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ホットスポット の商品レビュー

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10件のお客様レビュー

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2017/01/23
  • ネタバレ

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2012年刊。フクシマに関して放射能汚染地図に関するドキュメントを作成したNHK記者による当時の記録とその裏面を開陳した書。内容は言わずもがなであるが、①NHK上層部・管理職の、長いものに巻かれろ、余計なことはするな、換言すれば隠蔽体質を暴露した面、②当該報道に批判的な現地住民の声を載せた点、③地元で使う東北電力ならばまだしも、なぜ東京電力なのか、という被害住民の声を明確に載せた点は高く評価したい。特に①。内部告発に近いよ…。という意味で、NHKがこの長所を維持できるか、今後も十分ウォッチすべきか。 労働者・財界何れの影響力を考えると、東京電力批判の記事は広告に直接依存しない立場でなければ、報道しにくいからだ。そういう意味でも、①がありながら本書刊行に至らしめた出版社とその編集者、本書執筆者には心から敬意を表したい。なお、木村眞三氏、岡野眞治氏、田辺文也氏の名前とその著作は心に刻みたいところ。

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2016/07/24

ETV特集『ネットワークでつくる放射能汚染地図』の取材記であり、震災直後からの取材の舞台裏が描かれている。NHKについてはいろいろ言われているが、これを読むと本物のジャーナリズムがまだNHKの中に確かに存在していると感じられた。原発事故の現実についても考えさせられた。

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2015/11/01

震災の年に放送されたNHK ETV特集の「ネットワークでつくる放射能汚染地図」は衝撃的な内容だった。 この番組が、政府・社会に与えた影響は大きかったと再認識。 その番組を担当したメンバーの苦闘の記録、本来の使命に忠実な科学者とジャーナリストの物語。 何人が、今のNHKに残っている...

震災の年に放送されたNHK ETV特集の「ネットワークでつくる放射能汚染地図」は衝撃的な内容だった。 この番組が、政府・社会に与えた影響は大きかったと再認識。 その番組を担当したメンバーの苦闘の記録、本来の使命に忠実な科学者とジャーナリストの物語。 何人が、今のNHKに残っているのだろうか?

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2013/01/20

登場人物の木村真三氏は二本松で独協医科大学の国際疫学研究室の室長に就任。隣にはホールボディーカウンターもある。親戚が郡山でNPO法人立ち上げか。

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2012/09/27

番組を見たかった。 番組を見ていないと、「本編を知らずにメイキングをみた」状態になるかも。 報道関係の方々は、この本だけでどれだけ大変なことなのかわかるのでしょうが、私には経験と想像力が足りませんでした。 でも、これから何年も何十年も放射線の地道な計測が必要な国になってしまったの...

番組を見たかった。 番組を見ていないと、「本編を知らずにメイキングをみた」状態になるかも。 報道関係の方々は、この本だけでどれだけ大変なことなのかわかるのでしょうが、私には経験と想像力が足りませんでした。 でも、これから何年も何十年も放射線の地道な計測が必要な国になってしまったのは、痛いほどよくわかりました。 原子力という御せないものを相手にするときには、英知を集めた科学をもって判断するべきだと強く思いました。 政治や経済をベースに原子力を考えてはいけない。これが教訓。

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2012/07/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

P12 本書はディレクターたちが記した(ETV特集)シリーズ1回目から3回目の取材記になっている。 P283 ところでこの本では、通常の番組本では書かれない機敏な舞台裏も描かれている。それはNHKという組織内の状況もふくめ、番組制作され、放送にまで至ったプロセスを描かなければ、原発事故直後、日本中が「金縛り」にあったかのような精神状況、メディア状況下で作られた番組のメイキング・ドキュメントにはならない、と思ったからである。あれだけの事故が起こっても、慣性の法則に従うかのように「原子力村」に配慮した報道スタイルにこだわる局幹部、取材規制を遵守するあまり、違反者に対しては容赦ないバッシングをし、「彼らは警察に追われている」「自衛隊に逮捕された」など根も葉もない噂を広げた他部局のディレクターや記者たち。彼らはそのルールが正当であるのか否かを、自らの頭で考えようとはしなかった。有事になると、組織に生きる人々が思考停止となり間違いを犯すことも含めて描かなければ、後世に残す3.11後の記録とはならないと考えたのである。(七沢) まえがき(増田秀樹) 第一章 事故発生から4日、電撃取材が始まった(七沢潔) インタビュー1 木村真三博士に聞く・前編 第二章 科学者のネットワークを組む(七沢潔) 第三章 30キロメートル圏内屋内退避ゾーン──取り残された人々と動物たち(大森淳郎) 第四章 放射能汚染地図をつくる(七沢潔) インタビュー2 岡野眞治博士に聞く 第五章 飯館村──大地を奪われた人々(石原大史) 第六章 子どもたちが危ない──福島市・校庭汚染と不安(梅原勇樹) 第七章 原発事故は人々を「根こそぎ」にした(大森淳郎) 第八章 科学者たちの執念──検出されたプルトニウム(渡辺考) 第九章 人体の影響を測る──木村真三博士と二本松市の挑戦(山口智也) インタビュー3 木村真三博士に聞く・後編 「あとがき」に代えて(七沢潔)

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2012/06/10

国の情報提供の問題、地震直後の放射能調査の意義や報道者の使命感なんかもすごいのだけれど、干されていたディレクター、NHK内部でのやりとり、読んでいる自分の主体感のなさ、などいろいろ考えさせられた

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2012/05/05

震災から2ヵ月後、ETVで放送された特集番組『ネットワークでつくる放射能汚染地図』の取材の舞台裏を描いたドキュメント。 リアルタイムで観た時は「よく放送したなあこれ」と思ったものです。 基本的に放送された内容を忠実になぞっているので、被写体となった人たちや現地の有様について番組の...

震災から2ヵ月後、ETVで放送された特集番組『ネットワークでつくる放射能汚染地図』の取材の舞台裏を描いたドキュメント。 リアルタイムで観た時は「よく放送したなあこれ」と思ったものです。 基本的に放送された内容を忠実になぞっているので、被写体となった人たちや現地の有様について番組の視聴者が新たに知る事実はあまりなさそうですが、代わりに取材に取りかかるまでの経緯やNHK内部の小競合い、木村・岡野両博士へのインタビューなどが入っています。 何かの役に立つ本と言うより読み物として捉えると、手前味噌的な物はさておき読みやすい本だと思います。逆説的に映像の力を知った気がしないでもないですが、それこそ作り手の思うツボ??

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2012/04/29

あとがきに出てくる放射能の爪痕を残した巨大な手の正体は、我々一人一人を含む、近代日本そのもののような気がします。

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2012/04/06

 放映されて大きな反響を起こし,シリーズ化されたあの番組の舞台裏。しかし,この本では政府や東電や原発の専門家を批判し,疑問を表明するばかりで,読者が冷静に放射線のリスクを検討するための情報がまったく欠けている。こういう情緒に訴えかける本は(番組も),役には立たないな。悲観的過ぎる...

 放映されて大きな反響を起こし,シリーズ化されたあの番組の舞台裏。しかし,この本では政府や東電や原発の専門家を批判し,疑問を表明するばかりで,読者が冷静に放射線のリスクを検討するための情報がまったく欠けている。こういう情緒に訴えかける本は(番組も),役には立たないな。悲観的過ぎる。  事故直後から測定を始めた科学者の木村真三さんの経歴が興味深い。チェルノブイリの調査を,所属する研究所に止められてて,不本意だったところに原発事故が起きたらしい。速攻で辞表を出して(妻には事後報告!),測定へ赴く。熱血だなぁ。番組にかかわったNHKの人たちも,同様に熱意がこもっている。小出助教も関わっていると聞いたNHK幹部は,偏向しているのではないかと難色を示したというが,うまく押し切って放映にこぎつけたそうだ。  もちろん,「行政がやらないならば、自分たちで調べて公表する」という姿勢は立派で,この番組スタッフがそういう雰囲気の先鞭をつけたのは評価していいと思う。得られたデータも貴重だろう。ただ,本の内容は(番組の内容も)やはり理性でなく感情に訴えかけるだけで,いまいちだった。

Posted byブクログ