内村鑑三と再臨運動 の商品レビュー

黒川知文【著】

2013/08/10

　この本は大正期のキリスト教界を揺るがした再臨運動について詳しく述べられており大正期の再臨運動を分析してその本質を考察したものであります。

　第一章では内村鑑三師個人の信仰形成を分析して内村が再臨運動に到った経緯について述べられており、第二章では大正期の再臨運動の経緯を詳しく書いており、第三章では再臨運動の思想的背景として内村鑑三師を中心に当時のキリスト教界で活躍した教職者やカトリックや正教会の再臨についての見解も紹介されており、当時の再臨に関する識者の認識が相対的に把握できます。

　今現代の再臨を強調する教派は福音派や聖霊派などファンダメンタリズムの傾向がある教派に限られてしまいますけど大正期の再臨運動とその思想的背景と当時の識者の認識を把握する事によって再臨運動の全体像をつかめると思います。