おっちゃん、なんで外で寝なあかんの? の商品レビュー
子どもが夜回りボランティアをしているとは知らなかった。ホームレスになるのは様々な理由がある。それをもっと大人がこどもに話してあげないといけないなと思うし、大人たちも偏見をもって接しては良くないと思った。
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著者は大学入学までは、いわゆるホームレス問題には関心がなかった。しかしある時、おっちゃん(※注)が野宿せざるを得ない現実が自分の生活のすぐそばにあるという事実に気づき、その事実をより厳しくしている一因が、世間一般があまりにも野宿者の現実を見ていない(あるいは見ていても誤解している...
著者は大学入学までは、いわゆるホームレス問題には関心がなかった。しかしある時、おっちゃん(※注)が野宿せざるを得ない現実が自分の生活のすぐそばにあるという事実に気づき、その事実をより厳しくしている一因が、世間一般があまりにも野宿者の現実を見ていない(あるいは見ていても誤解している)ことにあると考えて、野宿者の実態に寄り添うような様々な地域活動を行ってきた。本書は野宿者を取り巻くありのままの現実について、子ども向きにやさしい文章で書かれたノンフィクションである。 (※ 野宿者は実際にはおばちゃんや若い人もいます。著者はちゃんと本で触れています。) 子ども向きと言っても、野宿者が不意に襲われる(襲撃)という厳しい現実についても多く書かれている。読み終えて気づいたのは、有名無名を問わず、youtubeやSNSでのちょっとした言動が些細なきっかけによって“炎上”するという現象(→(A))と、野宿者が中高生のグループなどに襲撃される事件がなくならないという現象(→(B))とには、共通点があるのでは?ということだ。 どこが共通しているかというと… ① 自称“正義”の炸裂 (A)では相手の過失やちょっと口がすべった程度のことを、相手が間違っている、だから間違いを正す自分は正しく、当然のことをするのだと言うかのように、徹底的に相手をやり込める。 (B)では「野宿者は街を汚している」「何もせずに横になって寝ているだけ」ともっともな理由を作り出し、まっとうな社会生活を送っている自分はそうでない野宿者を“当然”成敗してもいいと言わんばかりの感覚で野宿者を襲撃する。 ここで注目すべきなのは、(A)も(B)も、突き詰めれば実に“軽い”ノリだということ。 そしてもう1つ。(A)も(B)も誰かに求められてやっているわけじゃない。自分のことを正義だと思い込み、その“正義の刃”を、誤りを正すためではなく結果的に自分の溜飲を下げるためだけに振り回しているのである。 ② 集団の論理 (A)では実名で意見表明されることはまずない。つまり、自分1人で相手と真っ向勝負をするつもりはさらさらない。そして匿名ゆえに膨れ上がる自分への同意によって自分の正義感は集団化して強化され、1人での勝負のとき以上に強い勝利の感覚が得られるというパラドックスが起きる。 (B)では本書によると、野宿者襲撃の単独犯は意外と少なく、数人での犯行が多いらしい。 ここからは私の推測だが、グループでの犯行が多いのは、1つには野宿者の襲撃を仲間うちで共有体験化することで充足感を増幅させようとする心理によるのではないか。 長くなるので②まででとどめておくが、(A)と(B)に共通性があるということは、(A)の炎上が現時点では有効な問題解決の糸口が見い出せないのと同様に、(B)の解決も簡単ではないということを意味する。 著者も、特に若者による野宿者襲撃については、現代社会のひずみの象徴として問題提起するものの、抜本的な解決方法に関しては頭を悩ましているというのが正直なところだ。 私自身も解決案は明確には思い浮かばない。 だが、私が実在するビッグイシューの販売員さんから実際に受けた印象を書いておきたい。それは、著者が野宿者の平均像を「不器用だがまじめな(まじめすぎるくらいな)人」と書いているのと一致するから。 ――天王寺駅の公園口で、その方(Sさん)はビッグイシュー(BI)を売っている。 Sさんはもう数年(5年は超えているかな?)そこで販売し続けている。だがこれは、BIが掲げる「ホームレスの自立を支援する」という理念とある意味で矛盾する。だとしたら、なぜSさんはずっとBIを売り続けているのだろうか? BIをSさんから買うとき、Sさんは問わず語りのよもやま話をしてくれる。「今日はホンマ暑いわ」とか他愛ない話が多いけれど、たまにSさん自身のことをしゃべってくれることもある。 あるときSさんが私に話してくれた。「周り(の販売員)はどんどん変わっていってやな、いまはおっちゃんが(販売員のなかでも)いちばん長なってもうた。もう(これからも)ずっとやってるやろな。おっちゃんやから、暑うても寒うても、ここで売ってられるねん。」―― この本を読んでわかったが、ほとんどの野宿者は“怠けて”いない。アルミ缶を1日かけて集めたり、Sさんのように西日がまともに当たる場所で「買いに来る人がいてるから」と雑誌を売り続けたり。 少し不器用だけど一所懸命に生きている人たちだ。
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自分達で作ったおにぎりや味噌汁を配りながら、ホームレスの人たちを夜子どもたちが回ります。 ホームレスの人ってどんな人?どうして野宿するように、しなければならなくなったの?具体的な話が挙げられていて子どもにもとても分かりやすく書かれています。 中学生の自分の子どもにも読ませたいと思...
自分達で作ったおにぎりや味噌汁を配りながら、ホームレスの人たちを夜子どもたちが回ります。 ホームレスの人ってどんな人?どうして野宿するように、しなければならなくなったの?具体的な話が挙げられていて子どもにもとても分かりやすく書かれています。 中学生の自分の子どもにも読ませたいと思いました。
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生田武志さんが「野宿者」の実情を絵本というかたちで書いた本。かたちがかたちだけに、とてもわかりやすいです。 内容にも書かれていることですが、ひとりでも多くのひとたちに「野宿者」のことを知ってもらいたい、そういう著者の思いが読み取れる本です。 野宿者には、いろんな困難、理不尽がある...
生田武志さんが「野宿者」の実情を絵本というかたちで書いた本。かたちがかたちだけに、とてもわかりやすいです。 内容にも書かれていることですが、ひとりでも多くのひとたちに「野宿者」のことを知ってもらいたい、そういう著者の思いが読み取れる本です。 野宿者には、いろんな困難、理不尽がある。なんか、すごく考えさせられる。なにも言えなくなる。
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