出ヤマト記 の商品レビュー
本当に、「惜しい本」。物語の展開、光景の描写や心情の叙述、突然判明する真実。内容は素晴らしい。ラストだって、名作に相応しい。この本は、もっと厚く空想を盛って、SFやファンタジーとして世の中に送り出されるべきものだったんだと思う。民族問題は、天災よりさらに洒落にならない、人類すべて...
本当に、「惜しい本」。物語の展開、光景の描写や心情の叙述、突然判明する真実。内容は素晴らしい。ラストだって、名作に相応しい。この本は、もっと厚く空想を盛って、SFやファンタジーとして世の中に送り出されるべきものだったんだと思う。民族問題は、天災よりさらに洒落にならない、人類すべてが滅びる日まで、決して解決しない永遠の問題。作者はそれを客観的に見て、敢えて物語を編める器があっても、それを同じように受け止められる読者なんて、いったい世界に何人いるだろう。作者のブログによると、あまり売れなかったらしい。惜しい。
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図書館より 地上の楽園ヘヴンを目指す女性の姿を描いた小説。 読んだいる間ずっと「この話はどういうことなんだろう」と思い続けその印象は読み終えても変わらないまま……。結局何なんだ? というのが最終的な印象です。 登場人物の思考もいまいち分からなかったのもその印象の一因か...
図書館より 地上の楽園ヘヴンを目指す女性の姿を描いた小説。 読んだいる間ずっと「この話はどういうことなんだろう」と思い続けその印象は読み終えても変わらないまま……。結局何なんだ? というのが最終的な印象です。 登場人物の思考もいまいち分からなかったのもその印象の一因かなあ。主人公がヘヴンに行く理由付けが終盤まで明らかにされないので、今の日本の認識でヘヴンがある場所に行こうと思うだろうか? という疑問が強すぎて主人公の行動にいまいち共感ができませんでした。また主人公の心理もわがままなものが多くそういう意味でも共感しきれず。主人公を助けてくれるトッキもよくわからない。彼が主人公を助ける理由も明らかにならないし、ただのいい人として出したにしては主人公に肉体関係を求めたりといい人としても中途半端。もっと深い描写があったらまた印象も変わったのかもしれないですが。 エスニシティや親子の絆などのテーマを書こうとしたような雰囲気はあるものの、それも掘り込みが浅く、結末で慌てていい雰囲気にまとめてそのまま終わらせたという感じです。かといって冒険物としては起伏がないし、どちらにしても中途半端な印象がぬぐえませんでした。 非現実的な話なのに、変にリアリティを求めてる感じが余計にリアリティをなくしている印象でした。いっそのことファンタジー的な色合いをもっと強くしたら読みやすかったのではないかと思います。
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