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夏雲 の商品レビュー

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2017/02/10

 中島敦『山月記』教材研究の参考資料として手に取った本。  早世の作家・中島敦について、本人のみならず親類縁者、親しい友人や同級生、横浜女学校教師時代の女生徒など、彼に関わり影響を与え、かつ中島敦との思い出をその胸に宿す様々な人々の経歴や証言から中島敦という人物や作品の神髄に迫ろ...

 中島敦『山月記』教材研究の参考資料として手に取った本。  早世の作家・中島敦について、本人のみならず親類縁者、親しい友人や同級生、横浜女学校教師時代の女生徒など、彼に関わり影響を与え、かつ中島敦との思い出をその胸に宿す様々な人々の経歴や証言から中島敦という人物や作品の神髄に迫ろうとする「中島敦作品作家論」。  教材研究の資料としてはとても良かった。本書の著者自身が中島敦の異父弟である桜庭幸雄氏と直接交友しており、本書はその待ち合わせの場面から始まる。著者の個人的な見解よりは、できるだけ客観的事実を並べて中島敦の人物像、『山月記』やその他作品に迫ろうとしている。  ただ、中島敦に迫るために必要とは思われない、敦と関係のあった人物の詳細な経歴等が多く、それらを除けば本書は3分の2に程度になるだろう。また、書名が敦の実母チヨの戒名の一部『夏雲』となっているにも関わらず、チヨに関する記述はそれほど多くはない。タイトルと内容が合っていないように感じた。

Posted byブクログ