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地デジ化の真実 の商品レビュー

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2013/04/07

『地デジ化の真実』というタイトルだが、別に地デジ化の裏の苦労話やチデジカ誕生秘話などを振り返った本ではない。地デジ以降の放送業界のあり方を論じた本ではあるのだが、タイトルはミスリードするものではないだろうか。もちろん、その方が売れるからあえてというのは分かるが。 著者は、『20...

『地デジ化の真実』というタイトルだが、別に地デジ化の裏の苦労話やチデジカ誕生秘話などを振り返った本ではない。地デジ以降の放送業界のあり方を論じた本ではあるのだが、タイトルはミスリードするものではないだろうか。もちろん、その方が売れるからあえてというのは分かるが。 著者は、『2011年、メディア再編』、『IPTV革命』などメディア関連の書籍をこれまでにも多数出している。過去の自分のレビューを見ると結構低い評価をしていた。放送事業者に視点が偏っていたことと、通信技術に対する知識が不足しているがそのことを認識せずに論を進めている点があったことが当時気になっていたようだ。(どうも気に入らないとレビューが長くなる...) この本に関しては上に挙げたこれまでの著作にあったような違和感がなかった。放送事業者に厳しい目を向けているし、放送業界側の視点に立つ著者からすると対面する業界にいる通信事業者に対しての注文も意外に納得できるものもある。米国をはじめとする海外動向を金科玉条として日本を憂うのは、勉強不足というのもそれこそその通り。 結局、『地デジ化の真実』と言いながら、地デジ化は意外にスムーズに行ったが、それによって何も変わっていないがその間に大きな変化が進行している、といっていいのではないか。また丸々一章を割いて震災の影響を記載しているように、7.24よりも3.11の方がその業界に持つ影響は大きかったと言えるのかもしれない。 何かが変わることは間違いない。

Posted byブクログ