復興に命をかける の商品レビュー
震災からの復興方針、その根底にある政治家としての考え方が書かれた本。 指導者としての役割やあり方が書かれているが、それが今の日本の政治家にどれ程備わっているかが甚だ疑問。 眼の前のことに精一杯になりがちな市民に対して、正しく現状を伝え、長期的な視点に立ってbetterな選択肢...
震災からの復興方針、その根底にある政治家としての考え方が書かれた本。 指導者としての役割やあり方が書かれているが、それが今の日本の政治家にどれ程備わっているかが甚だ疑問。 眼の前のことに精一杯になりがちな市民に対して、正しく現状を伝え、長期的な視点に立ってbetterな選択肢を提示する事が政治家の役割なのではないだろうか。 大規模な自然災害からの復興においても、単なる復旧を目指すのではなく、地域が目指すべき姿を提示する事が必要なのではと考えさせられた。
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元自衛官という珍しい経歴の知事。自衛官をやめて、松下政経塾に入塾後、宮城県議会議員を経て宮城県知事となった。東日本大震災で被害の大きかった宮城県の知事として、復興への取り組みの数々を紹介している。 心に残ったのは、復興とは全く関係ないのだが、防衛大の校長が指揮官としてのあるべき姿...
元自衛官という珍しい経歴の知事。自衛官をやめて、松下政経塾に入塾後、宮城県議会議員を経て宮城県知事となった。東日本大震災で被害の大きかった宮城県の知事として、復興への取り組みの数々を紹介している。 心に残ったのは、復興とは全く関係ないのだが、防衛大の校長が指揮官としてのあるべき姿を話した以下の箇所。 「ある日の全校朝礼の際、土田先生は全学生の前で、…次のようにお話になりました。 『君たちは将来自衛隊の幹部として、部下の死に直面するような事態に遭遇するかもしれない。そういった時には決して自分を見失って、取り乱してはいけない。私がかつて警視庁の警務部長時代に、家に送られてきた爆弾によって大切な女房を失い、息子が重傷を負った事件のことはご存じだと思う。部長席に座って仕事をしている時に部下がそのことを私に報告に来た。私はあまりのショックに足が震えた。しかし、ここで我を失うと部下が動揺すると考え、まず、『お尻の穴をきゅっと締め』、『へその下に力を込め』、『大きく深呼吸して』、すっと立ち上がり、平静を装って指示を出した。…』」 この土田先生の話自体もさることながら、この講話が東日本大震災に対応を迫られた知事に活かされていることに感銘を受けた。
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宮城県知事の村井氏の東日本大震災後の復旧・復興の取組み。震災から1年以上を経た現状認識と痛感する日本の国づくり、運営の不備。二度と同じ過ちを繰り返さないための将来に向けた意識改革と制度改革の重要性が浮き彫りになった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
現職の宮城県知事である村井嘉浩氏が書いた震災時から現在に至るまでの宮城県の記録。 読みやすくまとまってはいるが、公文書を読んでいるような印象を受け、いささか退屈にも思えた。 だが、この本の売り上げはすべて社会貢献に役立てられるそうなので、それを思えば薦めたい。 ただし、p188以降の宮城県の一般財源の使い道を説明した記述は秀逸。 平成22年度の宮城県の一般財源の5500億円のうち、「人件費が2208億円」、「公共事業費が106億円」であり、公共事業費はわずか2パーセントにすぎないそうだ。 一般的に、「財源がないなら公共事業を止めたらどうだ?」とは言われるものの、実際にはそれでは根本的な対策にはなりえないことがよく理解できた。 また、人権費のうち、その85パーセントは教職員と警察官である。 これらの人件費を削減するのは、職務の重要性から削減対象にはしにくいし、法律で定数が決まっており、知事の権限で削減対象とはできないとのこと。知らなかった。
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著者の誠実な人柄が伝わる。震災対応が主かと思ったが、知事としての政治姿勢などが半分を占めていた。もっと震災対応に特化していれば満点だった。それでも内容としては満足。
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震災からの復興という機会を、復元ではなく国に頼らない一本立ちした宮城になることとしてグランドデザインを描いている。私が本書を手にとったのは、震災から1年というタイミングもあったが、復興という話以上にこの大改革プランを考えている村井知事の考えを知りたかったから。 もっと詳細を知り...
震災からの復興という機会を、復元ではなく国に頼らない一本立ちした宮城になることとしてグランドデザインを描いている。私が本書を手にとったのは、震災から1年というタイミングもあったが、復興という話以上にこの大改革プランを考えている村井知事の考えを知りたかったから。 もっと詳細を知りたくなるほど、よく考えられたもので、1地方の首長にしておくのがもったいないほどである。ここまでドラスティックな変革を起こそうと考えていると、色々なところから「現状維持」を目的とした様々な抵抗・反対・批判が出てくるはず。 しかしこれは首長として何としても進めるべき大正論である。この正論が本当に正論かどうかは未来がきちんと評価してくれる。村井知事はそれを信じているようである。様々な圧力に屈せず、突き進んでいただき、ぜひ成功を掴んでいただきたい。 そしてその他の地方も、この宮城の政策から、国に頼らない自治ができるようになってもらいたい。そうすれば、瀕死の日本はドラステッィクに変わる。生まれ変わる。村井知事、頑張れ!!
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未曾有の大災害をもたらした東日本大震災。震災で壊滅的な被害を受けた宮城県では、現在、復興計画が順次進められている。復興は日本人の誰にとっても他人事ではないでしょう。 復興の陣頭指揮をとる村井宮城県知事は、こう語ります。 「大震災からの復興を加速させ、震災前よりもさらに素晴らし...
未曾有の大災害をもたらした東日本大震災。震災で壊滅的な被害を受けた宮城県では、現在、復興計画が順次進められている。復興は日本人の誰にとっても他人事ではないでしょう。 復興の陣頭指揮をとる村井宮城県知事は、こう語ります。 「大震災からの復興を加速させ、震災前よりもさらに素晴らしい東北を創る。道州制を導入し、フルモデルチェンジを成し遂げた力強い日本を次世代にバトンタッチする。それが日本の将来のために、われわれの世代が今なすべきことである」 批判を恐れず、全体の利益を最優先にして復興に取り組む村井宮城県知事。 本書では、復興のすべてが初めて語られています。
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