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おもしろサイエンス 破壊の科学 の商品レビュー

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3件のお客様レビュー

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2012/07/07

モノが壊れるとはどのようなことなのか、整理して書かれており理解しやすい。ひとえに固体といっても結合の仕方も違うし、結晶のでき方でも全く 性質の違うモノになっていることに気づかされた。 ラッパも形ができていればいいのではなく、どのような結晶構造なのか、 どんな残留応力があるのかな...

モノが壊れるとはどのようなことなのか、整理して書かれており理解しやすい。ひとえに固体といっても結合の仕方も違うし、結晶のでき方でも全く 性質の違うモノになっていることに気づかされた。 ラッパも形ができていればいいのではなく、どのような結晶構造なのか、 どんな残留応力があるのかなどがとても大切なのだろうなぁ。 以下覚え書き。 ---------------------------------------- 物が壊れるときの力のかかり方は2種類に分類できる。 「分離破断」 物質の結合を引き離す 「剪断破断」物質の結合をずらして破壊する ガラスはアモルファスで、固体とも液体とも違う特性を持つ。 表面の小さな傷から応力集中で一気に破壊する。「脆性破壊」という。 金属は柔らかく粘りけがある。分離破壊は起こりにくく、通常剪断破壊のみ。つまり結合がずれていく事による破壊。 P.90 金属の加工硬化の話。金属を加工すると次第に硬くなるという話は聞いたことがあったが、その理由が初めて理解できた。 剪断力がかかることにより、「転位」が発生する。加工を行うとこのような転位が各所に起こり、塑性変形が起こりにくくなっていく。 P.96 鉄は常温では体心立方格子、温度が高いと面心立方格子 (γ鉄、オーステナイト)。 P.97 オーステナイトから冷やす温度が早いと結晶は小さくなり硬く脆くなる。急激に冷やすと「マルテンサイト」という針状の組織になる。 P.118 金属疲労破壊とは。負荷がかかり亀裂が生じた後、その負荷がなくなると、亀裂が閉じようとする。そのときに「加工硬化」が起こり、亀裂部の柔軟性が失われる。その繰り返しにより加工硬化した亀裂が進行していく。 ガラスや金属の破壊は表面の小さな傷から進行する。表面に圧縮力がかかり続けるように処理する。ガラスだと急激に冷やす。金属だとショットピーニングや高周波焼き入れ。

Posted byブクログ

2012/03/17

ブログ「袖ケ浦在住非破壊検査屋」2012/3/17の投稿 (「おもしろサイエンス 破壊の科学」を読み終えました ( http://niwatadumi.at.webry.info/201203/article_7.html ) 「破壊」に関して言えばこれまで僕は金属ばかりに着...

ブログ「袖ケ浦在住非破壊検査屋」2012/3/17の投稿 (「おもしろサイエンス 破壊の科学」を読み終えました ( http://niwatadumi.at.webry.info/201203/article_7.html ) 「破壊」に関して言えばこれまで僕は金属ばかりに着目していました。したがって金属の破壊については周りの人にくらべ少しばかり余計に物知りだと自負しています。ところがガラスの破壊に関してはまったくの素人です ― この谷村先生の新著「おもしろサイエンス 破壊の科学」を読み進む際、なかなかスピードが上がらなかった自分なりの言い訳がこれです。その証拠(?)に本の半ば以降、金属の破壊に話題が移ってからは2時間弱で最後まで一気に読み終えることができました。 1つの話題について4ページでまとめ、それがおおよそ8項目で1章をなし、全体では4章からなるこの本の構成。読み始めてから折り返し点まで半月なので、だいたい1日1項目という遅々とした読書スピードだったわけです。 それが今日は残り半分を一気に読めたのは、雨の休日だったせい、では決してありません。ムスメを散髪に連れていったり新しい洗濯機を見つくろうべく木更津の○'sデンキに行ったり、こころ落ち着けてサイエンス読み物に没頭するにはなかなか困難ないつもどおりの休日ではあったのです。 しかるに、僕のアタマにすでにある金属の破壊に関する話題が、より簡明に解説されていたからこそ、母娘に気を散らされながらも読書スピードがアップしたのだと思うのです。 確かに後半の金属編は簡潔でしかも明快、文章としてもこなれているように感じました。逆に前半、特にガラスの壊れ方編はじっくりゆっくりと読みたい解説で、へぇーと思える知識も仕入れることができました。 さて、全体で約140ページ、うち3分の1ほどが図表・イラストなので、実質100ページに満たない文章制限のうちに専門外の人達を想定して「破壊」を解説するわけですから、筆者の労力は大変だったろうと察せられます。 僕の書棚にある「やさしい微積分」という数学本の訳者あとがきに、著者であるポントリャーギンの言として、「本は入念に書けば書くほど薄くなり、それだけ書くための労力が大きくなる、おおざっぱに言って、著者が綿密さを2倍にすれば、本の厚さは半分になる、つまり2倍の労力に対して、支払いは半分になる。したがって、著者への支払いは、なされた仕事の2乗に反比例する」とあります。 ロシアの支払い契約のしくみはともかくとして、その道に造詣の深い著者によって噛み砕かれ消化された文章が簡潔明快であることに異論はないでしょう。 そうしてそれは読者の側にも言えることで、今後僕がガラスについて勉強し、知識が積み重なったときにあらためてこの「おもしろサイエンス 破壊の科学」を読めば、たぶん前半も2時間ほどで読了できるはず、と思うのであります。 ただ、「破壊」という言葉が前面に押し出されたサイエンス本を、どういう人が書店で手に取るのか。著者が想定したのは決して僕のような工学好きオジサンではないのだろうけれど…。

Posted byブクログ

2012/03/15

破壊というとても難しい現象が、実例だけでなく、日頃目にする例をできるだけ多く触れることで、とてもわかりやすく説明されています。普段は、既に壊れたものを相手にしていることが多いのですが、その特徴やメカニズムに触れ、本業の理解も深まりそうです。また、読み始めたばかりですが、新しい分野...

破壊というとても難しい現象が、実例だけでなく、日頃目にする例をできるだけ多く触れることで、とてもわかりやすく説明されています。普段は、既に壊れたものを相手にしていることが多いのですが、その特徴やメカニズムに触れ、本業の理解も深まりそうです。また、読み始めたばかりですが、新しい分野の知識の扉をくぐれそうです。

Posted byブクログ