中国スパイ秘録 の商品レビュー
米ジャーナリストによる中国のスパイ活動について書かれた本。米国における中国のスパイ活動に関する裁判記録や莫大なインタビュー結果を基に、中国のスパイ活動を暴いている。中国の諜報活動の実態を垣間見ることができた。 「(「千の砂粒」について)海辺がターゲットだとする。ロシアは工作員を...
米ジャーナリストによる中国のスパイ活動について書かれた本。米国における中国のスパイ活動に関する裁判記録や莫大なインタビュー結果を基に、中国のスパイ活動を暴いている。中国の諜報活動の実態を垣間見ることができた。 「(「千の砂粒」について)海辺がターゲットだとする。ロシアは工作員を送り、こっそり情報を盗み取って、バケツ何個かに砂をつめモスクワに持ち帰る。アメリカは衛星を使って大量のデータを作成する。中国は、一千人の観光客を送り砂を一粒ずつ取ってこさせ、タオルをはたかせ、ついている砂を落とさせる。結果的に、現地の砂について一番よく知ることができるのは中国だ(ポール・ムーア(FBI上級分析官))」p13 「中国人がからむスパイ事件がほかの国と著しく違うのは、さまざまな事件が重なり、つながり、もつれ合って枝分かれしていく複雑なスパイ・ネットワークをなしている点である」p322 「(中国のアメリカに対するスパイ活動は、)「いつでもどこでも、幅広く、常に」遂行されている(ポーター・ゴスCIA長官)」p327 「風を通さぬ壁はない(中国スパイ手引書)」p328
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【187冊目】FBIの対中国諜報部が雇っていた情報提供者が、実は中国国家安全部にリクルートされた二重スパイだったという「パーラーメイド」事件の話。 大変興味深いアネクドートや、素晴らしい警句が書かれている。ただ、各章ごとに時系列がバラバラであることから、極めて読みづらい。登場人物...
【187冊目】FBIの対中国諜報部が雇っていた情報提供者が、実は中国国家安全部にリクルートされた二重スパイだったという「パーラーメイド」事件の話。 大変興味深いアネクドートや、素晴らしい警句が書かれている。ただ、各章ごとに時系列がバラバラであることから、極めて読みづらい。登場人物がたくさんいて、しかしそれは著者が言う中国スパイネットワークの複雑さを表すものだと我慢するとしても、だからこそ、きちんと時系列に従って語ってほしかった……語り口で損している本。
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FBI米連邦捜査局と中国スパイとの諜報戦を描いた作品。中国国家安全部が張り巡らす諜報網をFBIの捜査官たちは何年もかけて一本ずつ解き解していく。本書に登場する「カトリーナ・レアン事件」は、私もニューヨーク特派員だった頃に取材したことがある。女性実業家カトリーナは中国国家安全部の諜...
FBI米連邦捜査局と中国スパイとの諜報戦を描いた作品。中国国家安全部が張り巡らす諜報網をFBIの捜査官たちは何年もかけて一本ずつ解き解していく。本書に登場する「カトリーナ・レアン事件」は、私もニューヨーク特派員だった頃に取材したことがある。女性実業家カトリーナは中国国家安全部の諜報員で、同時にFBIの協力者でもあるというダブルエージェント(二重スパイ)だった。FBIの担当捜査官JJスミスをハニートラップにかけて、米政府の機密情報を盗んでいたことから、スミスともに逮捕された。当時、私が保釈されたばかりのスミスに「なぜ、あの女にはめられたんだ?」と直撃したら、「俺は仕事をやっただけだ」と言い残して去っていった。自分も情報を渡したが、さらに重要な情報をカトリーナから得ていた、ということを言いたかったのだろう。(竹内明)
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中国のスパイと言えば最近ではサイバー攻撃が話題に上がるが本書の主体はもっと地味だ、スパイ大作戦ではなくアメリカにいる中国系の一般市民から薄く広く情報を集めている。 一般市民とは言え中にはグリーンカードを持ちながらも祖国の中国シンパがいて例えば中国政府の招待で旅行をし、ついでに中国...
中国のスパイと言えば最近ではサイバー攻撃が話題に上がるが本書の主体はもっと地味だ、スパイ大作戦ではなくアメリカにいる中国系の一般市民から薄く広く情報を集めている。 一般市民とは言え中にはグリーンカードを持ちながらも祖国の中国シンパがいて例えば中国政府の招待で旅行をし、ついでに中国の科学者相手に講演を行うとかで、多分本人にはあまり罪の意識は無いようにしてるのだろう。 本書の主役と言えるのはカトリーナ・レオン、華僑の中でもまとめ役となりFBIのスパイにして中国側の二重スパイ。見た目は大助花子の花子なのだがFBIの担当官二人と肉体関係を持ち逃げ延びた。中国訪問時には江沢民とも直接面会している。FBIの担当官も花子じゃなくてレオンに疑惑を持ちながらも自分の立場(二重スパイとの関係がばれること)を怖れたのか情報はだだ漏れのままで、とても防諜と言える様な体制ではない。 以前に読んだサイバー・クライムでもネット上の攻撃の中心は中国とロシアとはっきりしている。中国が自分たちもサイバー攻撃の被害者と言うのはほぼ無視していいし、中国のサイバー攻撃能力はかなり高い。本書にあるようにヒューミント=人間関係に基づく諜報能力もかなり高い。 ジョン・ル・カレを彷彿させる現実のろくでもない物語でした。
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