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紛争と開発 の商品レビュー

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2013/02/05

 紛争と開発に関する教科書的な本。内容は包括的で広く浅く、この分野に関わる人には一読を勧めたい。  勿論、教科書的な内容なので、たとえば紛争要因についてはコリアーらの議論を取り上げつつも、他の内戦の数量分析のデータやその分析結果等を取り上げていない。結果として経済ファクターを重...

 紛争と開発に関する教科書的な本。内容は包括的で広く浅く、この分野に関わる人には一読を勧めたい。  勿論、教科書的な内容なので、たとえば紛争要因についてはコリアーらの議論を取り上げつつも、他の内戦の数量分析のデータやその分析結果等を取り上げていない。結果として経済ファクターを重視し過ぎのように移るなど問題もあって、これは他の部分についても、その分野の専門家からすれば不満があるかもしれない。でも、教科書的な導入としてはそれで役割を果たしていると思う。  ちょっと気になるのは、訳者の個性や年代(年齢)もあり、訳語や訳し方に違和感というか、しっくり来ない箇所が多々あること。これは訳者の個性かもしれないけど、他の研究者に対してかなり嫌みな表現を用いている箇所などは、原著でもそうなのだろうか(ちなみに違和感に関しては、訳語の問題で、この嫌味な表現は別の話)。  またどうでも良い事だが、こういう訳書で、前書きの推薦文に、著者ではなく訳者との思い出をつらつら書くというのは非常に異例で、意味不明ですらある。訳者自身もそんな事望んでいなかったと思うのだけど・・・。

Posted byブクログ