ワンレポート の商品レビュー
財務報告の動向、非財務報告の動向、サステナビリティ戦略の動向、ワンレポート(=統合報告)の効果やワンレポートをめぐる投資家・情報機関・会計業界の動きがまとめられています。 ノボ・ノルディクス、UTC、アラクルツ等におけるワンレポートの事例、リコーのサステナビリティ戦略、ゴールドマ...
財務報告の動向、非財務報告の動向、サステナビリティ戦略の動向、ワンレポート(=統合報告)の効果やワンレポートをめぐる投資家・情報機関・会計業界の動きがまとめられています。 ノボ・ノルディクス、UTC、アラクルツ等におけるワンレポートの事例、リコーのサステナビリティ戦略、ゴールドマンサックスグループのGSサステイン構想やブルームバーグのESG情報の提供開始など、あらゆるケーススタディが載っているのが面白いです。「企業報告の先進的ガイドライン」と帯に書いてありましたが、方法論を示すガイドラインよりは、企業報告の解説を伴った事例集といったほうがあっているかなあという印象です。
Posted by
企業の経営情報開示の流れは、財務報告と非財務報告を統合する方向に向かっている。いわゆる統合報告である。このアプローチは財務報告側もあれば、サステナビリティ報告側もあり調整は始まったばかりだ。 本書は『ONE REPORT:Integrated Reporting for a ...
企業の経営情報開示の流れは、財務報告と非財務報告を統合する方向に向かっている。いわゆる統合報告である。このアプローチは財務報告側もあれば、サステナビリティ報告側もあり調整は始まったばかりだ。 本書は『ONE REPORT:Integrated Reporting for a Sustainable Strategy』(2010)の翻訳である。企業の制度報告である財務報告(アニュアルポート)と任意報告であるCSR報告やサステナビリティ報告の情報に関連性がない現状を変えていこうとする。サステナビリティ報告からの統合アプローチと考えられる。 第1章はワンレポートの意義を述べている。 第2章はユナイテット・テクノロジーズ・コーポレーションのワンレポートの事例の分析である。 第3章と4章で財務報告と非財務報告の現状を述べた後、 第5章はリコーのサステナビリティ戦略の分析に充てている。 第6章は英国のチャールズ皇太子によりよって始められた持続可能の会計プロジェクト(A4S)、キング委員会報告書Ⅲなどの統合報告の実践を挙げ、ワンレポートの方向に世の中が進んでいることを印象付けている。 第7章はインターネットでの統合報告の見通しを述べている。 第8章はGRI(Global Reporting Initiative)など国際的な非財務情報報告イニシアティブが開発している基準が統合されるべきとしている。 この本のあとにIIRC(The International Integrated Reporting Council)がDiscussion Paper“Towards Integrated Reporting”(2011)を出して統合報告の国際的な枠組みの議論が始まったところだ。今後の動きに注目したい。
Posted by
- 1