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花の夜 の商品レビュー

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2012/09/20

会社が倒産して職を失い、女にも捨てられ、泥酔してゴミ集積場で寝てしまった柏木。そんな彼を拾って家に連れ帰ったのは官能小説家の圭一。親切心かもの好きかと思いきや、身の回りの世話をいきなり命じられ、自分の小説のモデルになれと強要されてしまいます。 仕事もなく住む所もない柏木は、仕方な...

会社が倒産して職を失い、女にも捨てられ、泥酔してゴミ集積場で寝てしまった柏木。そんな彼を拾って家に連れ帰ったのは官能小説家の圭一。親切心かもの好きかと思いきや、身の回りの世話をいきなり命じられ、自分の小説のモデルになれと強要されてしまいます。 仕事もなく住む所もない柏木は、仕方なく圭一の雑用係として同居することに。 何にもできない子供のような圭一のためにこまめに家事をして世話を焼く、とってもオカンな柏木。人がいいというか、ダメ人間を放っておけない性格というか、とにかく見かけによらず世話好きなんです。 おまけに小説創作のためといわれて、圭一に緊縛されたり鞭で叩かれたりヘンな玩具を買って来いと言いつけられたり、えらい目にあわされちゃってますが、さらっとユーモラスに描かれていて思わず苦笑させられたりして、なかなか読んでいて楽しかったです。 最初はただダメダメ人間の圭一のお世話をして、互いに恋愛感情もまったくないところから始まります。柏木は官能小説家の創作の実験台になってさんざん恥ずかしい思いをさせられた上に身の危機さえ感じてしまい、1ヶ月分の給料をもらったところで出て行こうとするのですが、寂しそうな圭一を見て情が湧いてしまいます。庇護欲から愛情へと柏木の気持ちが変化していきます。 新作のために圭一に「女のように抱いて欲しい」と頼まれ、柏木は自分の恋心をはっきり認めるのですが、体を重ねても想いが一方的であることに気持ちはむなしくなるばかり。 情緒が欠如している圭一とうまくコミュニケーションがとれず、心がすれ違ってしまう柏木の苦悩に切なくなります。 そんな二人がどうやって気持ちを通じ合えるようになるのか、というのが読みどころです。ちょっとほろっとさせられたりしました。 でも、圭一は対人スキルはゼロでも、官能小説という武器を持っていたんですね~ それを告白に使うという手は反則技ではないかと。柏木が読まなかったらどうなっていたんでしょうか? 紙袋いっぱいに買い占めた圭一の本を両手にぶら下げた柏木の姿を想像すると、笑いが止まりません… 割れ鍋に綴じ蓋的なcpで、ぴったりな二人だなと思わせます。 萌えはそこそこでしたが、ストーリーはとてもすてきでした。

Posted byブクログ