建築の大転換 の商品レビュー
後半急に話が難しかったけど、藤森てるぼ先生との三角対談が良かった。伊東センセイとは諏訪つながりだったんだ…。
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これは伊藤豊雄の本ではなくて、中沢新一の本だ。「ものをつくっていると、言葉では説明ができない部分が必ず出てくる」というのは藤森照信も収録の鼎談で言っていたけれど、伊藤豊雄の言葉にできない心持に、中座さんがかなり尾ひれとサイキックをのせてしゃべり倒す本。おもしろい。 近代建築、ひ...
これは伊藤豊雄の本ではなくて、中沢新一の本だ。「ものをつくっていると、言葉では説明ができない部分が必ず出てくる」というのは藤森照信も収録の鼎談で言っていたけれど、伊藤豊雄の言葉にできない心持に、中座さんがかなり尾ひれとサイキックをのせてしゃべり倒す本。おもしろい。 近代建築、ひいては分業特化したあらゆる専門性のタコツボ化、そのいきすぎた独善性に警鐘を鳴らすあたり、クリストファー・アレグザンダー的でもある。「パターン・ランゲージによる住宅の生産」で紹介されたメキシカリの半セルフビルド実験のような……。 しかし大転換というわけでもない。浮足立っているの諫めるような、「建築の着地点(を想像する)」くらいがちょうどいいタイトルではないかな。と、僭越ながら。 --(以下引用)-- 「これを見ていて思ったことがあります。僕は最近経済学に凝っていて、今の経済学はつまんないな、と思うことがすごくありまして、それより前の、重農主義の経済学をアナクロニズムで勉強しています。どんな考え方かというと、重農主義というくらいですから、農業が大切なんですね。つまり、ものの「価値」をつくりだすのは自然だ、という考え方です。価値というものは、究極的に自然がつくりだしてきたものであり、それを人間社会は取り込むという循環が経済の基本に据えられていなければならない、という考え方で、フィジオクラシー(psysiocracy)と言います。フィジはフィシス(psysis)、つまりギリシャ語の「自然」で、クラシ―(cracy)とは「管理」のことです。「自然管理」というと、人間が自然を管理すると考える人がいるんですが、そうじゃないんです。自然のほうが人間を管理する、という考え方です」p.81 「建築は土地と結びついているし、土地なしの建築はありえません。農業もそうです。土地と密接に結びついています。建築と農業というのは、実はとても似ているんですね。たとえば斜面に住宅を造るときに「棚田造成」なんて言いますけれども、あの造成の仕方は農業にもともとあったものですし、この二つはともに土地というものと強く結びついていますね。でもそのことを建築家は忘れてしまっているのではないですか」p. 84
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著者二人の対談がメインになった本です。 4回の対談が収録されているのですが、その途中で東日本大震災が発生します。 東日本大震災の前後で対談のトーンが全然違うのがリアルですね。 そして、中沢新一さんの考え方がとてもユニークで刺激的でした。 特に巻末に掲載されていた「建築のエチ...
著者二人の対談がメインになった本です。 4回の対談が収録されているのですが、その途中で東日本大震災が発生します。 東日本大震災の前後で対談のトーンが全然違うのがリアルですね。 そして、中沢新一さんの考え方がとてもユニークで刺激的でした。 特に巻末に掲載されていた「建築のエチカ」が印象的です。 内容は、チベット高原にある仏教建築の考察なのですが、自然や土地と、人工物である建築の関係性に迫る部分がとても考えさせられました。 建築は人間が作るものになるので、どうしても幾何学な構造体がデザインされがちなのですが、その中でいかに「自然との調和」を促すか? 大震災以降のとても大切なテーマになると思います。 もし、完全に自然と調和した建物が作れたとしたら、それは地面との関係というかバランスが絶妙に成り立っている。 私もそういった建物を設計したいものです。
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3.11以後であることをふまえた、 伊東さんと中沢さんとの対話の記録。 伊東塾などでもたびたび招聘しているだけあって、 話のテンポがよく、 中沢さんは知識の豊富で、 伊東さんは誠実でひっかかることなく読めて勉強になった。 建築が何処へ向かうのか、歴史的な視点で考えていると感じた。
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中沢新一と建築家・伊東豊雄の対談。伊東氏の建築を軸に、いつもの中沢節が展開されていきます。 しかし、ここんとこピントがずれてるように思えた中沢節が、共に語ることで近代建築批判にシフトできたように見えるのは、やはり伊東氏の形象化能力の賜物でありましょう。
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伊東氏の諏訪湖への愛を再確認。近代的な都市計画で復興してはならないという建築倫理の提起。中沢氏の言いたいことは理解できるが、あまり共感できない。
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地べたとのつながりを感じるかまどのある家に住み、見返りを求めない太陽のエネルギーの贈与を受ける暮らし。この考えが良いんじゃないか、という気付きが生まれる本でした。
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ありがちな3.11後のマインドとして「昔の生活に戻ろう」や「共同体を取り戻そう」的な本と一線を画するのは、年の功?多分、多くを語る前にみんなの家を作っちゃったことでしょう。
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自然と建築の関わりをキアスムという観点や竈のあった民家から考えてみるなど、最初から最後まで興味深く読めた本。今後迎えるであろう第八次エネルギー革命がどうあるべきかを、地球誕生から3.11以前の社会の動きを幅広く深く解説しながら、示唆している。おもしろい、また読む。
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中沢がマルクスを援用して「人間の世界の事は人間の外の事に決定されていて、人間は自分たちの世界をつくるけれどもその世界の根底にあるものは、外にあるものと矛盾しているから、作り出したものは必ず部分的に改変したり組織を解体したりしなければならない」といい、その考えは伊東の自然と人間のネ...
中沢がマルクスを援用して「人間の世界の事は人間の外の事に決定されていて、人間は自分たちの世界をつくるけれどもその世界の根底にあるものは、外にあるものと矛盾しているから、作り出したものは必ず部分的に改変したり組織を解体したりしなければならない」といい、その考えは伊東の自然と人間のネゴシエーターとして建築家を捉える考え方と共鳴する。反転する建築とキアスム構造などの視点も興味深い。
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