ラバー・ソウル の商品レビュー
読むのを中断するのが名残惜しく、ほぼ一気読み。よくあるストーカーモノかと、気持ち悪い…と読んで行ったら、だんだん、アレ…?となって行き。読み終えた後に帯の「すべてを知り、愛した。」て煽りを見ると、溜め息しかでない。 登場人物の1人の言動が違和感たっぷりで、井上夢人さんもおじさんだ...
読むのを中断するのが名残惜しく、ほぼ一気読み。よくあるストーカーモノかと、気持ち悪い…と読んで行ったら、だんだん、アレ…?となって行き。読み終えた後に帯の「すべてを知り、愛した。」て煽りを見ると、溜め息しかでない。 登場人物の1人の言動が違和感たっぷりで、井上夢人さんもおじさんだから仕方ないのかしらねー、と思いながら読んでたらそれも全て計算されてたなんて。すごいな。
Posted by
ビートルズに関してはほとんど知らないけれど。それでも読むのにはまったく問題なしでした。でも知っていたら、さらにのめりこめるのかも? 生まれながらにして醜い容貌を持った男の悲哀物語。一見純愛。恋したモデルを陰からそっと見守る、ってのは健気。……でもそれ、どっからどう見ても疑いの余地...
ビートルズに関してはほとんど知らないけれど。それでも読むのにはまったく問題なしでした。でも知っていたら、さらにのめりこめるのかも? 生まれながらにして醜い容貌を持った男の悲哀物語。一見純愛。恋したモデルを陰からそっと見守る、ってのは健気。……でもそれ、どっからどう見ても疑いの余地もないストーカーです。 どんどんエスカレートするストーカー行為と、起こされた事件。それでも愛だと信じて行動するある意味の一途さが、とんでもなく不気味。いや、そりゃあ境遇を思うと可哀想だけど。それでもあまりに気持ち悪いってば。 と思いつつぐいぐい読まされ。ラストでとんでもないことに! 作者、というよりあの人の策略に読者は完全に嵌められていたのでした。完敗。そしてラストの一行はあまりに哀しかったのでした。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
すべてを知り、愛した。 洋楽専門誌にビートルズの評論を書くことだけが、社会との繋がりだった鈴木誠。女性など無縁だった男が、美しいモデルに心を奪われた。 偶然の積み重なりは、鈴木の車の助手席に、美縞絵里を座らせる。 初読後、これはすごく上手いプロットに支えられている小説だなあと思いました。 主人公・鈴木誠の一人称パートと、関係者の証言とが入り混じってできているのですが、 その関係者の証言にも「鈴木誠」のパートが配置されているのです。 これが実に巧妙で、「物語において本当は何が起こっているのか」を隠しています。 そしてそれは最終章「We Can Work It Out」で明らかにされます。 善悪と美醜、ある人物に抱いていたイメージが180°ひっくり返ってしまう。 結局彼は「報われたのか」? 報われたのでしょうね。 再読必須です。 ただし、その某氏の超傑作に酷似しているというかなんというか……。 ミステリ:☆☆☆☆☆ ストーリー:☆☆☆☆☆ 人物:☆☆☆☆☆ 読みやすさ:☆☆☆☆☆
Posted by
読み終わった感想、ただただ切ない。そして呆然としてしまう感じ。 大好きな井上夢人の新刊、待ち焦がれていた。 あらすじ読むとなんだか面白そう! 井上夢人の作品なら何かあるだろう!これってどうなの?なんて思いながら読み進めていった。 正直途中はかなり引いてしまってw 身体全体も本...
読み終わった感想、ただただ切ない。そして呆然としてしまう感じ。 大好きな井上夢人の新刊、待ち焦がれていた。 あらすじ読むとなんだか面白そう! 井上夢人の作品なら何かあるだろう!これってどうなの?なんて思いながら読み進めていった。 正直途中はかなり引いてしまってw 身体全体も本から離しながら読んでしまう始末。 最終章読みながら、うわわわってのめり込んでしまった。 帯の【すべてを知り、愛した。】の意味が最後まで読んでやっと分かった。 あぁ、本当に切ない。 喉の奥が苦しくなって胸の奥がきゅーってなる感じ。 すごいなぁ…。 こんなどんでん返しとは思ってもみなかった。 読み進めるときはもちろんThe BeatlesのRubber Soulを聞きながら。 これ、もっともっと詳しかったら、ははーんってもっとなれてたんだろうなw それにしてもこのアルバムが見ようによってはストーカー側からの視点になっているとは… おっと、ネタバレになっちゃうw
Posted by
幼少期に罹った病気により特異な風貌となってしまった主人公が、ひとめ惚れしたモデルに一方的な思いを寄せたことにより、様々な事件が巻き起こる様を描いた恋愛ミステリー。 帯の紹介文等により、ラストにどんでん返しがあることはわかっていたが、肝心なその「真相」にあまり説得力が感じられず、...
幼少期に罹った病気により特異な風貌となってしまった主人公が、ひとめ惚れしたモデルに一方的な思いを寄せたことにより、様々な事件が巻き起こる様を描いた恋愛ミステリー。 帯の紹介文等により、ラストにどんでん返しがあることはわかっていたが、肝心なその「真相」にあまり説得力が感じられず、とってつけた感が否めなかったし、素朴な疑問も多々残ってしまった。 個人的には期待が高かっただけに、やや残念。
Posted by
自身の醜い容貌から引きこもり生活を送る音楽評論家・鈴木誠。とある事件をきっかけにモデル・美縞絵里と知り合った彼は……。 暴走していくストーカーっぷりがネチっこく不気味で、それだけでもサスペンス・ホラーとしても充分に読ませる。さらに事件の関係者の供述を重ねていくという形式、作者が井...
自身の醜い容貌から引きこもり生活を送る音楽評論家・鈴木誠。とある事件をきっかけにモデル・美縞絵里と知り合った彼は……。 暴走していくストーカーっぷりがネチっこく不気味で、それだけでもサスペンス・ホラーとしても充分に読ませる。さらに事件の関係者の供述を重ねていくという形式、作者が井上夢人とくれば、きっと何かがあるのだろうと読み進めていけば……。なるほど、こうきましたか。 構図の逆転の鮮やかさと、そこから浮かび上がる切ない物語が胸を打つ。 各章の冒頭と内容をビートルズの”ラバー・ソウル”の曲名、歌詞と絡めるというこだわりの趣向も見事。
Posted by
あー。いや、もうやられたね。がつんと、ではなく、ぐさり、と。 これほどまでに、読んでいる途中と読み終わる寸前の感情が大きく変化する小説はめったにない、本当に。 読んでいる途中の湿度の高い粘ついた感覚。もう、放り投げたくなるほどのその嫌悪感が、ある時点で一気に…いやいや、これはネタ...
あー。いや、もうやられたね。がつんと、ではなく、ぐさり、と。 これほどまでに、読んでいる途中と読み終わる寸前の感情が大きく変化する小説はめったにない、本当に。 読んでいる途中の湿度の高い粘ついた感覚。もう、放り投げたくなるほどのその嫌悪感が、ある時点で一気に…いやいや、これはネタバレですから書けけない書けない。 とにかく最後までお楽しみに、としか言えない。 大切なことなのでもう一度言おう。 やられました。がつんと、ではなく、ぐさり、と。
Posted by