バカで野蛮なアメリカ経済 の商品レビュー
アメリカ合衆国の金融、経済、政治、マスメディア、学会、それぞれの分野におけるユダヤ系人材の影響力の分析が、説得力があった。 ユダヤ陰謀論みたいなものは成立しない、と断言してる。その通りだなと思う。
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読み易い割りに、重要な示唆が入っている。 前半の政治と経済の見方、はシンプルながら正論。 中頃の金融の話しは一部簡略化されていて、金融統制の話しなども入れてほしかった。 後半のIT関連の話しは秀逸。人脈と今後の情報統制の話しは非常に興味深い。
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おすすめ度:85点 題名はふざけているが、実はとてもまっとうな本。アメリカと世界情勢の現状をとてもわかり易く説明しており、納得のいく内容だ。 チェンジしたのは結局オバマだったと皮肉っており、彼に期待していた米国民は失望、あの大統領選挙の熱狂が今は冷めきってしまっている。 これまで推進されてきたワン・ワールド主義が、2008年のリーマン・ショック、そして2010年以来のユーロ・ショックによって挫折した。ユーロ圏やNAFTA、ASEANなどの地域主義統合が進むものの、それはワン・ワールド主義の前提ではなく、むしろ、ワン・ワールド主義に相反する方向であり、群雄割拠の時代、「不安定な多極化」時代である。 一方で、ワン・ワールド主義は、ITのヴァーチャル・ワールドで大発展を遂げている。フェイスブックなどのSNSによる「ワン・ワールド主義2.5」である。 「ビッグ・データ社会」の脅威、「ヴァーチャル・ローマ帝国」を目指すフェイスブック社についても触れられている。 それにしてもフェイスブック社が、ここまで、対ワシントン、対ウォール・ストリートと繋がっていることには驚いた。
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タイトルの通り、一筋縄では行かないアメリカ経済。バイオテクノロジー、代替エネルギーなど次をにらんでいろいろ手を打っているが、決め手にかけるところがある。それどころか、アフガニスタンとイラク戦争で莫大な資金と人を投入したつけがいまだに響いている。 だからといってもうアメリカはおしまいと思うのは早い。例えば、著者は、インターネットにおけるデータが威力を発揮する例として、あのSNSのフェイスブックを挙げている。何しろ、ただで利用できて世界中の人が使っているので、個人情報から写真などを惜しげもなく公開している方がたくさんいる。中には頭がもやもやしそうな写真まで公開している人もいる。企業の側としては、情報をただで提供してくれる良いお客(カモ)として活用することができて、フェイスブックの側としてもその人に合わせた広告を表示するなどして企業から収入を得られる。 著者は、フェイスブックは多国籍企業による超情報管理社会ではないのかと指摘している。あまり必要以上に情報を載せない、おまけ(例えば占い)につられてむやみにいいねボタンを押さないなど自衛策をとることが重要になる。 あのマーク・ザッカーバーグが高校時代に夢中になっていたのが、ラテン語や古代ギリシャ語の西洋古典とあり驚いた。その中でも、「アエネーイス」というラテン語の古典作家ウェルギリウスが書いた叙事詩が好きだったとある。この叙事詩を一言で言うと1つの統一されたローマ帝国ができるまでの道筋を描いている。ザッカーバーグの目ざすのは、著者曰く「ヴァーチャル・リアリティにおける現代のローマ帝国」。プライバシーのない透明な世界を夢見ているザッカーバーク。本人はいいのだろうが、必ずしも、100パーセント公開するのを望まない利用者にとっては、疑問符が出てくる。 金融経済万能論に支配されるアメリカと著者が述べているように、金融機関に対するオバマ大統領、ブッシュ前大統領、クリントン元大統領の破格の待遇(金融危機に対しての税金注入という形での救済措置など)は目立つ。それに対して、保守層が中心となっているティーパーティ運動と、ウオール街を占拠せよ運動が金融街優遇に対して不満を示している。今年のアメリカ大統領選挙と議会選挙でどうなるのか。少なくとも大統領に関しては、民主共和どちらの候補が大統領になっても、金融業優遇は変わらないだろう。多額の献金とロビー活動で有無を言わさない体制をがっちりと固めているからなあ。シロアリが日本以上にうじゃうじゃいるのが目に浮かぶ。
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藤井厳喜/著 ドル安、ワンワールド主義、フェイスブック…。日本は“野蛮な経済”に、どこまで付き合うべきなのか。基軸通貨ドルの近未来と、それと不可分に進行してきたワンワールド主義の行く末について的確な知見を提供する。
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同著者の「日本人が知らないアメリカの本音」の姉妹編とも言える本。「日本人が〜」では主に歴史を遡ることで現代アメリカを分析していましたが、本書では金融を中心にアメリカの病理を掘り下げるとともに、ワンワールド主義(一般的な言葉で言えばグローバリズム)に対する批判がなされています。 ...
同著者の「日本人が知らないアメリカの本音」の姉妹編とも言える本。「日本人が〜」では主に歴史を遡ることで現代アメリカを分析していましたが、本書では金融を中心にアメリカの病理を掘り下げるとともに、ワンワールド主義(一般的な言葉で言えばグローバリズム)に対する批判がなされています。 私が面白いと思ったのは、いわゆるユダヤ陰謀論の妥当性について真面目に分析しているところと、ITと政治との関わりについて論じているところです。ITの文化的な側面については多くの評論が書かれていますが、政治的な面についての分析は珍しく、参考になりました。 著者はいわゆるビッグデータに、プライバシーが筒抜けになってしまう現代の管理社会の悪夢を見て警鐘を鳴らしています。現時点ではやや大げさな気もするのですが、仮に警察権力がビッグデータの有効利用に目をつけたら…と考えると怖いですね。 現代アメリカを知るために「日本人が〜」とセットで読むととても勉強になる本です。 ※作中、Twitterの創業者が開始したクレジットカード決済サービスを「フォースクエア」と表記していますが、これはSquareの間違いで、位置情報SNSのFourSquareと混同していると思われます。
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