人工降雨 の商品レビュー
基本的大前提として、雲が無いと雨は降らせられない。 (当然だが) 降りそうで降らない雲、が対象となる。 素人考えでは、夏場のほうが大気中に水分が多く、雨を降らせやすそうに思えるが、そうではない。 暖かい雲は、雨の核となる氷が作れないのだ。 しかも、積乱雲においては上昇気流が強すぎ...
基本的大前提として、雲が無いと雨は降らせられない。 (当然だが) 降りそうで降らない雲、が対象となる。 素人考えでは、夏場のほうが大気中に水分が多く、雨を降らせやすそうに思えるが、そうではない。 暖かい雲は、雨の核となる氷が作れないのだ。 しかも、積乱雲においては上昇気流が強すぎて、氷晶が出来ても、あっという間に雲頂に到達してしまい、氷晶の成長が難しい。 さらに、雲の中の雷や雹、気流の問題で、航空機での実施が危険になる。 つまり、小さい粒のまま上空にただよい、降雨として落下できない、ということ。 主に液体炭酸による人工降雨について書かれている。 5章の複数の実験の様子を見ると、冬場に、条件が合致した際に、局地的にしか降雨を成功させることができないことがよくわかる。 4章が、少しわかりにくく、理解できない部分があった。 【memo】 1940年前後からオランダやアメリカで研究・実験が開始されている。 ≪雨の種≫ ●ヨウ化銀法 (冷たい雨対象・多少の毒性有り) 国内実験時・一回あたり0.3~2Kg使用。 事業として散布の場合は数十倍~数百倍。 ●ドライアイス法 (冷たい雨対象) 雲頂より上から散布。 上昇気流が発生してしまい、効果が薄い。 降水域が狭い。 ●散水法 (暖かい雨対象) 塩化カルシウムを含有させることも。 ●液体炭酸法 (冷たい雨対象) 広範囲にわたって霧を消散させることに成功。空港で実用化。 1999年2月2日、北部九州において人工降雨実験。顕著な効果。 雲底に水平に散布する。 ●吸湿剤散布法 トウモロコシで作った吸湿剤なら、使用後、生物分解する。今後の発展に期待。 ≪散布方法≫ ●気球法 (1952年頃~) ●ヨウ化銀地上発生法 ●航空機法 (1956年~) ●塩粒空中散布法 (ヘリコプター使用・2008~2010) ★2008年 中国の北京オリンピック開会式前には、ヨウ化銀法および真水と塩水の散水法が実地された。
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