カフカ式練習帳 の商品レビュー
どこを切っても保坂和志印の一冊であると言える。過剰な引用があり、カフカがいて猫がいる。そこはかとなくエッチでもあるし、思弁的な断章と活きのいい会話が同居している。カオス/アトランダムなようでありながらその保坂印でこちらを読ませる……と解釈してしまう私なのだけれど、それはもちろん保...
どこを切っても保坂和志印の一冊であると言える。過剰な引用があり、カフカがいて猫がいる。そこはかとなくエッチでもあるし、思弁的な断章と活きのいい会話が同居している。カオス/アトランダムなようでありながらその保坂印でこちらを読ませる……と解釈してしまう私なのだけれど、それはもちろん保坂の持ち味を承知しているから。つまり、承知していない読者にはハードルが高く時間の無駄で終わる可能性は大いにある。そして、カタルシスを感じさせる類の読み物でもないために「オチは?」と苛立ってしまう向きもいるだろう。非常にクセのある本
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保坂和志「カフカ式練習帳」 http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163813301 … 読んだ。おもしろかった!初期のものから何作か読んだので現在はどうなっているのかと知りたくなって一番新しい本を選んだ。図らずもこの前に読み終わったマー...
保坂和志「カフカ式練習帳」 http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163813301 … 読んだ。おもしろかった!初期のものから何作か読んだので現在はどうなっているのかと知りたくなって一番新しい本を選んだ。図らずもこの前に読み終わったマークソンの「これは小説ではない」と同様のスタイル(つづく 初めて比喩を読んだ。良い出来ではないけれど比喩に猫しか使っていなくて可笑しい。全体に言葉遊びの要素もあって音楽でいう変奏が一番よかった。フィクションはとことん乾き淡々としているのに猫の話だと急にに湿度が上がる。たぶん自分の作品が文芸だという意識がないのだろうな、いいなあ(おわり
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あとがきにあるようにまさにノートの断片を集めたもの。よくわからないものからおもしろいもの、考え込んでしまうものなどいろいろあったが、全体的に不思議な感じがした。
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保坂和志さんの感性が好きで読んでみたが難しい。共感できる部分が出てくるとそうそうと嬉しくなったり、しかしわからない部分は飛ばし読み。あとがきを読んだら、「おもしろいと思うところを拾い読みしてくれればいい」と書かれていてちょっと救われた。カフカ式練習帳というタイトルも納得。さすが保...
保坂和志さんの感性が好きで読んでみたが難しい。共感できる部分が出てくるとそうそうと嬉しくなったり、しかしわからない部分は飛ばし読み。あとがきを読んだら、「おもしろいと思うところを拾い読みしてくれればいい」と書かれていてちょっと救われた。カフカ式練習帳というタイトルも納得。さすが保坂さん。同時に読売新聞の夕刊小説も読んでいるので面白い。
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保坂のやりたいこととは逆の感想を持ってしまった。 「この続き読みたい。」 面白いことに変わりはないのだが、少年ムサシ、隣の空き地の 男、とにかく気になったままだ。
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ふとした思考や感覚や視点等々… とにかく色々な感性を、コラージュしたかの様な断片小説。 全体に流れる空気が、いつになくセンチメンタルでした。
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作者が勝負を仕掛けてくるなら、 受けて立とうじゃないかと読み進んでみたが、 イヤイヤ、すごい作品だわ、これ。 丁寧な描写の断片が集合すると、 こんなにも面白いものが出来上がるのか。 玄人仕事を見せてもらった。 至福の読書時間だった。
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私はこれだけ考えたり、感じたり、想像したり、夢見たり、またそれをこのように意識的に文書化することは絶対にできない。一番印象に残ったフレーズは「芸術に接するときに根拠を求めてはならない。根拠はそのつど自分で作り出すこと。社会で流通している妥当性を求めないこと。芸術から見放された人間...
私はこれだけ考えたり、感じたり、想像したり、夢見たり、またそれをこのように意識的に文書化することは絶対にできない。一番印象に残ったフレーズは「芸術に接するときに根拠を求めてはならない。根拠はそのつど自分で作り出すこと。社会で流通している妥当性を求めないこと。芸術から見放された人間がこの社会を作ったのだから、社会は芸術に対するルサンチマンに満ちている。彼らは自分が理解できないものを執拗に攻撃する。自分の直感だけを信じること。」です。このように語る自信と勇気に脱帽します。
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読むのに一ヶ月以上かかった。ストーリーのある小説ではないので筋を理解しようという姿勢で読むと行き詰まる。頭の中で音読して感じるくらいがちょうどいいのかもしれない。他の本もそんなものだと考えさせられる作品。
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「カフカ式練習帳」(保坂和志)を読んだ。何よりもまずは戸惑いが先に立つ。この戸惑いは諏訪哲史氏の作品を読んだ時の戸惑いにも似ていて、これまでのの読書経験をすべて放擲して、まっさらの状態で向き合うことが求められている気がする。 しかしその戸惑いも最初だけで、何の脈絡もなく入れ替わ...
「カフカ式練習帳」(保坂和志)を読んだ。何よりもまずは戸惑いが先に立つ。この戸惑いは諏訪哲史氏の作品を読んだ時の戸惑いにも似ていて、これまでのの読書経験をすべて放擲して、まっさらの状態で向き合うことが求められている気がする。 しかしその戸惑いも最初だけで、何の脈絡もなく入れ替わる情景のきらめきが、ある種の快感に変わってくる。これは収斂していく物語ではなく、あくまでも膨張し拡散していく魂の軌跡であるのだな。
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