ウイルスと地球生命 の商品レビュー
21世紀に入るころから新しく展開したウイルス研究の成果を紹介したもの。岩波科学ライブラリーの一冊。ウイルスというと、一般に病気の原因になるものというイメージだが、近年の研究では、それとはまったく異なる、生命体としてのウイルスの姿が明らかにされている。 たとえば、ウイルスのは...
21世紀に入るころから新しく展開したウイルス研究の成果を紹介したもの。岩波科学ライブラリーの一冊。ウイルスというと、一般に病気の原因になるものというイメージだが、近年の研究では、それとはまったく異なる、生命体としてのウイルスの姿が明らかにされている。 たとえば、ウイルスのはたらきにより人の胎児が出産まで守られていること、また人間の遺伝情報の約半分はウイルスに関連したものであること、ウイルスの祖先が持ち込んだ遺伝子により霊長類が生まれたと推測され、生物の進化に重要な役割を果たしてきた可能性があること、など、どれも驚き。 現在のウイルス研究だけでなく、19世紀のウイルス発見からの研究の流れ、ウイルスが生物と言えるかどうかという問題、ウイルスそのものの進化や生物の世界でのウイルスの移動、ウイルスの特性を病気の治療や予防に利用する試みなども、ふれられている。 100ページほどの分量で記述はとても簡潔。一つひとつのトピックは興味深く、もう少し詳しく知りたいと思った。 それにしても、ウイルス研究の新展開はここ10年ほどのこと。それまでウイルスはあくまで病原体としてのみ捉えられてきたとも言える。もちろん、それはそれで、いろんな理由から当然のことなのだろうが、実は科学においても善悪の図式が研究を強く方向づけているということかもしれない。
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ヒトの胎盤形成にウイルスが関わっているとは、知らなかったです。 ウイルスで緑膿菌を溶かすことも行われているんだ!? 僕はファージが好きだから、なおさらかもしれませんが、この本、面白いです。 地球の炭素循環にウイルスが関わっているとか、生物の進化に関わっているとか。 いやぁ、...
ヒトの胎盤形成にウイルスが関わっているとは、知らなかったです。 ウイルスで緑膿菌を溶かすことも行われているんだ!? 僕はファージが好きだから、なおさらかもしれませんが、この本、面白いです。 地球の炭素循環にウイルスが関わっているとか、生物の進化に関わっているとか。 いやぁ、楽しい本でした。
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ウイルスは、DNAにも刷り込まれていて、未知のウイルスが海には大量にいる。まだまだ私たちの生活に有効な発見もある、病気だけで無い期待がもてる一冊。
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ウイルスといえば病原体、だけではない、ウイルスの話。 なかなか面白いです。でも短い!短すぎる!もっと詳しく知りたい、気になる!余計な好奇心をムクムク煽ってさっぱり終わってしまった。。。 例えば赤潮を消滅させるとか、胎児が母親の免疫にやられないよう守ってるとか、ミツバチに特攻行動...
ウイルスといえば病原体、だけではない、ウイルスの話。 なかなか面白いです。でも短い!短すぎる!もっと詳しく知りたい、気になる!余計な好奇心をムクムク煽ってさっぱり終わってしまった。。。 例えば赤潮を消滅させるとか、胎児が母親の免疫にやられないよう守ってるとか、ミツバチに特攻行動をさせるとか、雲を作る元になったりとか、意外なところで、利用されたり、したりしながら共生してきたそうで、非常に驚いた。 でも。。。たとえば、ウイルスはDNAに潜り込むので、たぶん進化に関わってるだろうとは思ってたけど。。。もう少し詳しく書いてあると嬉しかった。 これを期に、ウイルスブームが始まるってことなのか。。。
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知っていたはずの知識(高校基礎生物くらいまで?)をベースに今のウィルス学概要がわかる。コンパクトにまとまっている分、不親切な感じも否めないし、特に後半、端的な事例になっていて、面白味にかけるかも。それを差し引いても、たくさん新しことを知ったし、持ってた知識を呼び起こしつつ、つなが...
知っていたはずの知識(高校基礎生物くらいまで?)をベースに今のウィルス学概要がわかる。コンパクトにまとまっている分、不親切な感じも否めないし、特に後半、端的な事例になっていて、面白味にかけるかも。それを差し引いても、たくさん新しことを知ったし、持ってた知識を呼び起こしつつ、つながったように思う。 端的な文章だけれど、学術的高飛車なところがなく、逆に、読者を惹きつけるためにわざわざウィルスって不思議で面白いねとも言わない。興味と知識欲だけ駆り立てて、面白いとおもわせる正攻法。 すばらしいじゃあないですか。
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面白かった。復習、復習と読み始めたら、どんどん知らない私には新しいことが展開されて、1時間ほどで一気に読んでしまった。物足りないという読後感。 善玉・悪玉の機能から、気候に与える影響まで、地球生命という大きなテーマの表題にまでちゃんと至っていて、感動した。 "ウイル...
面白かった。復習、復習と読み始めたら、どんどん知らない私には新しいことが展開されて、1時間ほどで一気に読んでしまった。物足りないという読後感。 善玉・悪玉の機能から、気候に与える影響まで、地球生命という大きなテーマの表題にまでちゃんと至っていて、感動した。 "ウイルスは細胞の外では単なる物質といえるが、細胞の中では自主性を持った生物として振る舞う存在であり、生物と無生物の間には常識的な、はっきりとした線を引くことは難しい。そして、ウイルスは生物でもなければ無生物でもなく、生物と無生物の境界に存在するものである。"
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山内 一也 (著) 地球上には膨大な数のウイルスが存在し、生物の行動や生命の進化に大きな影響を与えていることがわかってきた。本書では、これまでの常識を覆すウイルスの存在意義を考える。ウイルスの見方が変わる1冊。
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