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超訳 種の起源 の商品レビュー

4.3

18件のお客様レビュー

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2025/01/27
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※このレビューにはネタバレを含みます

19世紀、科学者は一人前の職業ではなく、趣味や興味で研究するものだった。 ビーグル号の航海中、ライエンの『地質学原理』の斉一説に触発された。 ガラパゴス諸島は、進化論が生まれた場所として知られている。 ターウィンの祖父エラズマスダーウィンも進化論者だった。 マルサスの人口論にヒントを得て、食料が不足すれば絶滅するという自然選択を考えた。 種の起源は、それまでに書き溜めたものを本にしたもの。最初は、進化ではなく変化、とした。 進化論は差別の正当化に使われやすい。また資本主義の正当性を主張するのにも誤用されやすい。 種の起源は、自然選択だけで説明できること、人類の相対化、に勝ちがある。 掛け合わせても雑種が生まれない。仮に生まれても生殖能力がない、場合は別種。 変化が蓄積して起きる。目の途中の段階でも、有用であれば生き残って更に変化する。 交雑が有利なのは、劣性遺伝子が重なることが少ないから病気の遺伝子も引き継がないことから。 中間段階の生物が見つからないのは、化石として残っているのはほんの一部だから。化石の記録には空白が多い。もしすべての化石が見つかったら、種の区別はできない。 ミツバチは針を刺すと死んでしまう。欠陥のように見えるが、この状態でも生存競争に勝てたからこそ、この機能のままにいる。これが種の保存に不利ならば自然選択が起きて、死なないミツバチが生まれただろう。 人間にも盲点がある。なくても困っていないから改良されない。 本能も自然選択。本能は一見利他的にみえても、利己的なもの。 カッコウの托卵は、2~3日おきに産卵するからではないか。 奴隷狩りをするアマゾンアリ。 働きアリはメスだが不妊。このほうが都合がいいのだろう。 地層は断絶しやすい。すべての時代の地層があるわけではない。 アメリカ大陸のウマは、化石は見つかるが、最近持ち込まれたもの。 オーストラリアの有袋類は、隔絶されたために生き残った。

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2022/04/21

昔の本の場合、当時考えられてた間違った理論などもそのまま記載されてることが心配だった。しかし、この本は注釈に現代の定説も書いてあったのでよかった。 噛み砕いた文章だったので、初心者のわたしでも、問題なく読めた。 この時代に、ダーウィンがここまでの推測をたててたのは改めてすごい...

昔の本の場合、当時考えられてた間違った理論などもそのまま記載されてることが心配だった。しかし、この本は注釈に現代の定説も書いてあったのでよかった。 噛み砕いた文章だったので、初心者のわたしでも、問題なく読めた。 この時代に、ダーウィンがここまでの推測をたててたのは改めてすごいと思った。

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2021/11/10

誰しもダーウィン、 進化論、 自然選択というワードを聞いたことがあると思いますが、 その本文を読んだことがある よという人はかなり少ないのではないかと思います。 本書 は、ダーウィンの有名な 『種の起源』 を中学生でも理解で きるような平易な言葉使いで書いたものです。 さて、...

誰しもダーウィン、 進化論、 自然選択というワードを聞いたことがあると思いますが、 その本文を読んだことがある よという人はかなり少ないのではないかと思います。 本書 は、ダーウィンの有名な 『種の起源』 を中学生でも理解で きるような平易な言葉使いで書いたものです。 さて、 過去の書評でも書きましたが、 昔の科学の名著を今 読むというのは相当難しいことだと思います。 第一に、単純 に専門的な内容で難しいということ、 第二に、 当時何が知られていて何が知られていないのかという歴史的文脈を知ら ないと見当外れな読み方をしてしまう可能性があるということです。 本書はそういう意味で2つの難題に気を配ってい ると言えます。 1つ目は既に説明した通りですが、2つ目の 懸念も、念入りな時代背景の説明がなされ、「なぜ今ダー ウィンを読むのか」を明らかにしてから読めるようになっ ています。 もし読みが不安なら、 シッダールタムカジーの 『遺伝子』、アイザック・アシモフの 『生物学の歴史』、 佐々木閑 『犀の角たち』 を読むといいと思います。 さて、ダーウィンは (イメージと違って??) どうやら気の弱いタイプのようでしたが、その分膨大な博物学の知見を読者にこれでもかと提示して、 想定される反論に対応しています。 この姿勢は科学者だけではなくビジネスマンにも有用 なのではないか、と思えます。 行間からは、 「自分にはどう してもこう思えて仕方ないのだけどこれでいいのか?」と問 い続けた結果白らの内側でたくさん議論したことをしっかりと書いています。 大事なことは、全てのデータを(特定のものを無視しないで)説明するような理論を考えているということで、その姿勢が、仮に後世にいくらかの間違いがわかったとしても、そんなものは些細なことでしかなく、ダーウィンの偉大さが語り継がれている所以なのだなぁと思います。

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2021/10/27

進化論には興味があるのだが、それこそ進化の早い分野なので、160年以上前のダーウィンの本は気になりつつも、読んでなかった。 でも、やっぱ原点なので、なんか読もうかなと思って、検索したら超訳でかなり短めにしている本書を発見して、読んでみた。(なんと14歳の子供向けの本のようだ) ...

進化論には興味があるのだが、それこそ進化の早い分野なので、160年以上前のダーウィンの本は気になりつつも、読んでなかった。 でも、やっぱ原点なので、なんか読もうかなと思って、検索したら超訳でかなり短めにしている本書を発見して、読んでみた。(なんと14歳の子供向けの本のようだ) これは、ほんと読んで良かったと思う。DNAの解析もできなければ、化石や地層の放射線測定での年代を調べることもできないということは言うまでもなく、実はメンデルの遺伝理論も知らず、地球の年齢も知らず(当時は、聖書の記述からの想定で6000年位前に神によって地球が創造されたと想定されていたのだ)、さらには、「神が全ての生物を創造した」という考えが極めて強かった時代に、よくぞここまで考えることができたなと驚嘆するほかない。 それは、ビーグル号での探査の経験をベースとしつつ、基本、博物学的な知識、趣味の鳩の飼育とか身の回りの自然の観察をベースにした思索の結果である。 それだと、独りよがりになってもおかしくないだろうが、ダーウィンは、常に自分の考えに反する事実がないかをチェックを続けているし、他の人からの反論を予測して、それに対する再反論を考える中で、自分の思想を修正しつつ、磨きをかけていたのだ。 最新の学説から現時点でもっとも正しいと考えられていることを知ることより、こうした思考の力、そして世間からの反発を恐れつつも自説を述べる勇気に触れることが、大事なんだなと古典を読む大切さを再確認した。 というわけで、超訳ではないダーウィンも近いうちに読んでみたい。

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2020/02/17

化学も生物学も地学も全部ひっくるめて理科が苦手だし、面白く感じられないし、すぐ眠くなる私だが、この本は最初から最後まで面白かった この手の本で全部読めたのはこれだけだ、超訳として100点 ダーウィンってすげぇ〜〜〜生物ってすげぇ〜〜!!!と感動しきり ロマンだ〜〜〜〜

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2019/04/07

生物学をかじっていると、必ず出てくるのが「種の起源」であり、進化論だ。 しかし原著を読むのもなかなか…と思って探していて見つけたのが本書だった。 現代風の訳、注釈での解説、そして付録として現代における進化論が追記されており、とても読みやすい。150年前、ダーウィンが気付いたことが...

生物学をかじっていると、必ず出てくるのが「種の起源」であり、進化論だ。 しかし原著を読むのもなかなか…と思って探していて見つけたのが本書だった。 現代風の訳、注釈での解説、そして付録として現代における進化論が追記されており、とても読みやすい。150年前、ダーウィンが気付いたことがまとめられた種の起源は、今の進化論の考え方と基本的には違っていないという記述で、彼の偉大さに気づかされるのだ。

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2024/05/25

言わずと知れた人類の知識遺産とも言える、ダーウィンの進化論。「14歳の教室」というシリーズの本なので、中学生くらいがターゲットなのであろうが、大人でも十分読むに耐える内容。いや、むしろ自分のような無学のものには丁度良い難易度とも言える。 生物の進化は、自然界の限られたリソース、...

言わずと知れた人類の知識遺産とも言える、ダーウィンの進化論。「14歳の教室」というシリーズの本なので、中学生くらいがターゲットなのであろうが、大人でも十分読むに耐える内容。いや、むしろ自分のような無学のものには丁度良い難易度とも言える。 生物の進化は、自然界の限られたリソース、例えば食糧であったり場所を奪い合うために、より良い条件の特質を備えた個体が生き残ることによる、自然選択の結果だというのが基本的な要点である。ハーバードビジネススクールのゲマワット教授の企業戦略論講義には度々、企業の競争を自然界での生存競争に例えて解説がされているが、進化論はまさしく競争の本質を表している。無論、企業間による競争には、法的規制や倫理等の要素も考慮されるため、完全に同一ではないものの、環境の変化に適応できる種だけが生き残り子孫を残す事ができるという本質は共通である。 最後に訳者によるコラムが古いカセットテープの写真と共に掲載されていのが象徴的である。エアチェックという言葉と共に消え去る運命を誰が当時想像したかという事を。

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2017/08/01

原著は翻訳版も少し読みにくいらしいが、超訳版なので読みやすい。生物を会社に読み換えると、非常に示唆のある話になる。似たようなもの同士の生存競争は同じリソースを奪い合うことなので激しくなるというのは、色々な事に当てはまる。人間がジャングルに住んでいた時代、殺されるのは巨大生物よりも...

原著は翻訳版も少し読みにくいらしいが、超訳版なので読みやすい。生物を会社に読み換えると、非常に示唆のある話になる。似たようなもの同士の生存競争は同じリソースを奪い合うことなので激しくなるというのは、色々な事に当てはまる。人間がジャングルに住んでいた時代、殺されるのは巨大生物よりも同じ人間だったという内容を他の本でも見たが、そういう事なんだとわかった。読み換えて考えるととても面白い本です。

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2017/05/17

帯文:”150年前、もしダーウィンが『種の起源』を書いていなかったら、世界はいまとは違っていたかもしれない” 目次:訳者まえがき、本書について、第1章 人為選択、第2章 「種」とは何か、第3章 生存競争、第4章 自然選択、第5章 生物変化の法則、第6章 学説の抱える問題、第7章...

帯文:”150年前、もしダーウィンが『種の起源』を書いていなかったら、世界はいまとは違っていたかもしれない” 目次:訳者まえがき、本書について、第1章 人為選択、第2章 「種」とは何か、第3章 生存競争、第4章 自然選択、第5章 生物変化の法則、第6章 学説の抱える問題、第7章 本能、第8章 雑種、第9章 なぜ化石が足りないのか…他

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2015/01/11

原典は一度挫折したのでこちらを。14歳でもわかるをコンセプトに書かれているようで、大変読みやすいし面白い。本編に行く前にダーウィンの経歴をさらってくれるので勉強になる。 相似器官と相同器官の違いがわたしはあまりしっくりきていなかったのだけど、自然選択にさらされるかどうかの違いと書...

原典は一度挫折したのでこちらを。14歳でもわかるをコンセプトに書かれているようで、大変読みやすいし面白い。本編に行く前にダーウィンの経歴をさらってくれるので勉強になる。 相似器官と相同器官の違いがわたしはあまりしっくりきていなかったのだけど、自然選択にさらされるかどうかの違いと書いてあってすっきり納得。だから幼い頃のほうが種間の違いが現れにくいのだ、という話にも頷ける。 話の内容は現在の見解とほぼ間違いがなくて、これだけ昔に、しかもキリスト教圏で書かれたものとは考えられない。改めて偉大。 でも中間形の化石が見つからない、という反論に、化石はそもそもほとんど残っていない、という返しは、まあそうなんだろうけど少し弱い気も。このあたりは今も諸説あるはず。ストーリーとしてよくできているけど、まだまだ謎も多いのだな。タイムマシンが欲しい。

Posted byブクログ