藤澤清造短篇集 の商品レビュー
難しいものではない 楽しいものでもない なにか癒されるいくような 優しさ またいつか 手に取って読みたい
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壮絶な最期を遂げた作家の短編集。西村賢太氏の著作で紹介されて読んだがやはり貧困状態でのカネ、オンナと身につまされるエピソード多数。
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歿後弟子を自認する芥川賞作家、西村賢太氏の尽力によって日の目を浴びることになった大正時代の作家藤澤清造の短編集です。前編にわたって鬱勃した内容が延々と続いていきますが好きな方にはたまらない、でしょう。 歿後弟子を自認する芥川賞作家・西村賢太氏が厳選し、巻末には詳細な難解と思われ...
歿後弟子を自認する芥川賞作家、西村賢太氏の尽力によって日の目を浴びることになった大正時代の作家藤澤清造の短編集です。前編にわたって鬱勃した内容が延々と続いていきますが好きな方にはたまらない、でしょう。 歿後弟子を自認する芥川賞作家・西村賢太氏が厳選し、巻末には詳細な難解と思われる語句と内容の解説と藤澤清造の人生をダイジェストでまとめられた年表まで収録されたまさに『藤澤製造てんこ盛り』の短編集です。代表作の『根津権現裏』を読んでいたとき同様、西村賢太氏はここに掲載されている藤澤清造の作品をかき集めるためにあらゆるすべを使い、当時同棲した女性や彼女の実家に金銭的なことをはじめとするあらゆる迷惑をかけたんだななぁと、そうした積み重ねによってこの本は世に送り出されているんだなぁと思うと、一字一句を追いながら、行間にものすごくどす黒い『執念』を感じてしまいました。 もちろん、貧困と流転の果てに梅毒となって芝公園で凍死するという最期を遂げた作家の作品が読んでいて明るい気持ちになるかというとそんなことは一切ありません。『一夜』では盛り場で遊ぶ友人達に恥を忍んで僅かながらの金を恥を忍んで無心する男を描き、『ウイスキーの味』は神田神保町にあるカフェーの客となった主人公が周りの客の立ち振る舞いに不快感を感じ、また自らの疎外を痛感するもので、最初から『しみじみ金がない』ということが前編にわたってほとばしっております。 『刈り入れ時』では徹頭徹尾に渡って借金の話で、少なからぬ額の金を無心しては断られ、無心しては断られと言うまさに踏んだり蹴ったりの主人公と物語に哀切あるものが流れておりました。そういう何というのか…。貧困。病気。さらには母親の死…。という短編が延々と続いたあとに劇作家でもあった藤澤清造の書いた『恥』と『嘘』という2つの戯曲も巻末に収録されております。『恥』は当時の関東大震災がモチーフになっていたり『嘘』で展開される『妻の不貞』をモチーフにした作者独特のセリフの掛け合いと『戯作者』としてのユーモアにあふれたものですが、その『文』としての面白さゆえに日の目を見ることが出来なかったのかもしれないと、そんなことを考えておりました。 西村賢太氏のよっぽどのファン以外は正直、受け付けるのは難しいかもしれませんが、『規格外の作家』といわれる西村賢太氏の『魂のルーツ』を探りたい方は一読をされてみてはいかがでしょうか?
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最初の方のいくつかの短篇は、面白く読めたが、中盤から正直、「この作品の面白みって、どこにあるの?」と、作品のサビ、美味しい部分がよくわからなかった。西村賢太が没後弟子と慕っている作家であるが、西村作品の様な悪意とユーモアをあまり感じられなかった。
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貧乏と病苦に喘ぐ若者のやり場のない鬱屈とした思い。思いと言うかただやるせない感じ。ちょっとしたことがちょっとだけ違ったら自分はもっとうまくいってたんじゃないかというやるせない感じがある。そこに自分を危うく重ねてしまいそうになるけど、僕はそうはしないとこう。危険だから。
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