アマゾン、シングーへ続く森の道 の商品レビュー
一度だけ行ったアマゾンの景色が蘇る。平らな大地に長く続く道、パッチワーク状に切り開かれて農地転用された森。大豆畑になった熱帯雨林、日本に届く大豆は、本当に、そんなにも、必要なのだろうか。「ある」ことが当然で、それに慣れすぎている私たち。 誰かを守るために体当たりで行動する人の姿...
一度だけ行ったアマゾンの景色が蘇る。平らな大地に長く続く道、パッチワーク状に切り開かれて農地転用された森。大豆畑になった熱帯雨林、日本に届く大豆は、本当に、そんなにも、必要なのだろうか。「ある」ことが当然で、それに慣れすぎている私たち。 誰かを守るために体当たりで行動する人の姿は美しい。インディオたちの声はポルトガル人入植後、ブラジル政府が成立してから、届いてはいない。ただ様々な立場や思惑が交錯する中で全ての人にとって満額回答がなされえないことは事実。 シングー先住民族国立公園近くのベロ・モンチ水力発電ダム。考えさせられることが多い。ブラジルに行った時、サンパウロの大都市を見て、ここが発展するに必要な電力を賄うには、やはり自然の力を利用した水力発電が、石炭や原子力と比べて適当なベースロード電源だと思ったし、今もそう思う。一方で、犠牲となっている自然や生態系、そこに住む人々を思うと、苦い。 上澄みじゃなくて、底に沈んでいるものを拾わなくては、という言葉が印象に残る。
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