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最高幹部の独白 の商品レビュー

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9件のお客様レビュー

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2022/11/12

事故当時の原発の現場の様子がよくわかった。また政府や東電の発表が全くでたらめだったことも伝わってきた。これじゃ、40年以上経った原発の安全性だって全く信じられない。どの世界でも大きな組織の上に立つ者はトラブルが発生した時、自らの保身と利益しか考えないのだろう。

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2013/01/05

3.11の一ヶ月ちょいたって、世の中がようやく真実を追い始めたころ、いち早く現場に入り込んで取材を試みた今西氏のルポ。 フクイチの最高幹部がすごいと思う。 あれから間もなく二年。原発再稼働はもとより、新設容認まで議論され始めたのは予想通り。だからこそ今、事実を直視すべきかと。

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2012/10/11
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※このレビューにはネタバレを含みます

福島原発の現場で働いていた東電の幹部からの情報を源として 週刊朝日の記者が現場で何がおこり、どう思っていたかをまとめた本。 現場では自己直後 メルトダウンなど 想像せずに 緊急冷却できていると 思っていたとか 本店との温度差が広がるばかりとか てんやわんやの現場にいきなり 飛び込んできて現場を混乱させた管直人とか  なるほどそうだったんだろうという記述が満載。 こういう本を読めば読むほど その当時 誰がどうして 何がダメだったよいう話より、事前の備え(メルトダウンが確実視された事態に遭遇したら どうするかという訓練や機材の確保)が何よりも大切なことがよくわかる。 また 空白の55分も 菅直人も斑目も海水注入中止などといっていないのに東電の幹部が官邸筋を慮って 勝手に中止にしろいっていた。(これは他の本でもすでにあきらかだが)。こういう指揮命令系統の混乱が簡単におきてしまうというところに有事に備えていないことが露呈している。 原発の技術をこれまで こんなに 育ててきたのだら いま やめるべきではないというのは これは原子力ムラの 勝手な言い分だ。 まだ収束していない。 原子炉建屋も格納容器もボロボロだ、本当に核燃料 安全に とりだせるのだろうか。

Posted byブクログ

2012/07/01

改めてだけど、現場と政府・東電本社の温度差というかズレ具合がひどい。 結局いろんなことがよくわからないまま運用してきてしまったんですね。 一カ所気になったのが、最後の最後でこの「幹部」の方が「原発を続けさせてもらいたい」とか言っちゃってるところ。 それまでの話で、東電に全面的に責...

改めてだけど、現場と政府・東電本社の温度差というかズレ具合がひどい。 結局いろんなことがよくわからないまま運用してきてしまったんですね。 一カ所気になったのが、最後の最後でこの「幹部」の方が「原発を続けさせてもらいたい」とか言っちゃってるところ。 それまでの話で、東電に全面的に責任があるとか現場がどれだけ苦労しているかとか語ってたのに、???でした。

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2017/08/16

「彼」は一体誰なのだろう。新刊書店で本書のタイトルを観た時に、 真っ先に思い浮かんだのは福島第一原発で陣頭指揮を執った 吉田前所長だった。しかし、それはないだろうな。 想定を遥かに超える地震と津波。その直後から始まった福島第一 原発の危機的状況。事故の対応に当たりながら、「彼」...

「彼」は一体誰なのだろう。新刊書店で本書のタイトルを観た時に、 真っ先に思い浮かんだのは福島第一原発で陣頭指揮を執った 吉田前所長だった。しかし、それはないだろうな。 想定を遥かに超える地震と津波。その直後から始まった福島第一 原発の危機的状況。事故の対応に当たりながら、「彼」はメモを 残す。 引き続く余震と再度の津波襲来の恐怖のなか、書かれたメモは時に 誤字があり、ひらがなだけだったり。それだけでも現場の緊迫感が 理解出来る。 全交流電源喪失、計器の異常、実際の原子炉のなかの状態が分 からない。そして爆発と放射性物質拡散の可能性。 人間の技術が作り出した原発という悪魔と闘う一方で、現場はもう 一方の敵と闘わなければならなかった。それが、政府と東電本店 だった。 政府はアメリカをはじめとした海外へのパフォーマンスに固執し、 本店は保身に走る。現場との温度差は益々開くばかりだ。 福島第一原発の事故が人災であることは既に周知の事実。それ なのに、今後の出世しか頭にない本店幹部。 東京電力に求められているコストカットだが、この為に現場の 作業員の待遇が悪くなっているって…。カットするところが違う だろうに。ちなみに事故前の東電の社長・会長の役員報酬は 7千万円台という。50%カットとか言っているけど、それでも 3千万円台だぞ。 日本政府は2011年末、原子炉の冷温停止状態を宣言した。 しかし、誤魔化されてはいけない。これも海外向けのパフォーマンス だ。燃料棒がどのような状態になっているか、未だ分かって いないのだから。 尚、著者の今西氏は「彼」の協力でマスコミの立ち入りが許可されて いない原発敷地内に潜入している。東電本店は犯人探しにやっきに なっていたとか。そうだろうな、お役所よりもお役所的な会社だもの。 それにしても菅直人である。必要性の全くない事故翌日の原発視察 では、やはり怒鳴り散らしていたらしい。さもありなん。 無用な自衛隊ヘリからの注水といい、こいつは政治家なんかじゃない。 人殺しだ。

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2012/04/14

23―3―11の原発事故の真相がここにあるのか?なぜここに書かれてあることがマスコミで報道されないのか、現政府が国のこと、国民のことを真に考えていない…この先の日本が心配。

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2012/03/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

発災当時の内部で働く人々の様子、最初からオールジャパンでやればよかった汚染水処理施設の問題・・・現場が目に浮かぶような迫真の内容です。 何よりも、現場は相当早い時期からメルトダウンを前提に動いていたということ・・それを2か月ものらりくらりと会見ではぐらかしていた盗電・・。 印象的だったのは 「日本にある消防車を全部集めたのかと思えるくらい構内は真っ赤だった」 「放水作業の自衛隊員が水蒸気が多くて前が見えないのでマスクを外して作業」 そして、決死でのぞんだ1号機の手動ベント作業は一度で作業員さんは100ミリシーベルトを浴びていた・・・。 現場で今も働く作業員さんたちに改めて頭が下がる思いと同時に、未だに反省の色も見せず、体裁を繕うだけの本店と上層幹部たちへの怒りを改めて覚えます。 割りと気軽にすぐに読めるので、通勤電車の中でもどうぞ。 本当はふくいち潜入の写真をもうちょっと入れてくれるとよかったけど。。。

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2012/03/29

これも最近立て続けに出ている福島第一原発事故関連の書で、週刊朝日連載記事をベースにした書籍化とのことだ。 福島第一に勤務し大震災とその後の原発事故を現場で体験した東電幹部(「最高幹部」とあるが今時何処でも使われない如何にも大時代的な表現だ)の一人に事故後から継続取材を行い、政府...

これも最近立て続けに出ている福島第一原発事故関連の書で、週刊朝日連載記事をベースにした書籍化とのことだ。 福島第一に勤務し大震災とその後の原発事故を現場で体験した東電幹部(「最高幹部」とあるが今時何処でも使われない如何にも大時代的な表現だ)の一人に事故後から継続取材を行い、政府・東電本社の大本営発表ではなく、現場の眼から見た真実を伝えようとするもの。更には、その東電幹部の手引きでいち早く事故後の福島第一原発に潜入したことが報告されている。どこにも先駆けて東電福島原発幹部の人間に取材をしたというのが斬新なんだろう。 が、しかし、情報源が福島原発幹部であることを除くと、現時点で読む前提で言えば内容的には特に目新しいものは無い。物事には色々な側面があるので、視点を原発幹部に固定して再度、原発事故とその後の政府・東電本社の動きを見直すことで押し通すのも、それなりの意味はあるだろう。 但し、情報源の重要性と潜入取材一番乗りに本書を執筆する記者自身が高揚してしまっているような文章が随所に見受けられるのが、何とも素人っぽくがっかり。

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2012/03/28

 福島第一原発の最高幹部が見た、311とそれ以降。多くの人間は「現場」という言葉にある種の思考停止をしてしまう。しかしそうではなく、311以降の数ある視点の一つとして本書の内容を見ていくと、これまでの断片的な世界観にもう少しディテールを加えることが出来ると思う。  東京からの視点...

 福島第一原発の最高幹部が見た、311とそれ以降。多くの人間は「現場」という言葉にある種の思考停止をしてしまう。しかしそうではなく、311以降の数ある視点の一つとして本書の内容を見ていくと、これまでの断片的な世界観にもう少しディテールを加えることが出来ると思う。  東京からの視点が、しばしば「事実関係」なるものを知る「現場」とは記者会見などと無意識的に思い込んでしまいがちではあるが、事故現場にも多くの人がまさに今この瞬間にも携わっている人々がいて、そこもまた間違いなく「現場」である。  その現場の、これから様々な立場、様々な人々からの声はどんどん発せられるべきだと思うし、それをくみ取り自らの311とそれ以降の世界への認識をより多面的に、より多重的にしていく必要があると個人的に思っていた中で、本書は一つの視点、一つの物語として非常に分かりやすく、そして自分自身のあの時と重ね合わせやすい内容だったと言える。

Posted byブクログ