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建築を考える の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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2021/09/01

うまく説明できないけれど、やっぱり私はピーター・ズントーのことが好きだなあと思った。彼の文章が好き。

Posted byブクログ

2017/07/24

建築家の書く文章は、その建築家の人と設計の本質を 知るうえで、とても当てになると思っている。 皆が真実を書くと信頼している、というのではなく 一定の量の文章を書く中で、 何を語り、何を語らなかったか、 意識していること、無意識なこと、 そして実際の作品ーー これらを通して見栄を...

建築家の書く文章は、その建築家の人と設計の本質を 知るうえで、とても当てになると思っている。 皆が真実を書くと信頼している、というのではなく 一定の量の文章を書く中で、 何を語り、何を語らなかったか、 意識していること、無意識なこと、 そして実際の作品ーー これらを通して見栄を張ったり、何かを隠し切る、 ということがほぼ不可能なほど難しいという ことではないかと思う。 ズントーの記憶や肌触りに対する感心、好みの重さ、 表層的な意識とのやり取りよりも 深く人の無意識や年月のなかの現実に向き合おうとする 姿勢は、建物を訪れた後でも腑に落ちる、 彼の設計の秘密をよく伝えてくれる資料であると思った。 一方で「物への情熱」2,3の文章に出てくる、 彼の「空間体験」の描写はとてもすばらしく、 読後いつまでもこの印象が消えずに残っているが、 この描写にピッタリ来る建物は、 ズントーの作品ではない。 不思議だ。

Posted byブクログ

2017/07/03

「イメージのなか、つまり建築的・空間的・色彩的・感覚的なイメージのなかで、連想をはたらかせ、奔放に、自由に、秩序だて、体系的に思考することー私がいちばん好きな設計の定義である。」 つまり、多角的なイメージを核とし、それを構成する様々な要素を紡ぎ合わせて設計に落とし込む、と。 ま...

「イメージのなか、つまり建築的・空間的・色彩的・感覚的なイメージのなかで、連想をはたらかせ、奔放に、自由に、秩序だて、体系的に思考することー私がいちばん好きな設計の定義である。」 つまり、多角的なイメージを核とし、それを構成する様々な要素を紡ぎ合わせて設計に落とし込む、と。 また、イメージを作る上で、場所や地勢と徹底的に向き合うことが大切、と。 観念的なものを建築という極めて物質的なものに変換する上で、その曖昧さを孕んだ作業(とその背景)をズントー氏のなかでどうなされているのかが垣間見えた。

Posted byブクログ

2013/09/17

著者は知的だけどそれだけでなく、感覚を非常に大事にしている、そんな印象を持ちました。 目をそらさずに本質を問う力、内省する力を持っている。 それを短い文章で表現されている。 私たちは一人残らず建築という言葉を聞いたことも無いうちから自身で体験してきた。だからこそおのれに向かう...

著者は知的だけどそれだけでなく、感覚を非常に大事にしている、そんな印象を持ちました。 目をそらさずに本質を問う力、内省する力を持っている。 それを短い文章で表現されている。 私たちは一人残らず建築という言葉を聞いたことも無いうちから自身で体験してきた。だからこそおのれに向かうことが建築する事・・・ 一流の空間や建築やデザインに触れるべき重要性が示されていると感じました。腑に落ちました。 ものづくりは自分の中からはじまる。

Posted byブクログ

2012/09/09

真摯にコンテクストを読んで設計した結果、オリジナルな形態がうまれ、風景を更に引き立たせる。僕もそんな設計ができるようになりたいものです。無理してアバンギャルドにならなくていいっていうのは、とても勇気を貰いました。

Posted byブクログ

2012/07/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ピーター・ズントー。本人の希望で正確な発音に近い「ペーター・ツムトア」と表記を改めた。 スイスの片隅で孤高に建築を作り続ける彼が建築に対しての思い、自身の建築に対して影響を受けたことなどを語るエッセイ。 自分がもっとも心にひっかかった一文を引用しておきたい。 以下引用 設計賞はやれないだろう、ということで私たちの意見は一致する。賞を与えるには、建築としての主張がおとなしすぎる。にもかかわらず、私がしばしば好感をもって思い出すのは、この小さな赤い家なのだ。

Posted byブクログ

2012/07/17

時とともに土地や歴史とともに一体となる建築。 全体の理解に繋がる、本質にとって不可欠なディテール。 欠如から生まれるとき、美はもっとも強烈な輝きを放つ。 自然には都市とは異なる時間間隔がある。 気になる言葉をいくつか取り上げてみました。 また機会を見て読み返したいと思います。

Posted byブクログ

2012/07/08

建築家ペーター・ツムトアの建築についてのエッセイ集。 彼自身がどういう物や状況を美しいと思うか、そしてそこから、建造物を構築するときに何に心を配るのかといった部分を中心に、全編に渡って詩的に語っている。 説明的な表現は少なく、非常に感念的。 一見して理解しづらい印象を受けるが、...

建築家ペーター・ツムトアの建築についてのエッセイ集。 彼自身がどういう物や状況を美しいと思うか、そしてそこから、建造物を構築するときに何に心を配るのかといった部分を中心に、全編に渡って詩的に語っている。 説明的な表現は少なく、非常に感念的。 一見して理解しづらい印象を受けるが、自分の美的感覚についての経験と照らし合わせ、考えながら読むと、意外に理解できることが多く、彼の事物や空間に対する深い洞察力に驚かされる。 そして、彼の作品から受けるただならぬ雰囲気は、そうした人間の根源的かつ共通的な美に対する深層意識とも言えるものを、徹底的に洗練させたところから来るのだろうか、とも感じた。 それは、自然が発する美しさ、力にも似ている気がする。 彼の世界に対する姿勢や洞察を見ていると、人間もまた自然の一部だということを強く感じる。 そして、自分もそれを遠い過去には持っていながら、忘れてしまったのだとも。

Posted byブクログ