シスマの危機 の商品レビュー
ここまで読んできた感想をメモ程度に記しておく。1789年7月14日。バスティーユ牢獄が陥落する。その日を境に人民は革命の熱を上げ、10月5.6日にはヴェルサイユ宮殿へとその足が運ばれる。なんとなれば、市民の熱情は留まることを知らず、かつて抑圧を強いてきた貴族や王族へ沈殿していた怒...
ここまで読んできた感想をメモ程度に記しておく。1789年7月14日。バスティーユ牢獄が陥落する。その日を境に人民は革命の熱を上げ、10月5.6日にはヴェルサイユ宮殿へとその足が運ばれる。なんとなれば、市民の熱情は留まることを知らず、かつて抑圧を強いてきた貴族や王族へ沈殿していた怒りをぶちまけた。その功績は憲法制定国民議会の権勢を強めるに至り、教会財産の国有化や宣戦講和の権限の分有する議決がなされる運びとなった。だが革命の行く末はガニカニスムを悪と捉え、打ち倒すだけで解決するような単純なものではなくなってくる。アンシャンレジームはとうに脱却する向きであり、問題はむしろ革命を推し進める者が責任を持って正義を見通す眼差しを得るところであった。ここに着眼できていたのが革命のライオンと謳われたミラボーである。彼は第三身分の議員として革命を推進する活動を行いつつ、王族にも人権があるとして両方を擁護する姿勢をとった。革命を進めれば市民が喜び、議員たちの人気は保証される。だが、それに甘んじれば革命の精神からして本末転倒なのであり、足元をすくわれかねない。貴族よろしく権力を恣にするラファイエットなり、左派を極め反対派を叩き潰すロベスピエールなり、彼らの最後は暗かったことを我々は知っている。そして、ミラボーはその景色を見ていなかったにもかかわらず、そのことを知っていた。革命中の心理を我々は知らないので達観した目でものの良し悪しを見定めることができるわけだが、ミラボーは進行の只中で物事を見極めることができたことは驚嘆に値する。革命とは何か、ミラボーとしての革命とどのくらい差分があるのか。これから登場人物たちと見届けていくのが楽しみになった。
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東にロベスピエールが理想論をぶっていれば、行って現実に戻してやり、西にタレイランが己のプライドで話を台無しにすれば、行って後始末をしてやる。大臣も国王も議会も頼ってきたそんなミラボーが死んだ。そして革命はどこへ向かうのか。
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ミラボー死す。享年42歳。 欲得に忠実なミラボーと、理想を追い求めるロベスピエール。革命の物語はこれまで、この対照的な二人を中心に進んできたが、世間を知るミラボーの方が二歩も三歩も先んじていただけに、彼の死は喪失感が大きい。 この喪失感はルイ16世も感じただろうし、ラ・ファイエッ...
ミラボー死す。享年42歳。 欲得に忠実なミラボーと、理想を追い求めるロベスピエール。革命の物語はこれまで、この対照的な二人を中心に進んできたが、世間を知るミラボーの方が二歩も三歩も先んじていただけに、彼の死は喪失感が大きい。 この喪失感はルイ16世も感じただろうし、ラ・ファイエットごときでは埋まらないだろう、というのが佐藤氏の見方。
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シスマ=教会分裂。議会がますます混乱する中、ミラボーの死が迫る。 死の床でロベスピエールに「もっと自分の欲を持てさもないと独裁者になるぞ」と忠告するシーンに、歴史を知ってる身として唸らされる。自分に厳しい人は他人の弱さをわからない。納得。
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フェルゼン伯登場~! ベルばらのキャラが出てくると、それだけで嬉しい! とうとうミラボーが召されてしまった。惜しい。獅子がいなくなってしまったが最後、革命はテロルの谷底へ真っ逆さまに堕ちていくのか? 6巻は最後の力を振り絞るミラボーの奮闘とその死の物語。そしてロベスピエールの...
フェルゼン伯登場~! ベルばらのキャラが出てくると、それだけで嬉しい! とうとうミラボーが召されてしまった。惜しい。獅子がいなくなってしまったが最後、革命はテロルの谷底へ真っ逆さまに堕ちていくのか? 6巻は最後の力を振り絞るミラボーの奮闘とその死の物語。そしてロベスピエールの台頭を予感させる最終章には戦慄を覚えた。
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ミラボー死す。これで大きな第一幕が終わりという感じかな。 ミラボーが本当に国王を連れ出して新しい政権を立てようとしていたのかは証拠があるのかわからないけど、立憲君主制(とまで言い切れるか、国王ありきの旧体制の改変)の実現のために奔走していたミラボーならありそう。 ミラボーが消える...
ミラボー死す。これで大きな第一幕が終わりという感じかな。 ミラボーが本当に国王を連れ出して新しい政権を立てようとしていたのかは証拠があるのかわからないけど、立憲君主制(とまで言い切れるか、国王ありきの旧体制の改変)の実現のために奔走していたミラボーならありそう。 ミラボーが消えることで、ロベスピエールの決意が固まり、またタレーランがおいおいどうなっていくのか、これからもわくわくが続くところ。 政治のバランスを保つために尽力したミラボーがいなくなり、国王の亡命もふくめでこれからどう荒れていくのかな。 しかし、ベルばらのフェルゼンを思うといかにしょぼく描かれていることか。
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聖職者民事基本法の批准~ミラボーの死まで。 もうこれまで、というギリギリまで己の信念の為に戦い続けたミラボー。最期に際して、タレイランとロベスピエールという対極の2人にその胸のうちを洗いざらい話したのは、なんとか実現させたかったからだろう。 彼を理解しともに歩む人がいたら、病魔に侵されなければ、革命はどんな道を辿ったのか。 彼の言葉に、政治だけでなく人生とはまで考えさせられた6巻でした。
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とうとうミラボーが死んでしまった。この喪失感はどうでしょう。 さすが佐藤賢一、こういうアクの強い男を描かせると本当に上手いです。 そしてミラボー亡き後、潔癖ロベスピエールがどのように変っていくのか、あるいは変わらないのか、今後が楽しみです。
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1791年、国民議会の主役であったミラボー死す。 議会の暴走の歯止めの役割を国王に求め画策するが、 その考え方はだれにも理解されず、志半ばで病に倒れる。 さてこれから誰がフランス革命を導いていくのか? この巻の終盤は、今後の波乱を思わせる。 見識も熱い思いもないが立場だけは恵ま...
1791年、国民議会の主役であったミラボー死す。 議会の暴走の歯止めの役割を国王に求め画策するが、 その考え方はだれにも理解されず、志半ばで病に倒れる。 さてこれから誰がフランス革命を導いていくのか? この巻の終盤は、今後の波乱を思わせる。 見識も熱い思いもないが立場だけは恵まれている人間が、なにもかもぶち壊してしまう。そして歴史の流れが変わってしまう。 ついつい今の日本を思ってしまう。
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ついにミラボーが亡くなる。ミラボーの臨終の際は感動的である。 ミラボーこそ、革命の陰の立役者だ。また、革命が行きすぎないように抑えてきた常識者でもある。 ミラボーのいなくなったフランスは、暴走し始めるのだ。
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