ハロランの東京大空襲 の商品レビュー
東京大空襲に遭った元B29飛行士で、日本軍の捕虜となったハロラン氏の貴重な記憶と、著者様の建てようとしていた東京大空襲・戦災資料センター開館への記録。広島原爆時の捕虜の悲惨さは、先日読んだものの、東京大空襲でも当然のことながらあったわけで。今年はたくさんの資料を手にし、自分なりの...
東京大空襲に遭った元B29飛行士で、日本軍の捕虜となったハロラン氏の貴重な記憶と、著者様の建てようとしていた東京大空襲・戦災資料センター開館への記録。広島原爆時の捕虜の悲惨さは、先日読んだものの、東京大空襲でも当然のことながらあったわけで。今年はたくさんの資料を手にし、自分なりの考えを固めようと思いますが、政治的思想は踏み込まないよ。
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戦後生まれの人にとっては戦争は想像上のものでしかない。世界の内戦のニュースなどは見かけるけれど、第二次世界大戦のような国の存続をかけた正に「大義名分」の戦争については知識として学校で習った程度でしかないことをこの本を読んで痛感した。戦争には大きいも小さいもなく、被害の大きさも関係...
戦後生まれの人にとっては戦争は想像上のものでしかない。世界の内戦のニュースなどは見かけるけれど、第二次世界大戦のような国の存続をかけた正に「大義名分」の戦争については知識として学校で習った程度でしかないことをこの本を読んで痛感した。戦争には大きいも小さいもなく、被害の大きさも関係なく、そこには「悲惨」といわれる光景しかない。 しかし、第二次世界大戦での東京大空襲の一部を垣間見て改めてその悲惨さと戦争が生む悲しみ、そして自分の無知を知った。 東京大空襲や広島・長崎への原爆投下だけを見て「戦争は悲惨だ」と思ってきたけれど、日本が他国へ行った行為についてもまたきちんと学び、事実を受け止めなければならない。それが私たち日本人が負うべき責任であると思う。 本書に登場したハロラン氏は加害者であり被害者である元米軍事だが、その事実を受け入れ、来日して取材を受ける姿になぜか嫌悪感は覚えなかった。それは当事者でありながらも「戦争」から逃げるのではなく、体験を後世に残さなければならないという信念を持っていたために敵味方に関係なく、そして自分の感情に流されることなく著者の質問に答える姿に逆に感謝の念さえ覚えた。 戦争は決して過去のものではなく、なにもせずに平和でいられることもなく、私たちは努力という大げさなものではなくても日本だけではなく世界の平和のために何ができるだろうか、どうして戦争が起こるのかといった関心を持ち続けることが大切だと改めて感じた。 本書の著者が館長となり設立された「東京大空襲・戦災センター」へは是非足を運ぼうと思う。
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