敗れざる幕末 の商品レビュー
幕末の老中 阿部正弘に見いだされた儒者 石川文兵衛(関藤藤陰)は頼山陽に教え込まれた勤皇の精神を芯に国政に翻弄される正弘を支える 一見さまざまな意見の調整しかしない老中首座に見えるが、国のありかたを現実にする際に、独善にならぬよう、人を貶めたりしない事を重要視した場合に、情勢で仕...
幕末の老中 阿部正弘に見いだされた儒者 石川文兵衛(関藤藤陰)は頼山陽に教え込まれた勤皇の精神を芯に国政に翻弄される正弘を支える 一見さまざまな意見の調整しかしない老中首座に見えるが、国のありかたを現実にする際に、独善にならぬよう、人を貶めたりしない事を重要視した場合に、情勢で仕えるものは〝二心様 斉昭”の気分で繰り出される言動に耐えながら「実」を得ようとした 明治まで描かれた石川の節を曲げず、でも柔らかな心で筋の通った生き様は爽やかです
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13/06/13 歴史小説は本によって歴史上の人物がヒーローだったり悪役だったりして面白い。阿部正弘の姿が書かれた小説は初めてだったけど確かに苦労したんだろうなぁ。でもこの時代みんな若くして死んでしまうんだな。
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幕末の志士たちに大きな影響を与えた史書「日本外史」の著者、頼山陽、そして、もう一人、黒船来襲の国家危機に全霊を賭けて立ち向かった幕府筆頭老中・阿部正弘。思想と政治における2人の偉人に仕え、陰となって働いた福山藩の儒者・関藤藤蔭の生涯を描く作品。とにかく面白いです、名もない一人の武...
幕末の志士たちに大きな影響を与えた史書「日本外史」の著者、頼山陽、そして、もう一人、黒船来襲の国家危機に全霊を賭けて立ち向かった幕府筆頭老中・阿部正弘。思想と政治における2人の偉人に仕え、陰となって働いた福山藩の儒者・関藤藤蔭の生涯を描く作品。とにかく面白いです、名もない一人の武士が混乱する時代に飲み込まれながらも、ひたすらの誠実と献身に生きた男の姿に深い感動を覚え、さらに過酷な蝦夷地探索の様子をも盛り込みながら進むストーリーは必読で、これまでにない幕末維新小説になっています。時代小説が好きな方にはぜひお勧めの小説です。
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頼山陽・阿部正弘の二人に仕えた福山藩の石川藤陰という儒者のお話。 歴史からはマイナーな主人公から見る幕末史。 マイナーな主人公ではありますが、読みどころはいっぱい やっぱり歴史小説は面白いです。
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★3.5 主人公は激動の幕末を生きた頼山陽の弟子、関藤藤陰(せきとう・とういん)。 副主人公は彼が仕えた福山藩主で老中筆頭の阿部正弘。 阿部を高く評価しその苦悩も描く(逆に、徳川慶喜や水戸の斉昭はボロクソ)。
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