人間講座 真理への旅人たち 物理学の20世紀 (2003年4月-5月期) の商品レビュー

米沢富美子(著者)

2018/06/05

20世紀の物理学の進展を、人物ドラマを通して俯瞰する。数々のノーベル賞受賞者の登場の裏で、受賞を逃した二人の人物に不運を見る。天文学は物理学と別分野の学問と位置付けられていたため機会を逸して他界したハッブルと、DNA構造のX線撮影に成功しながら30代の若さで早逝したフランクリン。またノーベル賞受賞式に単身で行き、家族を連れてこないことをスウェーデン国王に諌められ、次の機会に連れてくると約束、見事に二度目の受賞を果たしたバーディーン。クォークの命名者で複雑系の研究を立ち上げたが、攻撃的な性格で周囲と軋轢を生むゲルマン。それぞれの伝記を読んで、さらにひととなりを確かめたくさせられる。

2013/09/05

(2003.05.30読了)(2003.04.01購入)
物理学の20世紀
（「MARC」データベースより）amazon
物理学の歴史を、重要な業績を残した人物を中心に、後世への影響も含めわかりやすく語る。発見の物語を楽しみながら物理の基礎が身につく全く新しい入門書。