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政権交代と地方財政 の商品レビュー

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2014/01/09

政権交代に伴って変化が起こった地方財政まわりの制度について、第Ⅰ部では、社会保障・税一体改革、地方分権改革、地方税改革等を挙げ、整理を行っています。 第二部では、地方財政に関する5つの誤解(1.ミクロの積み上げがマクロではない、2.地方交付税は国税5税収入の一定割合ではない、3...

政権交代に伴って変化が起こった地方財政まわりの制度について、第Ⅰ部では、社会保障・税一体改革、地方分権改革、地方税改革等を挙げ、整理を行っています。 第二部では、地方財政に関する5つの誤解(1.ミクロの積み上げがマクロではない、2.地方交付税は国税5税収入の一定割合ではない、3.基準財政需要額は標準的行政のコストではない、4.自治体にデフォルトがないのは暗黙の政府保証があるからではない、5.公債費を地方交付税でまかなう方式が非効率を招いたわけではない、を整理しています。 基本的にはマクロの地方財政計画で、収入を捕捉し、分配は基準財政需要額に基づいて行われるという認識が正しいようです。若生も正確に理解していなかったことを改めて認識しました。また建設公債主義をとっている地方財政は、資金繰りは苦しいが返済余力は徐々に増しているが、赤字国債を発行している国家財政は短期の資金繰りに余裕はあるが、返済余力はますますきつくなっているという指摘にも納得しました。 制度改革の提言をするときには、正確な制度理解が不可欠であり、その観点を示してくれる良書だと思います。全般的には漸進的な改革を指向していらっしゃるので、その点では不満を持つ方もいらっしゃると思いますが、まずは地方交付税の見方を知るという点では良いのではないかと思います。

Posted byブクログ