3.11を心に刻んで の商品レビュー
3.11を忘れない、そのためには言葉で刻んでいくことが必要なのだと思った。そして、筆者たちの言葉の力が試されている書籍だと感じた。
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【読むきっかけ】 梨木香歩さんの文章があると知ったため. また,原発への賛否両論や変わらず下降の一途を辿る日本の政治・経済の閉塞感に辟易していたこと. 人類史に残る天災と人災を(ニュースなどで)観ても,相変わらずな生活を送っている自身に対する焦燥感から,変わるきっかけがあればと思い,手に取りました. 【内容】 第Ⅰ部 岩波書店HP上の連載のまとめ 各筆者による,被災者へのメッセージがほとんど. 少し,反原発についての主張があります. 第Ⅱ部 同筆者らによる書き下ろし. 被災地の現状.原発の責任論.安全神話論や技術文明に対する奢り.残された私達がどう生きていけばいいか,についてなど. 【まとめ・感想】 言葉にするのは簡単ですが,私に足りないのは想像力なんだと,そう感じました. 例えば, ・東日本大震災だけで帰宅難民や,都市の脆弱性が見えた.これが直下型だったら… ・安全神話は繰り返されてきた.水俣の経験が生かされていない.身の回りにはまだたくさんの安全神話がある… ・脱原発に対して,自然エネルギーなど注目を浴びているが,自然エネルギーの安全性ばかりに目を向けすぎてないか??… どんなに小さいリスクでも,リスクとして心の片隅におけるかどうか.あらゆる意見を理解し,考え,リスクを見つけることが,批判することが学者に求められる. 想像力の一助として,遠人愛は方法の1つとなりうる. インスタントコーヒーの原産国,製造国,輸入業者,卸売業,スーパー,私.値段を考えれば,どのくらいの賃金で,向こうの人は働いているのだろう,とか. 斉藤環さんの優しく,未来の暖かなメッセージには,ツェランという詩人が,言葉を海に投げた「投瓶通信」に例えていることを挙げ,未来の自分を含む「あなた」に現実の豊かさを取り戻すものだから,今は言葉の無力に嘆いても,やがて言葉を取り戻し,豊かさを取り戻そう.とあります. リスクに目を向け(でも,向け過ぎると身動きが取れない) 遠人愛を考え,投瓶通信を続けていく.やがて来る,大きな潮流を信じる. まだ意識レベルの理解ですが,当面は一つ一つのホットトピック(原発の賛否や,外交関係など)について本を読むことが大事だと考えています. 最後に,深く考察をする方法について次のようなことが少し書かれてあり,参考にしたいと思います. テーマについて,結論を急がず,自由な発想を許すことが大事である.
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