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平等ゲーム の商品レビュー

3.6

20件のお客様レビュー

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2024/02/29

誰もが同じ状況下で、嫉妬や不平不満を抱くことなく幸せに暮らせる世界があるのか。 舞台は瀬戸内海に浮かぶ広さ10平方キロメートルの小島。人口1600人。 100年前に東京出身の夫婦が究極のユートピアを目指し島を買い取ったことが島の歴史の始まり。 島民の仕事は四年毎に抽選で決まる...

誰もが同じ状況下で、嫉妬や不平不満を抱くことなく幸せに暮らせる世界があるのか。 舞台は瀬戸内海に浮かぶ広さ10平方キロメートルの小島。人口1600人。 100年前に東京出身の夫婦が究極のユートピアを目指し島を買い取ったことが島の歴史の始まり。 島民の仕事は四年毎に抽選で決まる。主な産業は農業と畜産業。 住居の家賃、光熱費なし。 貨幣は存在せず、島が購入した物品から選択。年に一度、島から小遣いが支給され、個人的な嗜好品は自由に取り寄せ可能。 小学校から大学まで一貫教育を行う私立学校が一校。 勉強、スポーツの順位は一切つけない。 島が得た利益は平等に分配される。 全ては島民の投票によって決められる。 人口調整は結婚や何らかの事由で島外に出て行った人数のみを本土から移住希望者を受け入れる。 共産主義がユートピアとなり得るか。 物語で描かれる綻びが実に人間臭くて良い。 完璧な平等など存在するはずもなく、あそびがなければ人も社会も壊れゆく。 時代が時代なら発禁本になってもおかしくないだろう。 主人公の無垢さ、また登場人物に悪人が出てこないところが作中の柔らかさを醸し出している。 最終的にどんな結末を迎えるのかと読み進めると... まさか!と言って良いのか、そうなるか...とも。

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2023/12/24

極端な平等主義・社会主義の行き着く先は分かっていることで、でも、ねたは悪くはないと思う。ただ活かしきれてないと見るべきか。 清濁合わせこんだ人間らしさを獲得していく成長物語と思ったら、落としどころが違ってビックリした。

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2023/11/26

読みやすくて読了。平等島から、平等ルールを愛しすぎて厳格な提案をして追い出された絵がうまい青年の話。島に戻るためだけに結婚を申し込む最低な、昔好きだった女。

Posted byブクログ

2022/02/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『平等』って、いったいなんなんでしょうね。 数字で表せるもの、計算できるものの中には『平等』って当たり前に存在しているのだけれど、人の気持ちや感情を『平等』に保つことって、なかなか難しい気がするなー。 私だけは特別でいたい。あの人よりも優れていたい。あの人にだけは負けたくない。 という感情は人間なら誰でも持っているもので、そこを無視して『平等』を押し付ける、ってなんか違うよなー。なんてことを思ったりしました。 人と争うことや競うことのない人生は、多分、きっと、幸せなものだと思うけど、だけど、やっぱり、何かが物足りないんじゃないのかな。 決して争いがしたいというわけじゃなく、がんばったらがんばっただけ評価される。とか、努力したことに結果がついてくる。とか、『満足』したっていう感情を、私は持っていたいな。 だから、もし私が『鷹の島』移住したとしても、常に物足りなさを感じてしまうような、そんな気がします。 今の時代にありがちな『みんな一緒』的な感覚を、鋭く突いてるなー。という感じ。 人間の善・悪とは何か。そして平等とは何か。と言うことを、一人の青年の感情の変化を通して考えさせられる、そんな一冊でした。

Posted byブクログ

2020/04/01

2020.3.31 ためになったし、前向きになれる良い本でした。 正義が全てじゃないんだなぁ。会社で主人公のように考えている自分に気付きました。 その人達を可愛いと思えたり、愛するのは無理だとしても人間ってそうだわなと。自分はどうなりたいかと。考えました。 正義と緩さが同居する上...

2020.3.31 ためになったし、前向きになれる良い本でした。 正義が全てじゃないんだなぁ。会社で主人公のように考えている自分に気付きました。 その人達を可愛いと思えたり、愛するのは無理だとしても人間ってそうだわなと。自分はどうなりたいかと。考えました。 正義と緩さが同居する上司って良い響きです。 変わっていく主人公にエールを送りつつ、自分も変わろうと思いました。

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2020/01/31

平等な街は憧れを持っていた。 しかし実際暮らしてみると、汚い部分や覆い隠せない事実がどこの世界にもある。 綺麗さっぱりの社会は存在しないのは、人間という感情の動物が社会の担い手だから。 嫉妬、挫折、口惜しさ。勝ちたいという気持ち。 これらがあってこそ人間なのだ。厚みのある人間。 ...

平等な街は憧れを持っていた。 しかし実際暮らしてみると、汚い部分や覆い隠せない事実がどこの世界にもある。 綺麗さっぱりの社会は存在しないのは、人間という感情の動物が社会の担い手だから。 嫉妬、挫折、口惜しさ。勝ちたいという気持ち。 これらがあってこそ人間なのだ。厚みのある人間。 耕太郎の人間味が増していく様子を背後霊のようにみて感じた気持ちです。

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2020/01/20

思った以上に面白かった。 人生に疲れてる今なら、 抽選に当たったら行ってしまうと思う… なんて思いながら読んだら思いがけない方向に。 主人公の絵の才能が安易かなと思いましたが、 人間の、完璧じゃないところを愛おしく思うという課題と人間的な成長が素晴らしい。 でも豪華客船の旅で、 ...

思った以上に面白かった。 人生に疲れてる今なら、 抽選に当たったら行ってしまうと思う… なんて思いながら読んだら思いがけない方向に。 主人公の絵の才能が安易かなと思いましたが、 人間の、完璧じゃないところを愛おしく思うという課題と人間的な成長が素晴らしい。 でも豪華客船の旅で、 お客様が観光できないようなことを頼むって それ普通にダメじゃないですか(笑)

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2018/10/09

柴田さん オトナで素敵だな。 耕太郎くんも まっすぐでいいな。若い頃はこのくらいまっすぐでいいかも。不器用なとこも含めて。 会社でも すぐ平等平等って騒ぐ人多いけど そもそも社会って不平等じゃん 笑。 不平等がいいって言ってるわけじゃなくて そもそも持って生まれたものが不平等...

柴田さん オトナで素敵だな。 耕太郎くんも まっすぐでいいな。若い頃はこのくらいまっすぐでいいかも。不器用なとこも含めて。 会社でも すぐ平等平等って騒ぐ人多いけど そもそも社会って不平等じゃん 笑。 不平等がいいって言ってるわけじゃなくて そもそも持って生まれたものが不平等なんだから 妙に平等平等ってしようとしてもムリがあるんだよーと思う。それぞれの良さを生かせることが1番みんなにとっていい様に思うんだけど…。 無理に表面だけ取り繕った平等って 誰かを幸せに出来るんだろうか。 明るい未来を感じられる終わり方が救い。 船旅がしてみたくなった。 星3.5

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2017/05/08

10頁読んだところで、人に伝えたいと思った。これは素敵な作品に違いないと。 生まれてから34年間をずっと、平等の世界(ユートピア)で生きていた主人公。彼は外の世界に触れたり、平等のシステムの裏にある人間の汚さを知ることで、心を成長させていく。平等と不平等、個性と没個性…不平等だ...

10頁読んだところで、人に伝えたいと思った。これは素敵な作品に違いないと。 生まれてから34年間をずっと、平等の世界(ユートピア)で生きていた主人公。彼は外の世界に触れたり、平等のシステムの裏にある人間の汚さを知ることで、心を成長させていく。平等と不平等、個性と没個性…不平等だからこそ悔しさという負の感情がエネルギーになることもあるわけで、どちらが正しいとは言えない。 そんな内容も素晴らしいのだけど、何より文章が素敵なのです。楽しい、悲しい、悔しい…感情を表現する言葉はたくさんあるけど、言葉にすることで感情が分類され、平たいイメージになってしまう。ところが、この作品では、人の動きや視線が事細かに描かれていて、感情を表す言葉なしでダイレクトに登場人物の心が伝わってくる。小説の醍醐味ってこれだよと、読みながら鳥肌がたってしまいました。 好きな作家さんがまたひとり増えました。

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2016/11/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人口1,600人の全員平等の鷹の島が舞台。 この島では、全ての決定は島民の投票で行われ、仕事も4年に一度抽選で決められ、給料も皆で等分という。 主人公は、この島で生まれ育った男性。 島への移住を希望する人に島の素晴らしさを伝えるという勧誘係になった彼は、本土の人々と触れ合ううちに様々なことに気付いていく。 彼は島の現実だけでなく、新たな感情にも気付く。 それは、嫉妬心。 平等な世の中で暮らしていたため、人と比べることを知らず嫉妬というものを抱いたことがなかったからだ。 これは、(ぬるま湯的な)恵まれた環境で育った人は競争心に乏しい(あくまで私の主観だが)という現実社会にも通じるような気がする。 そして、島の現状。平等だと思っていたのが、実は裏で根回しや賄賂があったりと、主人公の思うユートピアではなかったのだ。 しかし、ユートピアとは何だろう。理想郷は理想でしかなく、実現するのは不可能だろう。 不平等な世の中も歓迎はされないけれど、平等すぎるのもつまらないし、息苦しい。 そして、平等な社会が永遠に続くわけではなく、結局は不平等となっていくだろう。 平等を望んでみても、それはないものねだりでしかないのかもしれない。 不平等であることは、人間社会においては避けれらないことなのだ。

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