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つぶやき岩の秘密 の商品レビュー

3.5

21件のお客様レビュー

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2022/09/06

この作品が新田次郎の原作であることは、この新潮文庫版が出るまで私は知らなかった。昭和47年の刊行だったこともあり、まだ戦争の傷跡は一般通念としてぎりぎり残っていた頃だろう。 そしてやはり、昭和の少年たちがこの作品に触れたのは、NHK少年ドラマシリーズの一作としてだろう。この作品は...

この作品が新田次郎の原作であることは、この新潮文庫版が出るまで私は知らなかった。昭和47年の刊行だったこともあり、まだ戦争の傷跡は一般通念としてぎりぎり残っていた頃だろう。 そしてやはり、昭和の少年たちがこの作品に触れたのは、NHK少年ドラマシリーズの一作としてだろう。この作品は、石川セリの歌うテーマ曲「遠い海の記憶」と不可分だという人は、私と同じように多いのではないか。そのわけは、いつか思い出すだろう。大人になったときに…。

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2021/12/11

つぶやき岩の秘密 タイトルと読了感の開きが大きい小説。 主人公が小学6年生の物語。 そして海が綺麗な村の物語。 したがって、内容も進行も心優しく、、、と思いきや、主人公が命を狙われるという穏やかではない展開に、、、。 1.村に伝わる言いつたえ 陸軍が敗戦とともに、金塊を村の地...

つぶやき岩の秘密 タイトルと読了感の開きが大きい小説。 主人公が小学6年生の物語。 そして海が綺麗な村の物語。 したがって、内容も進行も心優しく、、、と思いきや、主人公が命を狙われるという穏やかではない展開に、、、。 1.村に伝わる言いつたえ 陸軍が敗戦とともに、金塊を村の地中に埋めたとの噂あり。 しかし、誰もその真実の是非を知らず。 村の歴史を遡ると、入村当時から今も存命は三名のみ。 その三名のうちの一名が、少年に近づく。 2.少年と海 2歳で両親をなくして少年。 1人で海を見る、歩く、泳ぐが好きな少年。 ある時、絶壁の断崖に人影が、、、。 幻か?人間か? 少年の好奇心は、断崖を調査するという行動に。 3.作品から 少年の好奇心。恐れあるも、大人に相談しながら、一歩ずつ金塊の真実に近づく。 現在も、国内で不発弾が見つかるニュースが流れる。 小説を少年の出来事としてとらえるか?戦争とその後の世界の繋がりとしてとらえるか? 昭和40年代に生まれた小説。50年の月日が経過した現代でも読み継がれる理由が見えてくる。 心に落ちてくる物語は、晴れの青空のように、しみわたる。

Posted byブクログ

2018/04/06

小学生高学年向けの児童文学。周りの大人の非常識な寛容さも物語ならでは。男の子の冒険心を大いに擽る。少年が大切なものが何かを感じ成長する姿を描いている。2018.4.6

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2018/01/24

B913.6-ニツ 300593753 遠い子供の頃のことなのに,妙に鮮明に記憶に残っている事柄が,おそらく誰にもあると思う.私にとってのそれがこの本である.いや,正確に言えば本ではなく,ストーリーである.  紹介文を書くにあたり,久し振りに読み返して,記憶に残っている理由が...

B913.6-ニツ 300593753 遠い子供の頃のことなのに,妙に鮮明に記憶に残っている事柄が,おそらく誰にもあると思う.私にとってのそれがこの本である.いや,正確に言えば本ではなく,ストーリーである.  紹介文を書くにあたり,久し振りに読み返して,記憶に残っている理由が想像できた.出版翌年に放映されたテレビドラマを夢中になって観ていたこともさることながら,出版年と作中の年齢を合わせて考えると,主人公の少年が私自身に綺麗に重なるのである.太平洋戦争がそれほど遠くない時代,戦争の痕跡が身近にあったのも,鮮明に記憶している理由であろう.小説の存在を知ったのは高校生の時だった.  物語の舞台は三浦半島にある,夏は海水浴客で賑わう村.そこに残された旧日本軍の要塞跡と,隠されたとされる財宝.財宝を廻る謎と事件.辞世の句として渡された暗号,そして解読.そこには少年期なぞ遥かな過去になった今の私が読んでも心踊るものがある.  作者新田次郎は山岳小説や歴史小説で有名だが,たった一つ書いた児童文学が本書である.気象学者でもあるので風景や気象現象の描写が的確で美しい.おそらく現在は状況が変わっているであろうが,本書を片手に三浦半島を散策するのも良いだろう.また,作中で主人公の担任の先生が夏休みの課題として作文を課す時に作文について説明する件りは,文学者としての新田の持論に触れるようである.  冒頭で触れたが,本作はNHK少年ドラマシリーズの一作としてドラマ化された.本書を通してドラマを観,他の作品の原作を読むというのも読書の楽しみ方の一つであろう.若い人たちが知っていそうなところでは,筒井康隆著『時をかける少女』がある.  因みに,新田次郎のご子息,数学者の藤原正彦氏は『若き数学者のアメリカ』『国家の品格』などを著している.

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2019/09/03

少年向けの冒険小説。面白かったです。たとえ危険を冒していても、誰かが自分のやろうとすることを知ってくれているというのは、大切な命綱になります。戦争が残した深い傷跡によってつぶやき岩の「秘密」が生まれました。たび重なる冒険を経て、それは本当に主人公だけの秘密になったのだと思います。

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2016/04/03

それなりに面白かった。 子供が大人の力を借りて、大人に打ち勝ち金塊を見つける話。 親が居ないからか、早く大人になりすぎたような、変に悟っちゃった子供が主人公で、同年代の友達の描写がない。 冒険に出る時も一人か、大人と一緒で爽快感はない。 最後に金塊の隠し場所を見つけるが、村内で...

それなりに面白かった。 子供が大人の力を借りて、大人に打ち勝ち金塊を見つける話。 親が居ないからか、早く大人になりすぎたような、変に悟っちゃった子供が主人公で、同年代の友達の描写がない。 冒険に出る時も一人か、大人と一緒で爽快感はない。 最後に金塊の隠し場所を見つけるが、村内であると噂の金塊だから紫郎が見つかった辺りを誰かが探して金塊を見つけてしまうんじゃないだろうか。

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2014/11/13

少年冒険小説。 まわりくどいストーリは無く、スムーズに解りやすい流れだった。 セリフの言い回しが昔っぽくて新鮮だった。 子供が読みやすい様に書かれているが、大人でも十分に楽しめた。

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2014/10/27

山岳小説家が海を舞台に書いた少年小説。 海が舞台といっても、そこはちゃんと岸壁登攀でハーケンとかカラビナとかがちゃんと出てくる。 メルヘンの世界、楽しみました。

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2014/08/14

懐かしい。丁寧な言葉使いの会話文がとても印象的。この小説が書かれたころは、まだ戦争が身近にあった時代だったのだなぁ。

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2014/06/17

冒険小説としても好きだし、それ以外に私は登場人物たちの言葉遣いも好きでした。主人公の男の子や彼をとりまく人々の丁寧な言葉遣いから人柄が伝わって来る。

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