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小出裕章 原発と憲法9条 の商品レビュー

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2013/05/15

日本が原発を持つ本当の狙いは、核兵器開発のためであることを、物理の分野と歴史の流れから証明している。講演はとてもわかりやすく、本書も同じく整然としている。

Posted byブクログ

2012/03/19

著者は原子力の平和利用を進めようと大学や院で学んだが、学ぶうちにその恐ろしさを知った。現在は原発反対・廃絶の論客の先頭にいるものとしてアクションを起こし続けている。 本書は三部構成で、 一部は、2011年7月23日に『樫田九条の会』と『アムネスティ日本・大津坂本グループ』が主催...

著者は原子力の平和利用を進めようと大学や院で学んだが、学ぶうちにその恐ろしさを知った。現在は原発反対・廃絶の論客の先頭にいるものとしてアクションを起こし続けている。 本書は三部構成で、 一部は、2011年7月23日に『樫田九条の会』と『アムネスティ日本・大津坂本グループ』が主催した『原爆・原発と憲法9条』の講演の内容がおさめられている。 東京大空襲を行ったB29、344機の爆撃機よりも原爆の威力の方が高いということ。原爆の原理や、ウランとプルトニウムの爆弾の違い。いかに核が危険か。 二部・三部は、『FMわぃわぃ』の放送や出版社の取材をまとめたもの。『FMわぃわぃ』は震災後、神戸市の長田区にあるラジオ放送局で在日外国人のたちに情報発信を積極的に行う放送局である。 小出氏はいかに原子力が危険なものであるかを訴え、かつそれが安全だという偽りの神話を流布してきたメディアの罪を声を大にして発言する。 漏れた放射能は東京電力の所有物であるとしそれを東京電力に全て責任を持って処理してもらうという話は筋が通り過ぎて目からウロコであった。 日本のメディアが原子力のイメージアップのためにしていることとして興味深かったことは、日本のことについては「原子力」、イランや北朝鮮については「核」と、英語にすればどちらも「nuclear」を言い換えて使っているとの指摘だ。こうして国民は騙されていたのか。 最初と最後に著者は、あの残虐なヒットラー・ナチスについて反省を述べたヴァイツゼッカー大統領の 『歴史に盲目になるものは、未来にも盲目になる』 という言葉を信念として、3・11の震災、そして最悪な原発事故が起こった時代に生きるものとして、未来の世代のために原発を廃絶すべきだと強く訴える。 「原子力がないと電力が足りなくなる。」 東電の広告費という大金で目をくらまされているメディアの宣伝を信じている人はぜひ一読を。価値観変わります。

Posted byブクログ