チャイナ・ナイン の商品レビュー
2012年3月発行。習近平が国家主席になる前の政権争いの話が書かれている。 結果を知っている今ではあるが、理解が深まった。
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これはちょっと前の本なんですけど、中国を動かす共産党の政治局常務委員の話です。当然トップは習近平ですけど、彼らが選ばれていく過程がおもしろいんですよ。みんな、自分が目をつけた有望な若手を育てたうえで、チャイナ・ナインに指名する。そうすると、自分が辞めたあとでも、次の国家主席に強い...
これはちょっと前の本なんですけど、中国を動かす共産党の政治局常務委員の話です。当然トップは習近平ですけど、彼らが選ばれていく過程がおもしろいんですよ。みんな、自分が目をつけた有望な若手を育てたうえで、チャイナ・ナインに指名する。そうすると、自分が辞めたあとでも、次の国家主席に強い影響力を持つじゃないですか。「あの人のおかげで自分はこの地位に座れた」なんて思わせるようなやり方でね。 中国人って自分の影響力を利用しながら、政治を動かしていくのが猛烈にうまいんですね。「権力闘争というのはこんなふうにやるものか」というところが徹底していて、日本の政治家のかわいらしいやり方とは全然違うんです。気に入らなくなったり、敵になったりしたら、一族郎党逮捕したり殺したりするので。すごいですよ。 (公式メルマガ「ブックトーク」28号より一部抜粋)
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[以九為政]今や世界第2位の経済大国として、国際社会で大きな影響力を有するようになった中国。その中国の政治を仕切る「中国共産党中央委員会政治局常務委員会」の9人(評者注:本書執筆当時)に焦点を当て、今後の中国の舵取りについて考察を重ねた作品です。著者は、現在の中国の長春市で194...
[以九為政]今や世界第2位の経済大国として、国際社会で大きな影響力を有するようになった中国。その中国の政治を仕切る「中国共産党中央委員会政治局常務委員会」の9人(評者注:本書執筆当時)に焦点を当て、今後の中国の舵取りについて考察を重ねた作品です。著者は、現在の中国の長春市で1941年に生まれた遠藤誉。 外部からは分かりづらい中国共産党のトップ陣の動きを、制度や歴史の歩みから紐解いていく遠藤女史の筆はまさに圧巻。胡錦濤総書記時代に続く中共中央政治局常務委員の顔触れ予想の結果はさておき、中国の複雑かつ(若干この表現は不謹慎かもしれませんが)面白すぎる人事ゲームを読み解く際にぜひ参考にしたい作品です。 〜国家の基本構築を決めていくのもチャイナ・ナインである。すべてはそこから発信され、執行機関を全国津々浦々に張り巡らせて、揺るぎのない巨大なピラミッドを形成している。それでいてチャイナ・ナインの中には、表面から見たのでは分からない「ブラック・ボックス」のような、何手も先を読み込んだ駆け引きの力学で動く綱渡りの世界がある。まるでミステリーまがいの複雑な人間の絡みが織り成すドラマが展開され、それが政局を決定していく。これが中国だ。〜 著者の原体験が中国に対する執念を感じさせる☆5つ
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なんとなくのイメージとメディアからの断片的情報でしか知らなかった中国の国家、政治、経済、社会の状況、動向や方向性が凝縮されている内容。2012年以降でまた状況は変わってきているが、現代の中国を知るにあたって有益な情報である事には変わりがない。
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中国の国家を肌で体験している著者だからこそ、深い感性で把握する中国国家運営の肝から見える権力中枢の全貌が書かれている。これからの中国を理解するための参考となる。
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薄熙来事件の時に慌ててチャイナ・ジャッジと共に斜め読みしたのをゆっくり再読。今回の香港の件の背景を理解する為にも読んどかないとと思って。現実に2012年にはチャイナジャッジがチャイナセブンになり、団派の汪洋や李源潮が外れているところに、江沢民と胡錦濤の壮絶な駆け引きがあったんだろ...
薄熙来事件の時に慌ててチャイナ・ジャッジと共に斜め読みしたのをゆっくり再読。今回の香港の件の背景を理解する為にも読んどかないとと思って。現実に2012年にはチャイナジャッジがチャイナセブンになり、団派の汪洋や李源潮が外れているところに、江沢民と胡錦濤の壮絶な駆け引きがあったんだろうなあと想像。開明派の汪洋(広東省長経験者)が中央にいないのは、香港にとってマイナスになってしまったと思う。そう言えば汪洋の後の広東省長は同じく団派で第6世代ホープの胡春華である。今回の件は広東省長も無縁ではいられない、2017年のセブン入りを念頭に置けばかなり難しいハンドルになるのかも。それを考えるとこの放置政策は判らないでも無い。 しかし、本編と関係ない、終章の長春包囲から脱出するシーンが凄惨すぎる…。
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この本は2011年末に書かれたが、時は中国の胡錦濤政権末期で、中国の政権構造の解説とともに次期政権の顔ぶれを予想している。その結果が分かっている今から見て、ほぼ正解である。中国人や共産党の考えかたと経歴などの事実を基に自ら分析しての考察であり、他の言い分や思いこみではないだけに...
この本は2011年末に書かれたが、時は中国の胡錦濤政権末期で、中国の政権構造の解説とともに次期政権の顔ぶれを予想している。その結果が分かっている今から見て、ほぼ正解である。中国人や共産党の考えかたと経歴などの事実を基に自ら分析しての考察であり、他の言い分や思いこみではないだけに、洞察力はすばらしい。 筆者は、幼少期を中国内戦を命からがら抜け出し、長じては中国のシンクタンクで職を得るほどで、上から下まで通じている本当の中国通である。 中国の分析は、この人がいちばん信用できると思う。 それにしても、国共内戦の長春包囲を生き延びたと凄まじい人生を過ごしてきたものである。生い立ちのその部分は本書のおまけの部分だが、最も読み応えのある部分である。
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2014年の今となっては随分昔の話に感じてしまうが、中国の第五世代の指導層に誰が入ってくるか・・というのは、中国関係者やそこに住んでいる人間からすると、一大関心事項だった。国家主席が誰になるか(結局は習近平になった)や、結局のところ政治的には完全に終わることになる薄熙来は常務委員...
2014年の今となっては随分昔の話に感じてしまうが、中国の第五世代の指導層に誰が入ってくるか・・というのは、中国関係者やそこに住んでいる人間からすると、一大関心事項だった。国家主席が誰になるか(結局は習近平になった)や、結局のところ政治的には完全に終わることになる薄熙来は常務委員になれるのか、といった人事に関することから、そもそも9人が選ばれるのか、それとも7人なのか、といったように多くのトピックがそこには含まれていた。 この本はその結果(18大)がわかる前に、現指導者層を予測するということで、書かれた一冊。著者は中国生まれで日本育ち、成人してからは中国の公的機関の顧問も経験したという立場にあって、外からの情報とインナーの情報をバランスよく配置してあって読み応えがある。中国にそこそこ長くいた人間としては、こうやって「中の人とつながりがあります」的なこと堂々という人は、あまり信頼が置けない・・・というのがあるのだけれど、そこはある程度割り引いて読むほうも考えるしかない(深淵をのぞいている時には、向こうも覗き返しているという文を思い出す)。 2014年の今となっては結果がわかってしまっていて、当たり外れを語るというのは後だしじゃんけんになってしまって意味がないが、そもそも中国の権力構造がどのようになっていて、意思決定というか「彼らの内側の世界観」がどのようになっているのかを理解するにはうってつけの本だと思う。
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中国で生まれ育った著書の命を賭して中国を分析した渾身の一冊。現在の中国の権力構造がわかりやすく、近代の歴史をひもときながら説明されている。
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上海駐在中の父に読むように言われて読んだ。「一党独裁」というイメージをなんとなく抱いていた中国の全貌を知る非常に良い機会になった。中国の共産主義を崩壊させるものが「精神文化」であるなら、民族としての「精神」も「文化」も揺らいでいる我々日本は、もう崩壊寸前なのかも知れない…そんな危...
上海駐在中の父に読むように言われて読んだ。「一党独裁」というイメージをなんとなく抱いていた中国の全貌を知る非常に良い機会になった。中国の共産主義を崩壊させるものが「精神文化」であるなら、民族としての「精神」も「文化」も揺らいでいる我々日本は、もう崩壊寸前なのかも知れない…そんな危機感を抱いた。
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