人は死ぬから幸福になれる の商品レビュー
100歳超えて、死が近くなり、恐れることもなくなる状態だったり、もしかして、自分は死なないのではないだろうかと考えたりしながら、毎日を穏やかに過ごせるようになったら、幸せだろうなと漠然と考えた。 しかし、現代は家で死ねる人はごく僅かで、殆どは病院のベッドで死を迎えることになるのだ...
100歳超えて、死が近くなり、恐れることもなくなる状態だったり、もしかして、自分は死なないのではないだろうかと考えたりしながら、毎日を穏やかに過ごせるようになったら、幸せだろうなと漠然と考えた。 しかし、現代は家で死ねる人はごく僅かで、殆どは病院のベッドで死を迎えることになるのだ。 誰でも死の恐怖から逃れたいと思っているに違いないと思うのだが、著者の言う幸福は全ての人に当てはまるわけではなさそうだ。
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死に近づく過程をうたた寝になぞらえた解釈が新鮮。タイトルの命題を”だから生前頑張れる”と解釈すると凡庸だが、後半章で能の世界の話を交えて語られる「幽玄の世界に浸る(夢うつつの世界をさまよう)」というところこそ、「死ぬから幸せ」の真意か。「幽玄」は立川談志流のいう「イリュージョン」...
死に近づく過程をうたた寝になぞらえた解釈が新鮮。タイトルの命題を”だから生前頑張れる”と解釈すると凡庸だが、後半章で能の世界の話を交えて語られる「幽玄の世界に浸る(夢うつつの世界をさまよう)」というところこそ、「死ぬから幸せ」の真意か。「幽玄」は立川談志流のいう「イリュージョン」に近そう。
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「死」が救いであることは以前からわかっていた。 ただただ生き長らえることの恐怖を、意外と世間の人は知らないようだと思っていたし。 宗教学者である著者が「死の恐怖」についてどう考えているのか興味があって読んだのだが、その点については曖昧だった。 年をとると死を恐れなくなる(恐れるヒ...
「死」が救いであることは以前からわかっていた。 ただただ生き長らえることの恐怖を、意外と世間の人は知らないようだと思っていたし。 宗教学者である著者が「死の恐怖」についてどう考えているのか興味があって読んだのだが、その点については曖昧だった。 年をとると死を恐れなくなる(恐れるヒマがなくなる)とあったが、果たしてそうだろうか。若い時の死の恐怖は観念的であり、他人事であるが、年をとると次第に我が事になってくるから、より切実なものになっていくようにも思う。 「死ぬから」幸福になれる、というより、人に死という終わりがあるからこそ救われるのだと私は思う。
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