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頭痛 肩こり 樋口一葉 の商品レビュー

4.4

5件のお客様レビュー

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2013/12/19

井上ひさしさんの舞台は、唄(歌詞がいい!)がやはり魅力的だ。 ラストシーンを迎えるとホロリとして、人間の営みの可笑しさと一緒に哀しさもじわ〜っと伝わってくるが、唄が、哀しさだけに落ち込まない手助けをしてくれる気がする。 BSで舞台の収録と一緒にひさしさんご本人による解説を交えた...

井上ひさしさんの舞台は、唄(歌詞がいい!)がやはり魅力的だ。 ラストシーンを迎えるとホロリとして、人間の営みの可笑しさと一緒に哀しさもじわ〜っと伝わってくるが、唄が、哀しさだけに落ち込まない手助けをしてくれる気がする。 BSで舞台の収録と一緒にひさしさんご本人による解説を交えたドキュメンタリー映像も見たが 真面目なことをマジメに描く演劇が多い世の中で、お客さんの背中をちょっと押すような、ちょっと元気になって希望をもって帰れるような演劇があってもいいのじゃないかと思いまして… と、飄々と語るさまが、なんだかいいなぁ…と思った。 初めて見たご本人のたたずまいは、小難しい理屈をこねない、柔らかそうなひとだった。在りし日はなかなか偏屈だと伺っていたけれど。 ほかの戯曲もどんどん見てみたい。

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2012/06/12

著者のファンではないし、こまつ座の芝居も観たことはないが、 ある日このタイトルが目につき、クラッと来て文庫を購入。 でも、登録はこちらのハードカバー版で。 一葉こと樋口夏子19歳~死後二年目まで、 引っ越して所変われど舞台は家の縁先といった定点観測で、 お盆の出来事を描写した戯曲...

著者のファンではないし、こまつ座の芝居も観たことはないが、 ある日このタイトルが目につき、クラッと来て文庫を購入。 でも、登録はこちらのハードカバー版で。 一葉こと樋口夏子19歳~死後二年目まで、 引っ越して所変われど舞台は家の縁先といった定点観測で、 お盆の出来事を描写した戯曲。 母と妹を養うべく必死に働こうとするも、なかなか上手く行かない夏子の許へ、 花蛍という源氏名の女の幽霊が親しげに現れ、 最初はユーモラスなやり取りが交わされるが……。 読んでいて「女は三界に家無し」という言葉が浮かんで悲しくなったが、 最後に残った妹・邦子が、 苦労を背負いながらも明るさを失わない様子に胸を打たれた。

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2012/05/29

戯曲本。夏子(一葉)さんが19歳から没後2年まで、毎年同じ日(お盆の晩)の樋口家を、定点観測のように描いている。 明治に、女性で戸主である事は重責だったんだなあと、時代の生き難さをしみじみ思う。 夏子さんが頭痛肩こりに悩まされた理由は体質(家系に片頭痛に悩まされる人が多かった...

戯曲本。夏子(一葉)さんが19歳から没後2年まで、毎年同じ日(お盆の晩)の樋口家を、定点観測のように描いている。 明治に、女性で戸主である事は重責だったんだなあと、時代の生き難さをしみじみ思う。 夏子さんが頭痛肩こりに悩まされた理由は体質(家系に片頭痛に悩まされる人が多かったらしい)だとか、近眼とか、原因は色々あったんだろうけど、プレッシャーとか生活苦もあっただろうなと思う。 夏子さんにしか見えない花蛍が、恨みの大元を探して探してたどり着く先を考えると、この時代に女性である事の生き難さは身分や立場、貧乏か裕福か等は関係がなかったみたい。

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2010/03/14

一葉の青春を通して、苦界に生きる「女」たちの生を描いている秀作だと思います。 「家」という近代日本の制度に縛られ(まさに頭痛肩こり)責任と義務に生きる一葉。 半井桃水先生への淡い恋も叶わず、執筆に人生を賭けることになります。 一方で、彼女は吉原の遊女たちの「生」を見て女として...

一葉の青春を通して、苦界に生きる「女」たちの生を描いている秀作だと思います。 「家」という近代日本の制度に縛られ(まさに頭痛肩こり)責任と義務に生きる一葉。 半井桃水先生への淡い恋も叶わず、執筆に人生を賭けることになります。 一方で、彼女は吉原の遊女たちの「生」を見て女として生まれた哀しみを感じています。 社会という大きな網にがんじがらめにされて身動きの取れない明治の女性たちの心を代弁するのが一葉です。

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2009/10/07

一年のうち同じ時期しか切り取らないっていう手法を使っていて、面白かったです。花蛍という名の幽霊が出てくる所がとっても魅力的。

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