チェーザレ 破壊の創造者(9) の商品レビュー
チェーザレの推挙でジョヴァンニの側近になるアンジェロ。ジョヴァンニはじきメディチ枢機卿に。チェーザレとジョヴァンニがいよいよ表舞台に出ていく。
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※このレビューにはネタバレを含みます
アンジェロとミケランジェロが知り合いだったとはね~。 そして、アンジェロはジョヴァンニの側近に。 しかし、物語はどこで終着になるのやら。 教皇とロレンツォ、どちらが先にみまかるか? 歴史の焦点がそこに執着していく。 どんなになにかを整備して用意していても、一人の人間のカリスマ性になり代われるものではないよな。
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借りたもの。 イタリア半島情勢、歴史の転換期である1492年がはじまる。 同時に、チェーザレやアンジェロ達がその情勢・政治的駆け引きに直接関わってゆく――大人になってゆく――大きな節目の時でもあった。 長くイタリア半島の均衡を保っていた三国同盟の破綻……教皇領とナポリ王国が同盟...
借りたもの。 イタリア半島情勢、歴史の転換期である1492年がはじまる。 同時に、チェーザレやアンジェロ達がその情勢・政治的駆け引きに直接関わってゆく――大人になってゆく――大きな節目の時でもあった。 長くイタリア半島の均衡を保っていた三国同盟の破綻……教皇領とナポリ王国が同盟を結ぶ。 それまでのミラノやヴェネツィアと対立する形になる事、地政学的に包囲された形になるフィレンツェは危機感を募らせる。 そうした情勢の変化で軍備に金をつぎ込まざるを得なくなり、レオナルドの騎馬像が頓挫してしまう。(原型はこの後起こった戦争でフランス軍の弓の的にされちゃう…) 美術好きとしてはあないみじ。 チェーザレが聖職者としての巧みな話術を見せる。 それでオルシーノ・オルシーニの憂いが少しでも軽減できれば…と思うが、その悲しみを受け止めるに留まっている気がする。 チェーザレは自身が聖と俗の矛盾構造をはらんでいる事を内省する。 “権力と金――これに執着した時 聖人は俗人となるのです”を反芻し、この解決はあるのかと…… それは当時の教皇庁が“領主”としての性質をはらんでしまっている(世俗)ために起こっているのだが……そして本来、キリストは「貧しくとも正しく(幸せ)であれ」と言ったはずなのに、「貧しいことが正(幸い)である」とはき違えられたことも一因である。……世界的に一次産業が大半を占めているという理由もあるけれど。(まだお金を稼ぐ手段が少ない、教養が万民に行き渡っていない) サヴォナローラの偏った正論は、商業都市で発展しているフィレンツェでも諸問題があり、「これで良いのだろうか?」という思いに訴えかけてしまっている。 …カルトの手法だ。 ロレンツォの憂い。 ローマの有力貴族オルシーニ家の妻の影響を受けた長子・愚かなピエロ。血統主義の妄信で政治手腕が無い――貴族社会での陰謀や裏切りは顕著で信用に足らない。商家は庶民の支持によって支えられている事実への無理解――ことを危惧している。 そんな中で、今までちょっと頼りなさげなジョヴァンニが少しずつ大人になっていくようでこれからの展開が気になる。…将来、レオ10世になるのだから。 チェーザレらが最初期に比べ大人っぽい顔つきになっている点でも、成長を感じてしまう。 冒頭のミゲルがアンジェロの祖父ジョルジオの工房訪問が微笑ましい。なんて懐が深いおじいちゃんなんだ……!アンジェロがああいう正確になったのも納得の暖かい家。 アンジェロ、ミケランジェロと知り合いだったんだ…!石工の天使と彫刻家の天使ミカエルという、クスッとさせられる設定。
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危機になるほど水を得た魚のようにイキイキと動くチェーザレ。従来の悪のイメージとはまた違う、青年らしい姿が素敵。
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第9巻。ミゲルとアンジェロの祖父ジョルジオ、教皇庁とナポリの同盟締結、チェーザレとオルシーノ、アンジェロがジョヴァンニの側近となりローマへ。 ここ数巻は重厚な回想が中心となっていましたが、ほんの少し小休止となる1冊でした。 「権力と金―これに執着した時聖人は俗人となる。」ランデ...
第9巻。ミゲルとアンジェロの祖父ジョルジオ、教皇庁とナポリの同盟締結、チェーザレとオルシーノ、アンジェロがジョヴァンニの側近となりローマへ。 ここ数巻は重厚な回想が中心となっていましたが、ほんの少し小休止となる1冊でした。 「権力と金―これに執着した時聖人は俗人となる。」ランディーノ教授のセリフにチェーザレは自分の進む道を悩み模索します。丁寧な書込みと歴史をしっかりと汲み取る展開。進度はゆっくりですが、史実とオリジナルを絶妙に掛け合わせながら進むので飽きることはありません。 次巻からまた政治的な動きがありそうな予感。
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一つの理想の到達点、フィレンツェ。 それも一人の大人物とともに脆くも崩れ去るとは、、、 英雄を求める気質に古今の相違なしということかな。
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<「歩み方は人それぞれ---。閣下には閣下の歩み方というものがあります」 > チェーザレ・ボルジアを軸にルネッサンスを描くコミックの9巻。 レコンキスタが終結してお祭りムードだが、ロレンツォ・デ・メディチの健康状態は思わしくない。微妙な均衡を保っていたイタリアの半島の平和は保...
<「歩み方は人それぞれ---。閣下には閣下の歩み方というものがあります」 > チェーザレ・ボルジアを軸にルネッサンスを描くコミックの9巻。 レコンキスタが終結してお祭りムードだが、ロレンツォ・デ・メディチの健康状態は思わしくない。微妙な均衡を保っていたイタリアの半島の平和は保たれるのか。 前巻に続き、1492年である。 この巻では大きな動きというよりも、背景となるエピソードが描き出される。 イタリア半島内の各勢力がそれぞれの思惑で動き始める。 チェーザレはアンジェロをジョヴァンニ・ド・メディチの側近に推挙する。 フィレンツェ出身であり、メディチ家の支援の元に大学に通えたアンジェロに対して、スペイン・ボルジア家のチェーザレがメディチ家に仕えるよう勧める、という関係性が今ひとつよくわからないのだが、一応、アンジェロは一度はボルジア家のお抱えになっていた、ということなのか。 ともかくも、この巻で、アンジェロはジョヴァンニの側近になることになる。 物語全体の流れとしては、おそらく、語り部であるアンジェロは、チェーザレ亡き後も生き延び、その後の世界を語る役割も引き受ける、ということなのだろう。 チェーザレとアンジェロの掛け合いが減るのであればいささか残念だが、視点がより多層的になることも期待される。 この巻ではミケランジェロやレオナルド・ダ・ヴィンチも少し顔を出す。芸術の持つ力を語るミケランジェロの熱さが楽しい。 アンジェロは、以前、貧民屈で会った子どもを工場で働けるよう世話してやる。職人となって手に職をつけ、独り立ちが出来るように。希望を感じさせるエピソードである。 チェーザレが、病で容貌が崩れ(ハンセン病を思わせるが、詳細にはわからない)、絶望した男の顔に触るエピソードも印象的である。病気について知識の少ない時代。「触れる」という行為は想像する以上に勇気を要し、一方で、ずっと周りから忌避されてきた患者からすると「触られる」ことによる「癒し」は相当なものだったのかもしれない。 幕切れのシーン。 馬を駆り、疾風のように次の目的地へと向かうチェーザレ。 アンジェロを傍らに、それを見送るジョヴァンニ。彼はこの後、教皇レオ10世となるはずである。ゆったりとした人柄で、目から鼻に抜けるというタイプではないが、自分でもそのことを知っていることが彼の強みだろうか。冒頭のひと言はアンジェロがジョヴァンニに言ったもの。 そう、時代の激流の中、それぞれがそれぞれの歩みを進める。それを象徴するような一コマである。 *さて、あと1巻で追いつきます。その後、積ん読派生読書にもぼちぼち取りかかる予定~。 この巻の宿題はペストかな。作品のメイン・ストーリーとはあまり関係ないのですが、解説中に少し触れられています。 この時代に先駆け、火山の大噴火が複数回あり、気候の寒冷化が生じたとのこと。このため作物が不作となったところに、ペストがヨーロッパ全土を席捲。この時代の戦乱は、生き延びるために他国の穀倉地帯を狙った進攻が頻発したことも要因となっている、とのことですが、さてどうなのでしょうか。 いずれにしても中世のペストに関する本はいずれ何か読んでみたいと思います(余談ですが、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』で、ロミオの元に、死んだふりをするという策略を告げるジュリエットの手紙が届かなかったのは、ペストとちょっとした関連があるのですねぇ。ふぅむ)。
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15世紀末のイタリア。 金欲・色欲・物欲にまみれた聖職者たちの権力闘争劇です。 イタリア半島国家間のパワーバランスが崩壊し、教皇選も間近。 何やらきな臭い、波乱の予感を残し次巻に続きます。 時代考証はしっかりしているし、作画は重厚で堅実。 少し盛り上がりに欠けるのかなと思ってまし...
15世紀末のイタリア。 金欲・色欲・物欲にまみれた聖職者たちの権力闘争劇です。 イタリア半島国家間のパワーバランスが崩壊し、教皇選も間近。 何やらきな臭い、波乱の予感を残し次巻に続きます。 時代考証はしっかりしているし、作画は重厚で堅実。 少し盛り上がりに欠けるのかなと思ってましたが、まだ物語は序盤だったということみたいです。
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描き込みが素晴らしい。 建築に装束に調度品、よくぞこれだけいつも描けるものだ。 どろどろの政治闘争が、するすると読めてしまう。 淡々とした画面、絵と台詞でそれぞれで魅せる場面の緩急が上手い。 いよいよチェーザレの下を離れることになるのか。 ダヴィンチとミケランジェロの登場も気...
描き込みが素晴らしい。 建築に装束に調度品、よくぞこれだけいつも描けるものだ。 どろどろの政治闘争が、するすると読めてしまう。 淡々とした画面、絵と台詞でそれぞれで魅せる場面の緩急が上手い。 いよいよチェーザレの下を離れることになるのか。 ダヴィンチとミケランジェロの登場も気になる。
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1~6巻まで続けて読み、ちょっとブランク置いて、今、6~9巻を続けて読み読了しました。 歴史背景が枝葉として詳細に描かれている為、ものすごーく話の進みが遅い感じです。絵も時代にマッチしていて、面白いのですが、人が込み入ってきて、なかなか話に乗れない(入り込めない)って感じはありま...
1~6巻まで続けて読み、ちょっとブランク置いて、今、6~9巻を続けて読み読了しました。 歴史背景が枝葉として詳細に描かれている為、ものすごーく話の進みが遅い感じです。絵も時代にマッチしていて、面白いのですが、人が込み入ってきて、なかなか話に乗れない(入り込めない)って感じはあります。 今後の怒涛の展開を期待です。
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