振り子で言葉を探るように の商品レビュー
書評って 一体、誰の為に書くのだろう。 >この本を未読の方がいたなら、是非… 面白いですよ。 でも、 つまらないかも。 既読の方の評価や感想はとても参考になる。 うず高く詰まれた同じ形の果物のなかから、 間違いなく 美味しいひとつを選択する事が出来るのは (ありがたいこと...
書評って 一体、誰の為に書くのだろう。 >この本を未読の方がいたなら、是非… 面白いですよ。 でも、 つまらないかも。 既読の方の評価や感想はとても参考になる。 うず高く詰まれた同じ形の果物のなかから、 間違いなく 美味しいひとつを選択する事が出来るのは (ありがたいこと。) と、感謝しながら 書評集の類は良く読むのだが、 ふと、 著書の書評集を読んでいて思ったのは (堀江さんは、こちらを全く見ない人だなぁ) と、いう事。 誰かの為に、というより それは自分の為に書かれた様な。 読後、 書評を書く事で、ようやく自分の胃の腑に収まった事を満足しているかの様な。 私は 本から目を放さない、著者の後ろから、そっと盗み見る様にこの本を読む。 柔らかく微笑んだり、 目を閉じて考え込んだり、 ゆっくりゆっくりな読書を 楽しむ著者の読了本を全て受け取ると あらま。 またまた 本の山が出来ている。 面白い本をどうぞ… じゃなく、 多くの本に触れてね… そういう事なのかな? なんて思った。
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堀江敏幸の書評は何かに傾くというような熱がないように思う。淡々と、というのでは必ずしもないとは思うのだけれど、思わず一歩踏み出してしまったというようなところが余りない。こつこつと言葉は積み重ねられてゆく。精緻な、かっちりとした言葉の煉瓦は、いつの間にか緻密な構造物として立ち上がる...
堀江敏幸の書評は何かに傾くというような熱がないように思う。淡々と、というのでは必ずしもないとは思うのだけれど、思わず一歩踏み出してしまったというようなところが余りない。こつこつと言葉は積み重ねられてゆく。精緻な、かっちりとした言葉の煉瓦は、いつの間にか緻密な構造物として立ち上がる。それは最初の設計図通りに仕上がる。何の不思議もない。 書評とは本来こうしたものなのだろう、と思う一方で、この人の慎重さを少しばかり訝しく思う気持ちも湧く。文学的な読み、あるいは文学部的な読みというのは、本を読みたいという熱源とは離れたところにあるのかも知れない。とはいえ、一つ一つ、その痕跡を辿ってゆくことは、決して苦しい道のりではない。 この中途半端に距離を保つ関係性を、半ば楽しみながら頁をめくっていると、ところどころで、堀江敏幸の紹介する本がそんな冷静さに対する斜に構えたこちらの壁を通り越して、読んでみたくはないですか、と問いかけてくる。気付けば犬の耳にした頁が幾つも出来ている。シンプルな言葉で薦められる時には起こりそうにもない興味の湧き方が、ここにはあるような気がする。 どこか深いところで堀江敏幸の言葉に共鳴している自分が、いる。
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膨大な量の本を読んで,その書評を書く.それにしても著者の読書量はすごい.どのような時間の使い方をしているのだろう.想像できない!この中には小生が読んだものも数点あったが,読んでみたいと思ったものもかなりあった.でも書評を書くには膨大な背景知識も必要であり,著者の凄さが再認識できる...
膨大な量の本を読んで,その書評を書く.それにしても著者の読書量はすごい.どのような時間の使い方をしているのだろう.想像できない!この中には小生が読んだものも数点あったが,読んでみたいと思ったものもかなりあった.でも書評を書くには膨大な背景知識も必要であり,著者の凄さが再認識できる.
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堀江敏幸「振り子で言葉を探るように」読んだ。http://t.co/uTVMwbYY 書評集。図書館の本を読み終わったその足で、本屋さんに行った(そこには置いてなかったので実際には買えなかったが)。わたしに読書の道案内をしてくれるのは、池澤夏樹と、この人(つづく 手元に置いて...
堀江敏幸「振り子で言葉を探るように」読んだ。http://t.co/uTVMwbYY 書評集。図書館の本を読み終わったその足で、本屋さんに行った(そこには置いてなかったので実際には買えなかったが)。わたしに読書の道案内をしてくれるのは、池澤夏樹と、この人(つづく 手元に置いておきたい。扱われている本を全て読みたくなる。かつそれまで未知の作家でも読んだら好きになりそうだという予感をもたらしてくれる。よくある読書感想文書評とは全く違う。少し距離を置いた淡白な感じなのに、作品への彼の思い入れが滲み出ている。冷静な文章は彼の他の作品と同じ(つづく 須賀敦子の扱いが、これまで読んだ須賀評の中では一番平静で良い感じ。山田詠美の評価も正当(わたし何様?)で嬉しい。そう、彼女はとても真面目で道徳的なのだ。全体に淡々としているのに、ムーミンへの愛情注入が激しくて可笑しい。この人は本当にムーミンが好きなんだなあ (おわり
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今回まとめての書評を読み、自分の読み位地が近いところと全く交差しそうなところがないことも知る。取りあげられた本で読んだ本を数えると12冊だった。
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書評集。 知らない著者、知らない著作の方が多いんだけど、読めました。 『本』を読んでから、もう一度読み返してみたいです。
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