くない。自分が義兄よりいい成績を取ると二人から無視されるので、あえて酷い点を取るようにしていた。すると,兄は優しい。兄が優しいと嬉しい。 が,兄はだんだんおかしくなっていく。結生のいろんな部分を触り,性的な相手としてゆく。義兄が大学受験に失敗した人、無理やり犯された。 そして,結生は義父と母、つまり兄と妹の近親相姦のすえ生まれた子だと。それからは義兄のされるがままの肉人形のような日々だった。 それも,義母にみつかり、結生が追い出される(義兄はほぼ引きこもりになってた) そのとき、義兄に「ここで待ってろ」と言われたので、ただ待っていた。逆らったら怖いから。 そんな二人が素性をかくしてひとときの幸せな生活をする って話なのですが、 確かに暗い。黒凪良といわれたら、そう。 でもなんか,今の二人がちゃんとお互いを大好きなんだなーってわかるので、全然辛くはなかった。 手に手をとって逃げているのですら、幸せに見てたのがよかった

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2023/07/24

マイルドな気もするけど、暗いときの凪良先生だ…。 いや、これをマイルドと思ってしまうのは文芸出身だからなのか、エグイBLも通過してる腐女子だからなのか……。 いやしかし、性的虐待ってーか搾取はマジでえげつないからなんてーか…読んでてやっぱしんどいね……。これをゴーサイン出すんだか...

マイルドな気もするけど、暗いときの凪良先生だ…。 いや、これをマイルドと思ってしまうのは文芸出身だからなのか、エグイBLも通過してる腐女子だからなのか……。 いやしかし、性的虐待ってーか搾取はマジでえげつないからなんてーか…読んでてやっぱしんどいね……。これをゴーサイン出すんだから徳間書店さんはスゲーよ。

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2020/08/11

お互いのことを全く詮索しない遠召と高知。今だけの関係だからかな。と思ったけれど、段々相手のことを必要だと思うようになっていくのがよく分かる。2人とも、自分だけでは自分の「問題」に向き合えなかったかもしれないから。悲しい過去を持つ2人には、今までの分も穏やかな生活をして欲しいと思っ...

お互いのことを全く詮索しない遠召と高知。今だけの関係だからかな。と思ったけれど、段々相手のことを必要だと思うようになっていくのがよく分かる。2人とも、自分だけでは自分の「問題」に向き合えなかったかもしれないから。悲しい過去を持つ2人には、今までの分も穏やかな生活をして欲しいと思った。

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2015/07/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

BLの枠を飛び越え、サスペンス/人間ドラマとして非常に良作。息をつくのも忘れるような勢いで一気読み。 深く傷つき、心を囚われた遠召のもとに突如現れた行きずりの旅人高知。 どこか自暴自棄な体の繋がりからスタートした二人の関係はやがて、お互いに逃げてきた過去に向き合い、共に乗り越える旅へと繋がって行きます。 セックスシーンがただエロティック一辺倒なわけではなく、心の奥に秘めた物をぶつけ合う痛ましさが胸に迫るような描写として丁寧に描かれているところに引き込まれます。 遠召と高知、二人の視点が交差しあいながら互いの抱えた潰れてしまいそうなどうしようもない重い荷物が少しずつ明らかになり、こころを閉ざした遠召の抱える痛みが高知の存在に救われ、少しずつ二人の想いが膨らみ、重なり合っていく描写に説得力があります。 二人の住む田舎町や古ぼけた民家、お互いの置き去りにした過去の眠るそれぞれの故郷、逃亡先として選んだ港町、それぞれの街が見せる顔の違いが二人の感情をより増幅させます。 痛ましくどうしようもなく、二人の人生を踏みにじった人間達に制裁が降らない事にカタルシスを感じない部分もあるかもしれませんが、ご都合主義の勧善懲悪ではない所もリアルな人間ドラマなのかな、と。 よくぞここまで書いてくれた!という気持ちでいっぱいになる、痛みの果てに救いと再生を感じられる物語でした。

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2014/02/25

シリアスな話。 最初は淡々と読めたんだけど、互いの 過去の話になると重い…^_^; ハッピーエンドで終わってくれたから良かった〜。 この二人…今までが辛く悲しい事が多かったからこれからは幸せに暮らして欲しいと思った。

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2013/12/18

遠召さんのはかなげな感じがなんともいえない。重い話だけど、凪良さんは一応ちゃんと問題を解決させてくれるところがすき

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2013/11/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

すごく評価に悩む作品です。 というのも、『まばたきを3回』『あいのはなし』そして この作品『天涯行き』という流れで連続して凪良作品を ここ数日読んでまして……。 どれもこれも『死ネタ』『服役ネタ』『逃亡ネタ』 という、もう作品混同しちゃいそうな勢いの重さと シリアスさで、どっと読後に疲れました。 勿論、素晴らしいお話です。 攻と受の幼少期はまるで陽と陰、まったく違う環境で 育ったはずの二人が、種類の違う闇を背負って出会い、 そして惹かれあう。 救いのない未来にむけて逃避行し、それでも逃げずに 立ち向かい、ふたりで未来を掴み取るという目頭の 熱くなるような話なんですが……。 上記の通り、これ系3連続はちょっとしんどかった。 間に別の作家の話を読むなり、コメディ読むなりして たら、リセットできてたと思うんですけど。 現時点での気持ちでは★2つくらいな印象ですが、 単体で読んでいたら、ということで★4つ。 次は明るい凪良さんが読みたいです。 あぁ、あといまいち話に集中しきれなかった要因が 登場人物の名字。 攻が『高知(たかち)』受が『遠召(とおめ)』という のですが、阿呆な私は両方とも頭に入ってこず、目に 入るたびに『こうち、じゃない。たかちだ』 『たかとお?ん?とおえ?いやちがう、ああそうだ、とおめだ』 と頭の中で何度も正しい名字を探すという体たらく。 BL作家さんにありがちな凝った名付けは嫌いじゃないですが、 出来れば『山本』『田中』『木村』とかの方がありがたいです笑。

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2013/10/28

暗くてシリアスなのに、最後は晴れ晴れとした気持ちで読み終えられた。2人のこれからが幸せであればいい。

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2020/03/07

▼あらすじ 名前しか知らない相手と、夜ごと激しく抱き合って眠る──。 旅の青年・高知(たかち)をなりゆきで家に住まわせることになった遠召(とおめ)。戻らない恋人を待ち続ける遠召と、人懐こい笑顔と裏腹に、なぜか素性を語らない高知。互いの秘密には触れない、共犯めいた奇妙な共同生活。こ...

▼あらすじ 名前しか知らない相手と、夜ごと激しく抱き合って眠る──。 旅の青年・高知(たかち)をなりゆきで家に住まわせることになった遠召(とおめ)。戻らない恋人を待ち続ける遠召と、人懐こい笑顔と裏腹に、なぜか素性を語らない高知。互いの秘密には触れない、共犯めいた奇妙な共同生活。この平穏で心地良い日々はいつまで続くんだろう…?  けれどある日、高知が殺人未遂事件の容疑者として追われていると知って!? *** 重くてシリアスなんだけど、凄く心に残る作品。 とにかくラストが良かったです。決して派手じゃないし、幸せに満ち溢れてる訳でもない。ただ静かに息衝くようなラストに心を打たれました。 暗くて長いトンネルを歩き続けて、やっと出口への光が見えた…そんな希望のあるラストだと私は思います。 幸せになって欲しいと、読み終わってから強く思いました。

Posted byブクログ

2013/09/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【フェア購入】それぞれ事情を抱えた男二人がひょんなきっかけで同居するお話。何の予備知識もなく読み始めたら、そこはとんでもないどシリアスの世界でした・・・(汗)読み進める間、荒波が打ち寄せる崖の上で立ちすくむような、身体も心も哀しさで冷え切ったような感覚に陥り、どう頑張っても分かり合えない相手について、自分の中でどう折り合いをつけるか、涙が出るほど共感しました。いやぁ、こういうBLもあるんですねぇ~。まるで片方が欠けたらハートにならないペアペンダントのような二人が幸せになっていることを心から願います。

Posted byブクログ