にぎやかな天地(下) の商品レビュー
主人公の聖司が日本の伝統発酵食品をまとめる本を作る中で色々な人や物や考えに出会う話。 話の中で、その時は最悪だなと思う事が後々いい事に繋がるという場面がいくつかあった。今の自分の立場はどちらかと言うと悪いと思うが、それが後々プラスになったらいいなあと思った。 物語の中に登場...
主人公の聖司が日本の伝統発酵食品をまとめる本を作る中で色々な人や物や考えに出会う話。 話の中で、その時は最悪だなと思う事が後々いい事に繋がるという場面がいくつかあった。今の自分の立場はどちらかと言うと悪いと思うが、それが後々プラスになったらいいなあと思った。 物語の中に登場する発酵食品は、どれも作り出すのに年単位の時間がかかる物だった。いい物を作り出すのには、とても時間がかかる物だと実感したし、それは人間も同じじゃないかと思った。効率的にやる事は重要だが、コツコツ時間をかけて発酵食品のようにじっくり仕上げて行くのも同じく大事だと思う。 最後に、今回も登場人物や土地の描写がとても良かった。新宮の海辺で日向ぼっこしたくなったし、甲陽園の坂にも行ってみたくなった。 2022年3月
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ここで終わるのが潔い せめて発酵本かと思ってたけど、 それがテーマじゃないからね!って いやいや。それは宮本輝読者だもの、大丈夫だよね?って 読者を信じる姿勢だよ
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「倦まず弛まず焦ず」 「わかりにくいものをわかりにくく言うのは所詮偽物。ゼロから物を産む人は具体的で普遍的なことを知ってる」 「巧言令色鮮なし仁」 「学べば則ち固ならず」 上下で心に残った言葉です。 (正確に書けているかわかりません) 多分、受け止めきれていない言葉がたくさんあ...
「倦まず弛まず焦ず」 「わかりにくいものをわかりにくく言うのは所詮偽物。ゼロから物を産む人は具体的で普遍的なことを知ってる」 「巧言令色鮮なし仁」 「学べば則ち固ならず」 上下で心に残った言葉です。 (正確に書けているかわかりません) 多分、受け止めきれていない言葉がたくさんあるんだろうなと思います。 また読み返すことになるんだろうなと思います。
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三回めの再読。暫くすると忘れている箇所があったり、、刺さる部分が前回とは違ったり。今回は自粛中に読み始め、発酵物に興味を抱いたからだけど 人の心も熟す?熟れて(ナレテ)行く? お母さんと彦市さんの場面に感涙。前回はそれ程感じなかったのに。。 ゆっくり ゆっくり 読みたい一冊。 ...
三回めの再読。暫くすると忘れている箇所があったり、、刺さる部分が前回とは違ったり。今回は自粛中に読み始め、発酵物に興味を抱いたからだけど 人の心も熟す?熟れて(ナレテ)行く? お母さんと彦市さんの場面に感涙。前回はそれ程感じなかったのに。。 ゆっくり ゆっくり 読みたい一冊。 生と死は繋がっている、、、
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上・下巻とも「これはぜひ読んでほしい!」と宮本輝好きにすすめられて借りて読み。 ミステリやどぎつい殺人もの、現実の事件をベースにした怪奇小説などが好きなのだが、宮本輝の作品は主に長編では特に人も死なず、いわゆる「純文学」というジャンルであり、好みとは違うもののその筆力と登場人物...
上・下巻とも「これはぜひ読んでほしい!」と宮本輝好きにすすめられて借りて読み。 ミステリやどぎつい殺人もの、現実の事件をベースにした怪奇小説などが好きなのだが、宮本輝の作品は主に長編では特に人も死なず、いわゆる「純文学」というジャンルであり、好みとは違うもののその筆力と登場人物の魅力によりいつも読み終わったあとの余韻に浸れ、「その世界を一緒に生きた」気になれる。おもしろくなかったな、という読後感がない。ただ、この作品に関しては…… すべてが「やり途中」なのだ。人生とはそういうものだ、特に何事か解決しなくてもすすんでいく。様々な思いと出逢いと状況が交差する…ということはわかってはいても、下巻の最後の文まで読んで「えっ、これで終わり!?」と思わず声を出してしまったくらい、何もかもが中途半端に終わった感が否めない、というか、それしかない。 本も出来上がっていない。丸山先生のトラウマも一応の決着すら見えていない。なにより上巻であれだけ詳しく書かれていた、最大のテーマであるはずの「発酵食品」がどっかにいっちゃったんである。これはどうしたことなんだろう。 人妻との淡い恋心のやりとりも、画家の譜面画集もとにかくすべてがとっちらかっている。本のスポンサーのおじいちゃんのうつ病の話なんてなんだったのか。なにもかもが「出てきて言いたいこと言って投げ出された」エピソードに思えてしまって、そう、もしかしたらこういうのが最上の「純文学」かもしれないけど…… 小説のジャンルの好みとしては私に合わなかった。キャラクターが生き生きしているだけに残念だなあ、という感想のみ。いやこれはもう、本当に好みの問題なんだけどね。
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カエルが やかましく泣いている中で 発酵している 酢の 蔵で 耳を澄ます。 宮本輝は 阪神大震災を経験することで なぜか雰囲気が 変わったような気がする。 『森の中の海』をよみ 『にぎやかな天地』を読んで感じた。 勇気って どこから湧いてくるのだろう。 天から 降っ...
カエルが やかましく泣いている中で 発酵している 酢の 蔵で 耳を澄ます。 宮本輝は 阪神大震災を経験することで なぜか雰囲気が 変わったような気がする。 『森の中の海』をよみ 『にぎやかな天地』を読んで感じた。 勇気って どこから湧いてくるのだろう。 天から 降ってくるわけではない。 そして、勇気を 奮い起こして 自らの道をすすむ。 寡黙だった 祖母。 何も言わない 母親。 それが 聖司の なげかけた 言葉と行動で、 ひも解かれていく。 時間が 心の中のわだかまりと問題を解決してくれる。 いろんな想い 悩み 苦しみ そして 絶望さえもが、 時間という 発酵槽で かぐわしい 濃醇な コクを作り出す。 善人しかいない 物語は いいなぁ。 とりわけ 丸山が 何とも言えない 味を出しているがな。
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妙に中途半端な結末。 まあいいのだけど、だから、発酵食品の面白さは? 食べ物も本当は見せ所なのに描写が残念…。
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時の流れや縁など、目に見えないものが影響しあって、人生がより深いものとなる。その入口に発酵食品を持ってくるところに宮本さんの凄さを感じます。 発酵食品や本作り、京都に興味を持てたし、仕事に向き合う姿勢など色々と考えるヒントをもらえました。 「死は終わりでなく、遺された者にとっては...
時の流れや縁など、目に見えないものが影響しあって、人生がより深いものとなる。その入口に発酵食品を持ってくるところに宮本さんの凄さを感じます。 発酵食品や本作り、京都に興味を持てたし、仕事に向き合う姿勢など色々と考えるヒントをもらえました。 「死は終わりでなく、遺された者にとっては、始まり」 『21グラム』という映画を観た時に感じたことですが、この作品にも通じるところがありました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
全般的にはいい話だった。 不幸な縁が始まりで、到底、仲良くなれるはずもなかった人達と繋がっていき、よい影響を及ぼし合って、いい縁になっていくのは、人間としての深さを感じる。目には見えない波のようなもので繋がっていくのは、感覚としてとても理解できる。 宮本輝の”あとがき”がなかなか感動する。
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発酵食品の成熟/人生の成熟 納豆と糠漬と、とろろ昆布に鰹節を入れた吸い物、それにご飯だけの日 質素だけど高級な食材で体調を整える。 続けるのは、難しいけど、人生感と合わせて、贅沢だと思いました。
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