小澤征爾 指揮者を語る の商品レビュー
有働由美子さんによるインタビューをまとめたもの。 音楽の作り方、サイトウキネンオケのこと、ウィーンでの生活など、興味深い話が次々と・・。
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やっぱ小澤征爾すごいです。子供向けの字の大きな本なのに、音楽を表現することの本質について語ってる。 楽譜を書いた人の気持ち!とか、分奏!だけじゃなくて、誰が書いたのか、どんな経緯なのか、生まれなのか、生き方なのか、を考える必要があるって。 われわれはドイツ人じゃないし、なれないけ...
やっぱ小澤征爾すごいです。子供向けの字の大きな本なのに、音楽を表現することの本質について語ってる。 楽譜を書いた人の気持ち!とか、分奏!だけじゃなくて、誰が書いたのか、どんな経緯なのか、生まれなのか、生き方なのか、を考える必要があるって。 われわれはドイツ人じゃないし、なれないけど、それを国の癖にとらわれずに研究できるのもよいという。 あとはあれね、ロシアね。年を重ねて、in tempoよりも流れを重視するようになったという。バラけるんじゃないかしら!という心配は若い頃にしたけど、いまはちょっとぐらいそれを犠牲にしてもいい、と言えてる。
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音楽は好き。でも知識はゼロ。楽器演奏はおろか、楽譜を読むことさえできない。 加えて、音感・リズム感・音楽センスはゼロを通り越してマイナス。 そんな私でもやっぱり好きだから、いろいろ触れてみたいという興味は尽きません。 指揮者とは何か。 【本書抜粋 小澤征爾】 作曲家が五線紙の...
音楽は好き。でも知識はゼロ。楽器演奏はおろか、楽譜を読むことさえできない。 加えて、音感・リズム感・音楽センスはゼロを通り越してマイナス。 そんな私でもやっぱり好きだから、いろいろ触れてみたいという興味は尽きません。 指揮者とは何か。 【本書抜粋 小澤征爾】 作曲家が五線紙の上に書いたものを、生の音にしてお客さんに出すとき、 どういうふうに理解をするか、その理解力がないと駄目。 そのためには作曲家のスタイルをわからなければいけないし、時代背景も知っておかなければいけない。 それから作曲家の癖や、精神も理解しておかなければいけない。もちろん作曲家の技術も。 作曲家が楽譜に書き添える情報には限度があるわけ。(中略)そうなってくると、指揮者という存在がとても大事になってくる。 --- 音楽とは何か。 【本書抜粋 小澤征爾】 楽の根源は、人間の声から始まったと、我々は思っているわけ。 それから楽器は、声の代わりに音楽をつくってきた。(中略)音楽の根源は声だとすると、息を吸うことは絶対必要で、 管楽器は息を吸わなければいけないけど、バイオリンなどの弦楽器は息を吸わなくても弾ける。 しかし、そこのところで、息をみんなにうまく吸ってもらう(インバイトをする)指揮者もいて、それがいい指揮者だと言われる。 --- 読了して本書そのものについて、一言。 本書はNHKBSプレミアムで放送された「100年インタビュー」を単行本化したものだそうです。 素直な印象は「やはり映像はいろいろな要素を自然に補完してしまう。映像をそのまま活字化したのでは、書籍としての質は保てない」というものでした。 正直なところ、インタビューアもその役目を果たせているとは言えず、表面的な質問に終始してしまっているのが残念です。
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読みやすく書かれている。 小澤さんの音楽に対する姿勢・楽譜をどう読み表現するかが書かれており興味深い。 次回、オケを聞きに行くときは作曲者の想い、指揮者の想い、プレイヤーの想いを含めて、音楽をかみしめたいと思えた。
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23歳で単身、船で62日間かけてヨーロッパに渡り、すでに半世紀以上がたっているそうです。 「いまでも、勉強に費やす時間が多いですよ。この商売は、本当に時間がかかりますからね、勉強にね。」「良い伝統と悪い伝統、それを見極めろ、と。」 「たとえ組織の中であっても、その人が何をやる...
23歳で単身、船で62日間かけてヨーロッパに渡り、すでに半世紀以上がたっているそうです。 「いまでも、勉強に費やす時間が多いですよ。この商売は、本当に時間がかかりますからね、勉強にね。」「良い伝統と悪い伝統、それを見極めろ、と。」 「たとえ組織の中であっても、その人が何をやるかが大事なことなんですよ、きっと。と、僕は思うんですよ。最終的には。」「合っているかよりも、音に深さのあることのほうが、みんな満足する」 「音楽の場合は、言葉で悲しいと書くよりも、それ以上にうんと幅が広いと思う」「音楽は、非常に「個」の強いものです。一人ひとりの経験の中から、じわじわっと出てくる。」「要するに作曲家が五線紙の上に書いたものを、生の音にしてお客さんに出すとき、どういうふうに理解をするか、その理解力がないとと駄目」
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小沢征爾のインタビューをまとめた本。 自分の生い立ちから、斉藤教授との出会い、欧州への武者修行、有名指揮者への師事で学んだこと、現在の活動についてざっくばらんに語った内容。テレビ番組のインタビューを本にしたせいか、内容はやや薄い。でも小沢征爾という指揮者の素顔と考え方をざっくり知...
小沢征爾のインタビューをまとめた本。 自分の生い立ちから、斉藤教授との出会い、欧州への武者修行、有名指揮者への師事で学んだこと、現在の活動についてざっくばらんに語った内容。テレビ番組のインタビューを本にしたせいか、内容はやや薄い。でも小沢征爾という指揮者の素顔と考え方をざっくり知る程度であれば、本音 の語りも含めて面白く読めると思う。気さくな性格ですが、強気で生きていかないと淘汰される世界で、これまで抜群の実績を残してきた。この歳になっても、勉強量は誰にも負けないという。若手の指揮者コンクールで優勝し、すぐにオファーが来ると思っていたら、全然来なくて困窮したという話から、コンクールの実績というものが幅を利かすような甘い世界では無いという。日々勉強と経験を積んで実績を残してきたからこその言葉だと思う。厳しい世界だけど、ひとつの事に打ち込めるというのは、ある意味幸せです。 NHK交響楽団とのトラブルの件は、NHK出版ということもあって全く触れられていない。その辺りは興味あったのだけど。
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たしか、今年で21年目を迎えたサイトウキネン。初めてのとき、ナント小澤征爾が、わが母校の中学校の体育館に、吹奏楽部の指導のためわざわざ来てくれたのだ。いま思えば、凄いことだったんたなぁ( ̄◇ ̄;)
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活字がでかい さくさくと読む インタビュー番組の書籍化みたい 12 オペラ座、赤と緑の信号で指揮者と合図 37 元々はピアノ、ラグビーで指怪我 46 カラヤンにえこひいきしてもらった 49 努力と根性 53 井上靖に「帰国なんてとんでもない」 97 カラヤン先生は偉くて魔法...
活字がでかい さくさくと読む インタビュー番組の書籍化みたい 12 オペラ座、赤と緑の信号で指揮者と合図 37 元々はピアノ、ラグビーで指怪我 46 カラヤンにえこひいきしてもらった 49 努力と根性 53 井上靖に「帰国なんてとんでもない」 97 カラヤン先生は偉くて魔法みたいな指揮をする 103 この商売は勉強に時間が掛かる 116 カラヤン、いい指揮は「インバイト」だ 市場で買い物 白アスパラ、太くてすごく美味しい
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
小澤さんのオーケストラに携わってきた人生の回顧録ともいうべき本。 印象に残ったのは、オーケストラで集まる演奏家たちの、演奏曲に対する考えが指揮者の元で初めから一つになっていることはあまりなくて、大体7割程度が同調しても、残り3割ぐらいは考えが違っているもの、というくだり。残り3割はたとえ自分の考えに合わなくても、「小澤さんが言うんだからやってやろう」という気持ちで、一つの曲を創っていく。このくらい、ある程度考えが合わない人が居るのが、大所帯の中では当然であって、むしろ全員が初めから考えが一つになっているのは気味が悪いし、案外上手くいかないものだ、と。 このことはオーケストラに限らず、仕事の組織、政治の組織、いろんな組織でも同じことが言えるんじゃないか、少し考えの違う人が混じっていた方が、結果として一つの事に取り組む際にパフォーマンスが高まるんじゃないかと、ふと思った。
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テレビ番組を本に起こしたというかんじの本。非常に易しい本でした。 小澤氏の師に対する尊敬の念や愛情が、これでもかというくらい伝わってきて、涙しました。
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