PPSのすすめ の商品レビュー
ちょっと古かったのと、反原発色が出過ぎているため、中身を疑うわけではないがきちんと調べたのであれば、あえて論調を抑えたほうが響いたかなあと思った。いずれにせよ遅くはあれど、この本から8年。事態は少しずつ進んでいる。
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電力会社(東電など)以外も電気の販売ができるように規制緩和された結果うまれたPPSについて。 かと思ったら、原発の対抗馬としてのPPSという色合いが強い。 というかアンチ原発がメインに感じる。ちゃんとPPSについて書いてあるんだけど。 原発(原子力マフィア)という敵への攻撃や皮...
電力会社(東電など)以外も電気の販売ができるように規制緩和された結果うまれたPPSについて。 かと思ったら、原発の対抗馬としてのPPSという色合いが強い。 というかアンチ原発がメインに感じる。ちゃんとPPSについて書いてあるんだけど。 原発(原子力マフィア)という敵への攻撃や皮肉の膜が厚過ぎて、主張にたどりつけない。 肝心の言いたい部分が敵意でゆがめられてしまっている。 「わるいやつ」を作って攻撃するのはわかりやすいけれど、たとえば原発立地の人たちが好き好んで金をせびっているみたいな書き方はいただけない。 怒りは大事だけど表現が下手だ。 妄想だけで話しているとは言わないけれど、根拠と結論をむすぶ「Because」が弱い。 たとえばp33、「日本の電気料金が高い」という話。 税制や計算のしかたで結果が変わる、だから料金が高いという市民感覚が正しい。ってそれはおかしいだろう。感覚だけでいいなら「原発は安い」という思い込みも正しいはずだ。 さらに電気代が高くてやっていけないという産業界の主張が正しいなら、人件費が高すぎる(から安くしろ)も正しいということになる。 私はこの人の主張の方向性にだいたい共感するけれど、それでも危なげだと感じる。 ということは疑念を持っている人を説得するには足りないだろう。 たまたま方向性が合致しても、ヘイトで動こうとする人は危ない。 p80の「独善的」は「独占的」の間違いだろうけど、こういう言い方をしてもおかしくないような書き方だと思った。
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