夜にはずっと深い夜を の商品レビュー
テレビでの飛び抜けた個性は計算されたもので実はものすごく頭のいい方なんじゃないかしら、とは思っていたのですが、まずカバー折り返しの紹介文にあった趣味と特技に圧倒されました。それだけハードルを上げて読み始めたのに中身は期待以上。完全にのめり込んで一気読み。気を付けていないと通り過ぎ...
テレビでの飛び抜けた個性は計算されたもので実はものすごく頭のいい方なんじゃないかしら、とは思っていたのですが、まずカバー折り返しの紹介文にあった趣味と特技に圧倒されました。それだけハードルを上げて読み始めたのに中身は期待以上。完全にのめり込んで一気読み。気を付けていないと通り過ぎそうな微妙なリンクや落としどころにしっかりはまり、最後まで読み終わってから思わず最初のページに戻って…また一周してしまいました。次作も是非読んでみたいです。
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好奇心で手に取ってみましたが、圧巻。精神的な分裂や自殺などを扱っていて恐ろしい内容なのに、その描き方がとてもシュール。けれどその裏に独占欲とか、ふつうの人も持っている欲や感情が描かれていて、ハッとさせられる。この不思議な距離感はテレビで見かける鳥居みゆきさんの姿そのままです。そ...
好奇心で手に取ってみましたが、圧巻。精神的な分裂や自殺などを扱っていて恐ろしい内容なのに、その描き方がとてもシュール。けれどその裏に独占欲とか、ふつうの人も持っている欲や感情が描かれていて、ハッとさせられる。この不思議な距離感はテレビで見かける鳥居みゆきさんの姿そのままです。それでいてこの本で際立つのがその着眼点の独特さではないでしょうか。例えば、冒頭で自分を線路の上のグミに例えています。置き石はダメだからと、グミを置く。そうするとグミは線路にひかれるのだけど、香りだけが残る。執拗に、かつ滑稽に死を描いてゆく様子に圧倒されました。
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「鳥居みゆき」の芸風をそのまま文芸にした感じ。鳥居みゆき好きならおもしろいんじゃなかろうか。この人すごいなぁ。
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ピアノマンさんのオススメ本 ただただ「変人の鳥居みゆき」という印象だけで読んではもったいない 表紙は黒マジックでむらを作りながらその一部に女性と思われる顔が描かれている。 本の中身は黒地ページに白文字で書かれており、不気味さを引き立たせている。 短編小説と妄想日記が書かれている...
ピアノマンさんのオススメ本 ただただ「変人の鳥居みゆき」という印象だけで読んではもったいない 表紙は黒マジックでむらを作りながらその一部に女性と思われる顔が描かれている。 本の中身は黒地ページに白文字で書かれており、不気味さを引き立たせている。 短編小説と妄想日記が書かれている。 その小説がどれも少しずつ繋がっており、 この文庫本全体の構成を考えた鳥居みゆきは ただの変人ではなく、とても賢い人間だと思った。
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ブレインストーミング的に自由で壊れた想像を彼女らしい言葉で紡いでいくような感覚に感じるんですけれど、その、表面には出てこない深いところには、ちゃんと彼女なりのしっかりした計算があるんだろうなぁと、解説も読んでそう思いました。計算というか様式美を持っているんじゃないかって気になりま...
ブレインストーミング的に自由で壊れた想像を彼女らしい言葉で紡いでいくような感覚に感じるんですけれど、その、表面には出てこない深いところには、ちゃんと彼女なりのしっかりした計算があるんだろうなぁと、解説も読んでそう思いました。計算というか様式美を持っているんじゃないかって気になりました。そして、ぎりぎりの精神で、それは病むか病まないかを意識していて、そういう「場」から物語を作っています。そこには彼女の挑戦があるのか、精神を病むことの怖れがあるのかはわかりませんが、彼女の芸風としてそういうのを扱っているようです。
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ザワっとする表現もあり、プププと笑える箇所もあり、これまともに捉えなくってもよいかなってお気軽な所もあり、鳥居みゆきさんらしい楽しめる一冊でした☆
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詩の如き編、連歌の如き編、一人芝居が目に浮かぶ編などバラエティに富んだ短編集。新書の発売日に新宿で見かけたことを思い出しました。読む時は、一人、ゆっくり、静かな場所で。
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どろどろとした事件を多角化した視線で内情から探り出していく際、いつだって人は散文的に言葉を発する。脳に浮かんだぽつぽつとした断続的発言を詰め合わせたような文体は、そのまま、飾り気がないようであるからこそ味わい深い印象をもった。 二度三度、読み返すごとに妙な違和感が少しずつ片付いて...
どろどろとした事件を多角化した視線で内情から探り出していく際、いつだって人は散文的に言葉を発する。脳に浮かんだぽつぽつとした断続的発言を詰め合わせたような文体は、そのまま、飾り気がないようであるからこそ味わい深い印象をもった。 二度三度、読み返すごとに妙な違和感が少しずつ片付いていく感覚が残る。一つの作品として纏まっている、内向的でありながら奔放な話の数々。奇をてらっているからこそどこか保守的。相反する感想を抱くのもまた、考えたそのままを書かれているように思われるからかもしれない。
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書こうと思って意図的に書けるような内容なのか、これ。 厨二が好みそうな語り口だけど、中身はかなり壊れていて。 散文的な文章が多かったから、もう少し長めのも読んでみたい。 「嫌われ松子の一生」みたいなのが出来上がりそう。
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奇妙な味の散文。 注意深く読んでいかないと読み解けない。 鳥居みゆき、 ハイテンションではなく、精神分裂を装う鬼才。
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