連分数のふしぎ の商品レビュー
これはおもしろい本ですね。 著者の木村さんは広島大学教授、専門は代数幾何の数学者。連分数は代数幾何の話題ではありませんが、著者は連分数が大好物とのことです。 私は学生時代、連分数はあまり興味を惹かれませんでした。あの書き方がどうも好きではなくて。 でもおもしろいものですね。連...
これはおもしろい本ですね。 著者の木村さんは広島大学教授、専門は代数幾何の数学者。連分数は代数幾何の話題ではありませんが、著者は連分数が大好物とのことです。 私は学生時代、連分数はあまり興味を惹かれませんでした。あの書き方がどうも好きではなくて。 でもおもしろいものですね。連分数を使うと、√2や√3、黄金比、といったものが非常にシンプルな形式でかける。例えば√2でいえば、通常の表現では1.41421356...で規則性など何も見えませんが、連分数の表現にすると2が無限に続くきれいな形となる。また、√2が無理数であることも連分数にすれば一目瞭然になる。おもしろいですね。連分数の形式にするとこれらの無理数が正体を現す、といった感じですね。
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連分数の初等的な理論を非常に丁寧に解説した本.高校2年生くらいから理解できるように書かれている感じ.かなり数値例も多いので実際に手を動かしながら読むと楽しい.主に扱われるのは無理数の近似分数の観点で,暦や音階など実生活からの例を多く挙げられていておもしろい.ラマヌジャンの円積問題...
連分数の初等的な理論を非常に丁寧に解説した本.高校2年生くらいから理解できるように書かれている感じ.かなり数値例も多いので実際に手を動かしながら読むと楽しい.主に扱われるのは無理数の近似分数の観点で,暦や音階など実生活からの例を多く挙げられていておもしろい.ラマヌジャンの円積問題などは知らなかったので読んでよかった.一方で代数的でちょっと骨が折れるラグランジュの定理などの証明はのっていないので,この本を読んだ後にハーディ・ライト「数論入門」とか読むのがいい.
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これはおもしろい! 連分数という切り口で、有理数だけでなく、無理数の発見、正五角形の作図方法、音階の成り立ち、黄金比の正体、松ボックリの戦略など、歴史を紹介しながらも、具体例を交えながら、証明なんかも丁寧に説明されている。 内容は深いが、とにかく丁寧なので、読み進めるだけで、理解...
これはおもしろい! 連分数という切り口で、有理数だけでなく、無理数の発見、正五角形の作図方法、音階の成り立ち、黄金比の正体、松ボックリの戦略など、歴史を紹介しながらも、具体例を交えながら、証明なんかも丁寧に説明されている。 内容は深いが、とにかく丁寧なので、読み進めるだけで、理解できる構成となっている。高校生くらいの方が読むと、うまい具合に数学の面白さに引き込まれていくのではないでしょうか。
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この本は、僕的には久々の大ヒットでした。 昔から「数の不思議」系の本は大好きで、このもの頃からよく読んできましたが、大人になってからは、さすがにすでに知っている内容のものが多かったり、あるいは現代数学からみで内容が複雑すぎて到底ついて行けなかったりで、知的好奇心をくすぐってくれる...
この本は、僕的には久々の大ヒットでした。 昔から「数の不思議」系の本は大好きで、このもの頃からよく読んできましたが、大人になってからは、さすがにすでに知っている内容のものが多かったり、あるいは現代数学からみで内容が複雑すぎて到底ついて行けなかったりで、知的好奇心をくすぐってくれるおもしろい数学関係の本というのに、とんと出会わなくなっていました。 ところが、この本は基本的にはほとんど整数・有理数・無理数と有理係数の多次元方程式まで、つまり中学数学で習う程度の内容までしか扱っていない(付録で若干行列とか出てきますが)のですが、今まで知らなかった「連分数」による解き方を徹底させており、非常に興味がそそられました。 数式だけでなく、図やグラフもうまく使われていて直感的に理解しやすかったですし、内容も、数論の話だけでなく平面幾何の正五角形の作図法だとか、円の面積に極めて近似した正方形の作図法、音階の決め方のいろいろ、算数パズルのエレガントな解法など、どれも非常におもしろく、また、証明もきちんとされていて、実に満足のいく内容。 本当に久々に良い本に出会いました。
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