義母と民宿の母娘 の商品レビュー
物語としてのメインヒロインと官能方面で脇を固めるサブヒロイン達
リアルドリーム文庫における「小鳥遊葵+岬ゆきひろ」のコンビも3作目を数え、もはや鉄板の組合せと称してよかろう。小鳥遊作品のテイストがこうも的確にビジュアル化できる絵師さんも他にはいないと断言したい。この匂うように薫り立つ熟女感が相変わらず堪らない魅力となっている作品である。 ...
リアルドリーム文庫における「小鳥遊葵+岬ゆきひろ」のコンビも3作目を数え、もはや鉄板の組合せと称してよかろう。小鳥遊作品のテイストがこうも的確にビジュアル化できる絵師さんも他にはいないと断言したい。この匂うように薫り立つ熟女感が相変わらず堪らない魅力となっている作品である。 しかし、今回は主人公(義息)とメインヒロイン(義母)のやるせない心情や葛藤に重きを置いた物語によって肝心の官能描写が後回しにされてしまったようである。後回しとは文字通りの後回しであり、ストーリーの展開として終盤に置かれている訳で、ここに至るまでを旅先の民宿で出会った、自由奔放な女将&仲居の母娘コンビが補う構成となっているのだが、このサブヒロイン2人の先行を許す義母の揺れる心情(すなわち嫉妬の)描写が少し引っ張り過ぎに感じられるのである。義息の恋慕の情もまた然り。 いや、確かに女将の妖艶な熟女感は素敵だし、主人公を求める背景もきっちり描かれている。むしろ、娘の方に「出会ったばかりなのに奔放過ぎるのでは?」と若干安易なテイストが醸されてしまい、その反面、オイシイところは他の熟女達に掻っ攫われてしまう板挟み感もあって、いっそのこと熟女2人ヒロインの方がすっきりしたかもしれない印象でもあるのだが、何より焦らしに焦らした義母と義息の心と体の合体が「焦らし過ぎて未消化」に感じざるを得ないのである。 この匙加減を素人が物申すのも憚れるところだが、物語として幾つかに構成された大きなブロックの組み順に一考の余地を感じさせる内容だったと言わねばなるまい。義母と戯れる前半から「いやっ、ダメっ」と言いつつ昂ぶっていく官能面が充実しているだけに惜しい。
DSK
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