恋愛シンドローム の商品レビュー
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事故で過去九年間の記憶を失ってしまった水沢実樹。 病院で目が覚めたとき、自分の傍らにいたのは、自分を心配するはずもない犬猿の仲だった浅葉修司だった。 ところが、その浅葉によると自分と浅葉は、仕事場兼自宅で一緒に仕事をし、一緒に暮らす恋人同士らしい。 水沢はその事実を信じる事ができないものの、記憶を取り戻すために、直前の自分の生活を知るために、仕方なく浅葉と暮らしていたという自宅に戻る事になる。 その事務所は、浅葉と水沢、二人でデザインしたというのだが、全然デザインした覚えがないのに、ところどころ確かに自分がデザインしたのであろうデザインがあって、感性がわかるのがとても面白い。 そして自分の部屋に入った時には、自分が大切にしていた本が並んでいて記憶にない自分の本も確かに、自分の趣味のものであって、ここで生活をし、一緒に働いていたことは間違いないと認めざるを得なくなる。 しかし、自分と浅葉が恋人同士だったという事実を認める事は別。 その点だけはどうしても納得できない水沢は、浅葉にそのことを尋ねると、「身体なら覚えているかもしれない」といきなり押し倒されてしまう。 記憶を失くしている水沢は、強く抵抗する事も出来ず、流されるままに浅葉に抱かれてしまう。 結局、記憶は戻らず、浅葉にフォローされながら、日々の生活を送り始めたのだけれど、水沢は自分が浅葉に惹かれていることを自覚する。 もし今、記憶が戻ったら、記憶を失ってしまった間のことは忘れてしまうのだろうか? 不安に感じる水沢。 一方で、事故にあった水沢の当日の行動がわからない。 直前に電話をかけてきた義妹の話によると、どうやら誰かと待ち合わせをしていたらしいのだけれど、その相手がさっぱりわからない。 携帯の着信履歴等も全て消してあり、当日誰と会っていたのか、何があったのかさっぱり心当たりがない。 そんな中、ゼミで親しくしていたという先輩から連絡があった。 しかも、彼は当日水沢と会っていたのだ、という。 自分が記憶を失った理由が少しでもわかれば……という気持ちで彼と会うことを承諾した水沢は…… という話でした。 結局、水沢の記憶は戻るのだけれど、実は浅葉と恋人同士であった事実はそこにはなく。 ではなぜ、そこで浅葉がそんな嘘を吐いたのか……? ということを考えると自ずと浅葉の気持ちがわかってハッピーエンド、という話でした。 この作者さんの本を読んだのは久しぶりなんですが、こんな話も書けるんだ……というのが正直な感想。 結構、今まで読んだ本が「勢いで突っ走る系の攻め」が多かったような気がしたので、こういうしっとりした話は好きです。 今回の攻めも確かに勢いっちゃ勢いですけど、受けが頭悪い感じじゃなかったのと、挿絵効果もあるのかな……? なんとなく、落ち着いている感じがしました。 しっとり大人BL読みたい人にオススメします。
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記憶喪失もの。わりとよく見る設定のお話。 事件や葛藤あるものの、わりとあっさりくっついてくれたし、記憶ももどりましたね。 記憶喪失になってなかったらくっつくまでにもっと時間がかかったんだろうな。
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受け視点の記憶喪失もの。 記憶喪失ものは、シリーズの中盤あたりにきたものしか読んだことがなかったので、二人の関係性を知らないまま最初から記憶喪失している状況というのが面白かったです。 記憶喪失ものにありがちなしんみりした感じというよりは、軽く読めるライトな話でした。 攻め視点のショートが入っているのがよかったです。
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