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サッカー審判員フェルティヒ氏の嘆き の商品レビュー

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2012/07/10

サッカー審判員の独白として語られる本作で、印象に残ったのは、誤審に対する考え方だ。優秀な判定をしたからといって、誰も審判を賞賛しない。記憶に残る審判は最高の誤審をした審判だ。常に正しい選択を求められる人は数多いる。政治家にしろ医師にしろ、「正しい」ことが当たり前だ。だが、スローモ...

サッカー審判員の独白として語られる本作で、印象に残ったのは、誤審に対する考え方だ。優秀な判定をしたからといって、誰も審判を賞賛しない。記憶に残る審判は最高の誤審をした審判だ。常に正しい選択を求められる人は数多いる。政治家にしろ医師にしろ、「正しい」ことが当たり前だ。だが、スローモーションで重要な箇所をクローズアップしてくれない試合中に、常に正しい笛を積み上げ続けられるだろうか。私たちはそれができるという信託をレフェリーに与えている。 短い小説だが、とてむ深い。ブンデスリーガを抱えるドイツの作家が問いかけているのは、訳者あとがきで語られているが、責任と保証への問いだ。

Posted byブクログ

2012/07/04

 読んで良かった。まず目的があり、善し悪しに公式を当て、心清く統治する。  この枠組みに、量定の裁定者が配置され、初めて目的に達する道ができ、進むこと、  邪魔することの自由が生まれる。しかし、量定は情状酌量で看過・覆され、  選手はペテン対策、観戦者は激情。そんな所感なのだけど...

 読んで良かった。まず目的があり、善し悪しに公式を当て、心清く統治する。  この枠組みに、量定の裁定者が配置され、初めて目的に達する道ができ、進むこと、  邪魔することの自由が生まれる。しかし、量定は情状酌量で看過・覆され、  選手はペテン対策、観戦者は激情。そんな所感なのだけど、そんなのは、どうでも  良くって、ただ、サッカー審判員の語り掛けは、ちょっと考えさせられたりする  のだけど、とても楽しい。「線を引くんだ」は6月の格言としよう。  (これは別の話)たまたま、テレビつけたときにやってた、2014年WC 予選  日豪戦。面白かった。あれだけジャッジが揺れる試合を本書の読了後に観戦できて  良かった。

Posted byブクログ