フラミンゴの村 の商品レビュー
村の女たちがフラミンゴになっちゃう話。 読み終わった今、私の中でフラミンゴはすっかりエロいものとして認識された。あの赤い鳥に欲情し翻弄される大人のおとぎ話なのである。
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「フラミンゴの村」(澤西祐典)を読んだ。 これまでに読んだ澤西祐典さんの『雨の中、傘の下』や『文字の消息』などは静謐さの中に際立つパッションみたいなものが印象的でしたが、今回読んだこれはこれは少し雰囲気が違っていて、不条理さに覆われた困難な状況下であるにもかかわらず滲み出てくる...
「フラミンゴの村」(澤西祐典)を読んだ。 これまでに読んだ澤西祐典さんの『雨の中、傘の下』や『文字の消息』などは静謐さの中に際立つパッションみたいなものが印象的でしたが、今回読んだこれはこれは少し雰囲気が違っていて、不条理さに覆われた困難な状況下であるにもかかわらず滲み出てくる人々の滑稽さと愚かしさがまず前面に出てくるのだよ。 カフカの「変身」に見た家族愛よりもさらに哀しい倒錯した愛の姿である。 ふと気がついて調べたらこの作品が澤西祐典さんのスタートだったんだな。 ここから次第に深みを増していったのか。
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取材をした人が淡々した語りと、人の心の動きの描写とのコントラスに、フラミンゴの鮮やか色があいまっか、スルスルと読み進められた。
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この先どんな結末がまっているんだろうかとドキドキしながら読んだ。しかし意外性のある結末というわけでもなく、散りばめられていた謎も何一つわからないまま。ちょっと消化不良感が否めない。マジックリアリズムだからと言われれば、そういうものかぁ、とも思うが、百年の孤独が現実離れした描写も含めてすごく面白かったので、なにかもの足りない。 フラミンゴにエロティシズムを見いだしている点においては斬新な作品だなと思った
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男が眠りから覚めると虫になってしまったのはカフカの変身、男が自尊心と羞恥心を拗らせて虎になってしまったのは中島敦の山月記。そしてこのフラミンゴの村では、女たちがフラミンゴになってしまう。有名な変身譚と比較してみると中島敦の「山月記」とは違って、村中の女達が何故フラミンゴになって...
男が眠りから覚めると虫になってしまったのはカフカの変身、男が自尊心と羞恥心を拗らせて虎になってしまったのは中島敦の山月記。そしてこのフラミンゴの村では、女たちがフラミンゴになってしまう。有名な変身譚と比較してみると中島敦の「山月記」とは違って、村中の女達が何故フラミンゴになってしまったかという理由には触れられていない。カフカの「変身」のように、変身してしまった理由は明かされず、ただただ不条理な状況下での人間心理が描かれている。赤い鳥『フラミンゴ』というのは作中でも出てくるメーテルリンクの『青い鳥』との対比なのだろうか?カフカの変身と大きく異なるのは、変身してしまったものの目線ではなく残された男たちの目線で進行するところだ。フラミンゴ(女たち)の内面は描かれずに、男たちの狼狽している様子や、不条理な状況にいかに対応するかが描かれている。特に村八分などの極限状況での人間心理や疎外に重点が置かれているように思えた。
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友人の薦めで読みました。 突然村中の女性がフラミンゴになった中で 語り手によって伝えられる様々な出来事が緊迫感持って説明される。人の細かな心理描写や行動が実際に起こりそうなものが多く、スラスラと読み進められる。 けど結局よくわからなかったのは自身の想像力が足りないからなんだろうな...
友人の薦めで読みました。 突然村中の女性がフラミンゴになった中で 語り手によって伝えられる様々な出来事が緊迫感持って説明される。人の細かな心理描写や行動が実際に起こりそうなものが多く、スラスラと読み進められる。 けど結局よくわからなかったのは自身の想像力が足りないからなんだろうなぁと思う。
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第35回すばる文学賞受賞作品。 文章は重厚だがリーダビリティに優れている。文章そのものも味わうことができる小説。 ある事件が起こった村に対する取材をもとに、その事件とも村とも関わりのない第三者が想像を交えながら事件について語り進める、というスタイル。このため真相は定かではない。...
第35回すばる文学賞受賞作品。 文章は重厚だがリーダビリティに優れている。文章そのものも味わうことができる小説。 ある事件が起こった村に対する取材をもとに、その事件とも村とも関わりのない第三者が想像を交えながら事件について語り進める、というスタイル。このため真相は定かではない。「藪の中」を若干思い出させる。 この小説を読んで私のフラミンゴの認識がすっかり艶めかしいものになってしまった。今度動物園に行った時改めてじっくり眺めてみたい。 村人たちはフラミンゴを家族として愛し続け、全力で守ろうとする。なんて愛が深い人々だろう、と思った。フラミンゴになったところで愛があっさり冷めるとか、フラミンゴになるならない関係なく愛のない夫婦もいてもいいと思うのだが、村人は皆家族を強く愛しているようだ。そこに感動と奇妙さを同時に覚えた。真相は「藪の中」スタイルなので、実際はそんなにひたむきに愛を貫いた村人ばかりではなかったかもしれないと想像をひろげることもできる。 良いマジックリアリズム、ですね。
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ベルギーの田舎町で起きた珍事件。 町の女性たちが、次々とフラミンゴになってしまう非常事態に 残された男たちは狼狽るばかりだった。 誰もがフラミンゴたちを守ろうと必死になり、 一致団結していたもの最初のうちだけで 不安と疲労から徐々に村人たちの分裂、 のちに証言されることになる男たちとフラミンゴたちの戯れ。 突然、空の上で燃えて消えたフラミンゴたち。 奇怪で艶かしい話し。 どうして女の人はフラミンゴになってしまったの? フラミンゴはどうして消えてしまったの? そこは読者の想像力で補って、 窮地に立たされたときの人間たちの行動がこの話では肝心なところ、なのかな? 災害が起きたときのことを思ったよ。 でも、フラミンゴの謎はやっぱり気になるよ
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ベルギーの片隅の村で、女たちがフラミンゴになってしまったという、奇天烈な筋書きの物語。 ただし、これは、当事者が書き残した手帳を基盤に、あとは関係者の聞き書きによって、第三者が推測もまじえて書き記したという形式。金田一耕助のシリーズもそんな感じだったかな? 筋書きは金田一もののよ...
ベルギーの片隅の村で、女たちがフラミンゴになってしまったという、奇天烈な筋書きの物語。 ただし、これは、当事者が書き残した手帳を基盤に、あとは関係者の聞き書きによって、第三者が推測もまじえて書き記したという形式。金田一耕助のシリーズもそんな感じだったかな? 筋書きは金田一もののようなおどろおどろしさはなく、流麗な語り口ですらすらと残された男どもの狼狽と苦悩を描いていく。それにのせられて、摩訶不思議な物語の世界にすっと運ばれ、最後まで楽しんだ。
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ホラーなお話だった。夜中に読んでたもんだから、フラミンゴが卵を産んだとわかったときなど、何度か背筋が寒くなる場面があった。 結局なんだったのか?何もわからないまま終わるし、後味もそんなによろしくない。それなのに不思議と嫌な感じはしなかった。
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