美人の歴史 の商品レビュー
帯文:”ファッション、美容、エステは、いつ誕生したか?” 目次:序、第I部 啓示される美―16世紀、第II部 表現力豊かな美―17世紀、第III部 感じられる美―18世紀、第IV部 「求められる」美―19世紀、第V部 民主化された美?―1914-2000年、結論
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[ 内容 ] ファッション、美容、エステは、いつ誕生したか? ルネッサンス期から現代までの「美人」と「化粧法・美容法」をめぐる歴史。 当初、普遍的で絶対的なものとしてあった「美」は、「自分を美しくする」技術や努力が重要視されるなかで、個性的なもの、誰もが手にしうるものとして徐々に...
[ 内容 ] ファッション、美容、エステは、いつ誕生したか? ルネッサンス期から現代までの「美人」と「化粧法・美容法」をめぐる歴史。 当初、普遍的で絶対的なものとしてあった「美」は、「自分を美しくする」技術や努力が重要視されるなかで、個性的なもの、誰もが手にしうるものとして徐々に“民主化”され、現代の化粧品、ファッション、エステ、ダイエットが示すごとく、“美の追求”は万人にとっての強迫観念にまでなった。 [ 目次 ] 第1部 啓示される美―十六世紀(記述されるからだ、序列化されるからだ;美人の「性別」;唯一の美;顔の炎と体液) 第2部 表現力豊かな美―十七世紀(顔か胴か?;魂とフォルム;純化と圧縮のはざまで) 第3部 感じられる美―十八世紀(機能的なものの発見;個人の美しさ;引き締まるからだ、美しくなるからだ) 第4部 「求められる」美―十九世紀(ロマン主義の美;人体の勝利;美しくなるための市場) 第5部 民主化された美?―一九一四‐二〇〇〇年(「現代のシルフィード」;スターに近づく;「消費のもっとも美しい対象」;「試練」としての美、現代の美) [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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ルネッサンスから現代に至るまでのフランスを中心としたヨーロッパの美人に対する考え方の歴史。冒頭は1696年のサヴォワ公女の上半身の優美さを表わす記述から始まります。美は道徳的で宗教的でさえあった!美しい人が淫らではありえなかった!コルセットが胸像を強調する台座の役割だったというこ...
ルネッサンスから現代に至るまでのフランスを中心としたヨーロッパの美人に対する考え方の歴史。冒頭は1696年のサヴォワ公女の上半身の優美さを表わす記述から始まります。美は道徳的で宗教的でさえあった!美しい人が淫らではありえなかった!コルセットが胸像を強調する台座の役割だったということは驚きですが、納得でもあります。唯一の美であった顔から下半身へ。民主化、女性の解放・女性の力の向上、映画などの映像、そして大きな鏡、化粧品などの歴史も含めて驚くほど哲学的な美人史です。1921年ミス・アメリカから始まる美人コンテスト。この頃には「醜い女性はいない。いるのは醜い女性ではなく、ものぐさな女性だけ」との記述には思わずニヤリです。この頃のスター女優が、ジョーン・クロフォード、ジェーン・ラッセル、マレーネ・ディートリッヒらが元は普通の女性だったということも象徴的です。最後はブリジッド・バルドーなどが登場するのは考えてみれば当然の流れですね。
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嫌いな人はいるかもしれないが、どちらかというと好きな人が多いのが美人。へそ曲りでもない限り、声を大にして言わなくても美人はいいなあと思うのが人情だ。今の時代では、「美魔女」なんて言う言葉がはやるくらい、永遠の美しさと若さを求める人が増えている。 人間、中身が一番といっても、...
嫌いな人はいるかもしれないが、どちらかというと好きな人が多いのが美人。へそ曲りでもない限り、声を大にして言わなくても美人はいいなあと思うのが人情だ。今の時代では、「美魔女」なんて言う言葉がはやるくらい、永遠の美しさと若さを求める人が増えている。 人間、中身が一番といっても、特に初対面で人に会う時の判断材料になるのが外見だ。イエス・キリストやお釈迦様でもない限り、外見で人を判断しないのは至難の業になる。 この本は、16世紀から2000年までの間における美の基準の移り変わりを追っている。舞台は西欧。舞台装置は、ある時はコルセット、またある時はスカート、別の時は、ミスコンテストやハリウッド女優と時代によって、美人を作り出す装置がいろいろあって興味深い。 訳者があとがきで書いているが、有能さと美はますます強く結びつき」として、現代社会では、芸能人のみならず、テレビに出るには、専門家にも美が求められるようになっているという。そういえば、女性が何らかの被害者になっているとき、ほとんどといっていいほどマスコミは、「美人何とか殺害」と付ける。なぜ美人とつけたがるのかその神経がよくわからない。反対に「イケメン何とか殺害」なんて見た記憶がない。素朴な疑問だ。 こういう時代だと、美にかかわる様々な産業は、笑いが止まらない。「私が照明です」なんていう美白を高らかにうたうCMもあるぐらいだからなあ。美人に対する需要は、これからも衰え知らずで、いろいろな業界があの手この手で「美人になろう」作戦をこっそりあるいは、はっきりと仕掛けてくるのだろうなあ。 それにしても、「美人の歴史」なんてよく本にしようと思ったものだ。著者は、身体現象に関する研究をしていて、「身体の歴史」第I刊16-18世紀 ルネッサンスから啓蒙時代の監修をしている。美人も身体現象1つで、世界中で話題になっていることだから驚異深い題材と言える。
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レビューはブログにて http://ameblo.jp/w92-3/entry-11292606388.html
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美人の歴史といっても、ファッションの話ではなく、美容(身体)の文化しというべきもの。いかに細く見せるか、美しく見せるかの歴史が書かれている。 昔は美容といっても貴族階級での話であり、いわゆるコルセットの話しから始まる。まずは上半身を綺麗に見せるところから始まり、下半身は膨らみのあ...
美人の歴史といっても、ファッションの話ではなく、美容(身体)の文化しというべきもの。いかに細く見せるか、美しく見せるかの歴史が書かれている。 昔は美容といっても貴族階級での話であり、いわゆるコルセットの話しから始まる。まずは上半身を綺麗に見せるところから始まり、下半身は膨らみのあるドレスの中に隠される。これセットが細長くなるにつれて、次第にウエストが魅せられるようになり、次にお尻、足へ。そして、この時期(19世紀後半)には化粧品の売上が大幅に伸びている。 だからどうした。と思ったが、身体の上から下へという進化は、ファッションの歴史よりわかりやすいかもしれない。
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※このレビューにはネタバレを含みます
『美人の歴史』 ジョルジュ・ヴィガレロ著 痩身願望と美容の変遷たどる http://www.nikkei.com/article/DGXDZO41612300Z10C12A5MZC001/ モードの変遷をたどる服飾史は多いが、身体の文化史はきわめて少ない。著者は清潔や健康の文化史で知られる歴史家。アラン・コルバンと共に大著『身体の歴史』の監修にもあたっている。本書は初の本格的な「美容の文化史」というべきだろう。 19世紀半ばに2千万フランほどだった化粧品の売上高は1900年に9千万フランに達している。 美容を大衆化したのはデパートだった。「ガラスと鋼鉄」の大聖堂が、女たちの欲望をあおりたてる。ガラスとともに見逃せないのが鏡製造業の発展である。全身が映る大きな鏡は特権階級だけのもの ルネサンスから18世紀まで、「美しくなること」は貴族階級の特権であった。20世紀とともに美人は民主化し、大衆化したのである。 (仏文学者 山田登世子) [日本経済新聞朝刊2012年5月20日付]
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