恥じらう肌(2) の商品レビュー
加速するドロドロの寝取られ愛憎劇
さらに扇情的で参ってしまうほどの表紙カバーイラストが示すがごとくドラマと官能がより深遠に粘りと湿りを見せ始めた第2巻。刹那の打算が漂う自墜落な方法でしかないものの、一旦は執拗な男の魔手から逃れる術を見出したかに見えては黙阿弥に帰するのが何とも言えない揺らぎとなって読み手にも迫って...
さらに扇情的で参ってしまうほどの表紙カバーイラストが示すがごとくドラマと官能がより深遠に粘りと湿りを見せ始めた第2巻。刹那の打算が漂う自墜落な方法でしかないものの、一旦は執拗な男の魔手から逃れる術を見出したかに見えては黙阿弥に帰するのが何とも言えない揺らぎとなって読み手にも迫ってくる。むしろ官能的にはますます深みにハマッてしまう様相を呈しており、ココロの抵抗よりもカラダの疼きが時に上回ってしまう場面もちらほら。徐々に堕ちていっている状況に興奮もいや増す次第である。 また、秘密を知られ、ずっと苛められている義妹からの搦め手による義兄(夫)の籠絡も少しずつ進行している中で「こうキタか~」という驚きの展開が盛り込まれており、この若妻(あるいは夫婦)への怨嗟は義妹だけではなかったというドロドロ愛憎劇の深みが増している点も見逃せない。思いのほか複合的な背景を湛えた物語となっているのである。 相変わらず動きは少々乏しい凌辱描写ではあるが、前回にも増してシチュエーションやアプローチがいやらしくなっていたり、若妻の他にも裸体が現れ始めたりしていることから官能面は増している。何より肉欲に抗し切れなくなってきた若妻の行動に変化が見られ、時には自ら求めるような場面や3Pなどもあって複合的な淫猥さが醸されてきた印象である。 諦念による「二足のわらじ」を履こうとの十字架を背負う覚悟を決めた若妻と、事をそうそう上手くは運ばせないと動き出す周辺とのズレがさらなる悲劇を生みそうで、次巻の行方が気になるところである。
DSK
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