LA・ジャズ・ノワール の商品レビュー
中山先生はえらい。西海岸ジャズはたしかにちゃんと論じられてなくて、非常に貴重。 パーカーが使っていた薬物が覚醒剤のベンゼドリン(アンフェタミン)であることを確認。そうよね。ビバップは覚醒剤の音楽。 ステージに上がっては怒られるオーネット・コールマンまわりの記述が笑える...
中山先生はえらい。西海岸ジャズはたしかにちゃんと論じられてなくて、非常に貴重。 パーカーが使っていた薬物が覚醒剤のベンゼドリン(アンフェタミン)であることを確認。そうよね。ビバップは覚醒剤の音楽。 ステージに上がっては怒られるオーネット・コールマンまわりの記述が笑える。
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アメリカ西海岸のジャズ、つまりウェストコースト・ジャズは、なぜかジャズの歴史のなかでは軽視される傾向にある。それは西海岸のミュージシャンを好んで聴いてきた私としては大きな疑問であったが、軽視されているだけに情報も少なく、そこに不満や物足りなさもあったのだ。本書は、そんな「日陰者」...
アメリカ西海岸のジャズ、つまりウェストコースト・ジャズは、なぜかジャズの歴史のなかでは軽視される傾向にある。それは西海岸のミュージシャンを好んで聴いてきた私としては大きな疑問であったが、軽視されているだけに情報も少なく、そこに不満や物足りなさもあったのだ。本書は、そんな「日陰者」の扱いを受けている西海岸ジャズについて真正面から取り組んでおり、書店で見つけたときは思わず興奮してしまった。 西海岸ではジャズの歴史でも重要な出来事が起きている。チャーリー・パーカーの重要なセッションのいくつかはロサンゼルスで、地元のミュージシャンを交えて行われているし、若き日のオーネット・コールマンやエリック・ドルフィーが拠点としていたのも西海岸だった。それは東海岸のジャズをとってつけたようなかたちではありえないほどの豊かな音楽的な土壌を感じさせる。そして、ときに独特な歪みと異形の音楽をも生み出し、それが後の時代、西海岸のヒップホッパーにとって格好のサンプリング素材となるという流れも面白い。 観光地として西海岸の「明るく健康的な」イメージは過剰にデッチあげられたが、そのイメージは音楽に対しても同じだった。しかし、その虚像にメスを入れるとドロドロした危険な音楽の原液があふれ出す。本書はそんなワクワクするような雑多で豊穣な音楽の風景が描かれているのだ。
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